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モスクワマラソンレポート。

モスクワマラソンを走ってきました。

モスクワマラソンは名称を変えながら、これまで30回以上の開催されてきたマラソン大会です。
世界各地から10,000人を超えるランナーが集い、モスクワ中心部を走ります。

今回、私も初めてモスクワマラソンを走ってみたので、自分が実際に行ってみての記録のため、これからモスクワマラソンを走る人のために本記事を書いています。
ほとんどの国・地域でビザなしでの海外渡航が可能な日本人にとって、隣国でありながらビザが必要なロシアという国は、名こそ知っているものの、そこまで馴染みのない、いわば「近くて遠い」国なのではないでしょうか。

しかし、マラソン自体の申込は意外と簡単で、参加すればモスクワ中心部の街並みを楽しむことができる上、9月下旬にしてすでに肌寒い日も多いモスクワの街。日本の秋冬のロードシーズンに向け、力試しや距離走を兼ねて参加されてみるのも良いのではないでしょうか。
そういった方々に、多少でも参考になれば良いなと思いつつ。

有料記事となっていますが、全文無料公開です。気が向いたら投げ銭してくださいませ。
※この記録はモスクワマラソン2019の情報です。今後変更される可能性がありますので、ご自身の参加時の大会の公式情報を必ずチェックしてください

マラソン申込。

申込をするには、旅行会社のツアープランか、個人で直接申し込むのが一般的なのではないでしょうか。
旅行会社のツアープランでは、申込やビザの代行、ツアー中にコースの下見を組み込んでくれるものもあるようです。
ただし、もちろん個人旅行と比べてある程度の金額がかかります。
このあたりは懐事情と相談ですね。
懐事情と相談した結果、私は今回、個人申込&個人旅行で参加してきました。

申込は、モスクワマラソンの公式サイトから行うことができます。

ここからRunning Communityというサイトで会員登録し、申し込みます。

どうやら、モスクワでは4月~10月にかけて定期的にランニングイベントを開催しているみたいです。ドッグランやナイトランなど、色々面白そう。
この会員サイトは、年間を通して、これら様々なランイベントに参加するためのものの様です。

言語はロシア語or英語対応。

私は5月に申し込んで、4500ルーブル(約8000円強)でした。
もう少し早めに申し込むと、早割みたいなのもあるみたいです(うろ覚えです、未確認)。
これは日本の大都市圏のマラソン大会に比べると安めです。

※参考 
大阪マラソン2019:10,800円 
東京マラソン2019:16,200円(海外18,200円)
京都マラソン2019:15,000円(海外17,000円)
とはいえ、別途経費が掛かることもありますが(後述します)。

何より、抽選がありません
早めに登録&スケジュールを立てれば、航空券やホテル含め、よりリーズナブルに参加できそうです。

英語で各種情報を入力し、申込完了。
ネットでの申込は、日本での他のマラソン大会に参加したことのある人であれば、だいたい入力事項は同じなので比較的簡単にできると思います(翻訳サイトなども活用しつつ)。

余談ですが、翻訳サイトだと「みらい翻訳」の精度は結構評判です。

ビザ申請。

さて、マラソンへの登録自体は容易にできるのですが、ロシアへの入国はもうひとつ関門があります。
それがビザ申請です。
ロシアへ入国する際はビザが必要なため、ここが重要です。
なお、ウラジオストクなど一部地域ではインターネットで簡易のビザ申請が可能になっています。

※追記:サンクトペテルブルグも電子ビザの受付を開始するようです。今後拡大する可能性ありとの記述もあるので、モスクワも気軽に訪問できる日が来るかもしれません。

さて、ビザについて。
手間はかかりますが、個人で申し込めばかなり安価に抑えられるようです。(気になる方は調べてみてください)
ですが、今回私自身は
⑴初の入国で多少の不安があった
⑵仕事が多忙な時期だった
⑶一度帰国して再びロシア(ウラジオですが)に入国するスケジュールだった
ため、安心を買うと思って、ビザの申請代行会社に依頼しました。

申請代行会社も色々あるみたいです。
今回私が依頼したところは2週間以上前の納期、ダブルビザ(2回出入国)で13,500円でした。
高いととるか安いととるかは個人次第だとは思いますが、個人的には知らない土地での一人旅、自分でビザを取ってミスがあり、トラブルに巻き込まれるのも嫌だなぁというところ。
なお、代行とはいえ日が近くなればなるほど費用は高くなります。代行での取得を希望される方はどうぞお早めに。
申し込みのち、パスポートとビザ用の写真を用意するだけでビザを発行してもらえました(このあたりの準備物もまちまちだと思います)。

入国審査時に特に止められることもなく、散策中にもトラブルなどはありませんでした(というか今回は職務質問とかされなかった)。

備えあれば患いなし。出国前の準備。

ということで、無事に申込や入国に必要な手続きを終えたのですが、開催2週間前になってMedical certificateが必須であるということが発覚しました。
Medical certificateとは要は英文の健康診断書みたいなものなのですが、これがないと受付してもらえないみたいです(そう書いてありましたが、真偽は不明)。

日本の医療機関でも発行してくれるところはありますが、保険適用外なので費用が掛かったり、どこでも発行してくれるわけではないみたいです。

私は運よく近くの病院で発行してもらえました(5000円+税でした)。
先ほど参加費が安いと書いたのですが、日本のマラソン大会では当日健康チェックや誓約書を書かされることはあっても、こういった正式な書類を提出したことがなかったので、結局その費用も込みだとあまり変わらないかも。

走るための靴や服装は、日本と同じですね。
ただし、ロシア滞在を通して晴れの日でも通り雨などが多かった印象なので、雨対策は頭に入れておいた方が良いかもしれません。
また、ゼリーや飲料などは日本のものと異なっているor売っていても割高ということがあります。万全を期したい方は持参されることをお勧めします(液体は必ず預け荷物に)。かさばらないという意味では粉末タイプのものは重宝するかも。

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(事前受付の会場でアミノバイタルなど売ってましたが、日本より割高でした)

いざ上陸。入国。

さて、入国ですが、私は一度サンクトペテルブルグに滞在してからモスクワに入りました。なのであまり参考にはならないかもしれませんが、基本的に入国時の到着⇒入国審査⇒手荷物引き取りという流れは他の国と変わらない模様です。

また、シェレメチェヴォ空港、ドモジェドヴォ空港から市内へは直通列車やバスが出ています。丁度地球の歩き方のウェブサイトにアクセスの記事が掲載されていました(本当ありがたい)。

ちなみに、サンクトペテルブルグとモスクワの移動は飛行機の他、高速鉄道(サプサン号)があります。モスクワの交通事情含め、別途簡単に記録を書いているので、良かったらご参考までに。
(もっと丁寧な情報が必要な場合はネットや本を買っていただいたら出てくると思います)

なお、ロシアのホテルでは滞在登録というものが必要みたいです。と言っても、受付時にパスポート&入国審査の際に渡された書類を提示すればホテルのスタッフがやってくれる模様です。

最後の関門?レース前日。

モスクワマラソンはレース前日までに事前受付を行う必要があります。
当日の受付は行っていないので要注意。

今回の受付時間は2日前が11-21時前日が10-18時でした。
受付会場が少し市内中心部から離れていますので、前日に入国される方は空港からの移動、ホテルのチェックインなど含め十分注意してください

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受付会場はコンベンションセンターのような場所。

会場内では大都市部のマラソン大会よろしく、様々なショップが出店してます。

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ちなみに、モスクワマラソンのスポーツパートナーはasicsみたいです。
ロシアに販路を伸ばしていってるのでしょうか。

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見慣れた企業もいくつか。

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(ミズノ)

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(タニタ!)

ひとつ驚いたのは、ハイネケンがスポンサーに入っていたこと。ビールらしきものを無料で配布しており、マラソンとアルコール? と思っていたのですが、実はノンアルコールビール
なるほど、その手があったか・・・という感じです。

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(もらった)

さて、受付。
まずパスポートとMedical certificateを提出。

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こんな感じ。これはのちに走ったウラジオストクマラソンでも同じフォームでした。

受付で最初に、10キロか42キロか聞かれます。
ちなみに私はロシア語で聞かれました(英語の人もいるかも)。
10も42もロシア語でわかるにはわかるのですが、まさかこのタイミングで(ナンバーとか提示しているのに)聞かれると思ってなかったので、少しキョトンとしてしまいました。

数字の発音が全く違うので準備してないと「?」となります。多分ロシア人が「よんじゅうに?」「じゅう?」と聞かれるみたいな。

何はともあれ、ここを通過するとナンバーごとに割り振られた受付へ。スターターキットをもらいます。

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スターターキットはこんな感じ。

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Tシャツ、パンフレット、チョコレート菓子、割引チケットなど。

これを受け取れば一応受付は終了です。
受付時、フルマラソンのランナーはパスタパ―ティー用のチケットをもらえます。同じ会場で振る舞っているパスタを1皿無料で食べることができます

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こんな感じ。美味しかった。量自体は多くないです。

少し公式グッズなども見てみます。

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トートバッグがかわいかったので、買ってしまいました。

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と、こんな感じで前日終了。

ちなみに前日の食事ですが、食べ慣れた食事で炭水化物を摂取したいという方は、モスクワにはラーメン店がある他、チェーン店では松屋と丸亀製麺が進出してます。ホテルの距離などと相談してみて、行ってみるのも良いかも(私は行けませんでした)。

いよいよ出走。レース当日。

そしていよいよ当日です。

スタート会場はルジニキ・スタジアム。2013年モスクワ世界陸上や2018年ワールドカップが行われた会場です。
なお、ワールドカップの際の改修で今はトラックは撤去された模様です・・・。

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最寄り駅はВоробьёвы горы(Vorobyovy Gory)など3つの駅。
駅からは少し歩きますし、会場に入るのには手荷物検査がありますので、時間に余裕を持って向かわれることをおすすめします。

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余談ですが、ロシアはイベント、メトロ、文化施設などどこでも手荷物検査があります。というよりは世界的に観れば日本が実施してないだけ、という感じなのかもしれませんが・・・。
地下鉄などはゲートなどの簡易な検査ですが、外国人が大きい荷物などを持っている場合はしばしば止められることもあり、機械を通す必要があったりします。

会場には男女更衣室、お手洗い(共用)、手荷物預けなどは揃っています。
とはいえ更衣室は「部屋」ではなくスタジアムの客席下の「空間」だったりしますが。
大規模なマラソン大会のご多分に漏れず、トイレや更衣室は混雑します。
更衣室は自分のスペースを見つけて確保するのがコツかなと思います。

手荷物預けは前日に渡されたシールを荷物に張り付ける形。ゼッケン番号ごとに受け付けてくれます。
前日の受付で渡された袋を使うことを推奨されていましたが、別に他のバッグでも預かってもらえる模様でした。
スタートとゴール地点が同じなのでゴール後のロスもありません。

レースは9時スタート
ちなみに9時ということは日本の時差を入れると13時なので、普段あまり朝練などはしていない、夕方や夜に走るランナーにとってはありがたいかもしれませんね。
4時間前の5時に起床したとしても日本時間の9時です。

レースはA~Jの10グループ。
B以降のグループにはペースメーカーが付きます。

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恐らくAはエリート組なのではないかと思います。
注目すべきはBグループ。サブスリー用のペースメーカーが付いてくれます。
今回私は3時間を切るくらいのタイムで申請してBグループに回り、37Km地点くらいまでペースメーカーにつきましたが、3人のペースメーカーが丁寧に刻んでくれていました。
ちなみにスタートはグループごとに時差スタートです。

さて、走ってみた感想。

当日は結構気温が低く、確か8℃くらいだったと思います。マラソンを走るにはよかったですが、その頃日本の気温は30℃越え…笑
私はその前に数日サンクトペテルブルグに滞在していたのでダメージは少なかったですが、いきなり移動すると気温差がすごかったと思います。

コースはモスクワ市内の大通りを中心に走ります。
途中、上り下りや石畳もあります。少し急な坂もありますが、マラソンに慣れている人だと、そこまでは気にならないかもしれません。私はしんどかったですけどね…笑。

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ともかく、走っている最中の魅力は美しい景色。モスクワの街並みや宗教建築をとにかく満喫できます。
走ってる最中は写真を撮れなかったので、是非、実際に参加して満喫してみて下さい。

他方、注意すべきは先ほども書きましたが、天気
私のいた時期がたまたまそうだったのかはわかりませんが、サンクトペテルブルグでもモスクワでも頻繁に通り雨が降りました。また、時折強い風が吹くこともあります。
特にレース後半の通り雨は体力や体温を奪っていきます。時期的には日本でまだまだロードシーズンが本格的に始まっていない時期かと思いますので、対策を十分にされることをお勧めします。

ワセリンを塗ったり、保温・調節できる・速乾性が高いウェアを身に付けるなどが良いかもしれません。

個人的にはシーズン初レースということで、自己ベストに近いサブスリーを狙ったのですが、37キロ以降失速してしまい、3時間を過ぎてゴール。

ちなみに優勝タイムは2時間18分2秒(男子)、2時間29分26秒(女子)。
このページで今回の記録などを確認できるので、ご自身のタイムなどと比較してみて目標を設定されるのもいいかもしれません。また、ライブ中継を行っており、その動画が残っています。ご覧になってみても良いかも。

レース自体は苦しかったですが、初海外レースということもあってか、気持ちは高揚し、楽しかったです。

トンネルを通過するとみんなで「イェーイ!」と盛り上がったり、給水を取れなかったランナーに他のランナーが手渡したり、遅れかけているランナーを励ましたり(私も最後励ましてもらいました)。
走り出してしまえば皆同じ、という感じでしょうか。

ゴール後は水、果物(バナナ、リンゴ、オレンジ)、メダル、風よけのアルミ生地の様なものをもらえます。

ひとつ気を付けるべきはゴール地点から手荷物預かりまで休憩スペースがないこと。ゴール後手荷物地点まで5~10分くらい歩き続ける必要があり、これが結構こたえます。
特にスタジアム周りは風が強く、体を震わせながらとぼとぼ歩きます。風よけをまといますが、それでも寒い。

一通り着替えなどを終えると、イベントスペースへ。ここでは無料のホットミールがもらえたりします。

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(パンと蕎麦がゆの様なもの、紅茶)
ロシアの紅茶、砂糖が結構入っていてべらぼうに甘いのですが、冷えてエネルギーを使い果たしたレース後に限っては最高に美味しかったです。

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あと、ここでもハイネケンのノンアルコールビール配ってました。すごいなハイネケンの力。

おわりに。

ということで、モスクワマラソンを楽しんできました。

海外レース初体験だったのですが、モスクワマラソンは結構運営もきちんとされている模様で、大きな不便もなかったです。
あまり日本の方に出会えなかったので、次回出ることがあれば、多くの方にお目にかかれると良いなぁと思いました。

長々と書いてまいりましたが、多少なりとも参考になれば幸いです。

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(冒頭部分にも書きましたが、これで全文です。もし気が向けば投げ銭などお願いいたします。)

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