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[ヨーロッパ旅行 12.5]🇮🇹電車トラブル、素敵な方に出会えた話

[ヨーロッパ旅行 13]の記事で書こうと思っていた内容なんですが、あまりにも長くなってしまったのでこちらで別に書きます。特別大きな事件が起きた訳ではないんですけど、私的に印象に残っていてどうしても書きたかったのと上手くまとまらなかったので番外編的な感じにしました。

イタリアの電車

旅行先で一番心配なのが、移動が上手く行くかどうか。切符の買い方一つにしても国によってそれぞれ違うので、見知らぬ土地で交通機関を使うのは想像以上に大変なことです。これまでも切符が買えなかったり、電車が遅延したり、違う路線に乗ってしまったりと色々なトラブルがありました。しかし大概は職員の人に尋ねるか周りの人の親切で、どうにかヨーロッパ初の私でも10以上の都市を移動することができていました。今回も周りの人の優しさに助けられたの出来事の一つです。

大晦日の昼過ぎ、私はミラノに向かうためジェノヴァから直通の電車に乗りました。両都市間の距離はさほど遠くなく、2時間弱です。チケットは何度もお世話になったtrainlineというスマホアプリで事前に取っていました。

まずイタリアの電車なんですが、私がそれまで旅行したイギリスやドイツに比べると時間に正確で、「イタリア鉄道やるじゃん」なんて思っていたんです。(イタリア初日、どうせ遅れるだろうと思い込んでいたら僅か数分の誤差で電車を乗り過ごした経験から学びました。)この時も時間通りにやって来て順調かと思われました。

突然起きたトラブル

しかし、ある駅に停車してから中々発車しないのです。日記を書くのに夢中で気付かなかったのですが、かなり長時間停車していたようです。「流石に長いな」と思い始めた頃、イタリア語のアナウンスが流れて車内がざわつき始めました。私は何が起きたのかさっぱり分からず周りの人が荷物をまとめるのをぽかんと見ていたのですが、その様子を見てか前に座っていた50代くらいのおばさまが「電車が故障したから乗り換えしなきゃいけない」と教えてくれました。

このおばさま、ジェノヴァからずっと四人席の対面で一緒に乗っていて、化粧や身なりから何処となく上品な感じのする方でした。私が網棚にスーツケースを上げるのを手伝ってくれたりと良い人だな、とは思っていたのですが、思っていた以上に素敵な方でした。

かっこいいおばさまに出会えた

まず降りた先で私を待っていてくれて、「着いておいで」と乗り換え先まで案内してくれるようでした。私たちが降ろされたのはミラノまでの中間地点付近の小さな駅。しかし問題は、大晦日だからか駅に職員がおらず乗り換えの案内がないことでした。同じ電車に乗ってきた人は皆5℃を下回る寒さの中、外のホームや地下通路で立ち往生する羽目になったのです。

その間も彼女は周りの人に情報がないか聞いて回っては私に英訳してくれたりとかなり頼れる様子だったので、私は「この人といれば大丈夫だ」と安心していました。またどうやら群衆の中に彼女の友達を見つけたらしく、そこからは3人で地下の電光掲示板が更新されるのをまだかまだかと睨んでいました。彼女の友達とはイタリア語を話せない代わりに表情で「困ったね」みたいな感じのやりとりをしていました。

地下通路で待機。手前に写っているのはお友達の方。

そして1時間程待った後、ようやくミラノ行きの次の電車が到着し、私たちはそれに乗ることに。寒さで体力もかなり限界だったのですが、車内は予定外に乗り込んできた乗客でいっぱいで座れる席はありませんでした。それでも暖かい車内に入れただけマシです。違う電車に乗ったら別に電車賃を要求されるんじゃないかという心配もありましたが、幸い切符を切る職員は来ませんでした。おばさま方は「そうなったら戦うわ」的なことを言っていたので心強い笑。

車内で少し話すと、どうやら彼女はジェノヴァの空港で働いているとのことでした。なるほど、英語が流暢なのも納得。年越しを家族と過ごすためにミラノに帰る途中だったそうです。その後も酔っ払いが乗って来た時に、「危ないから注意して」とアイコンタクトで教えてくれたりと、何かと頼り甲斐のある行動をしてくれる方でした。パニック映画のヒーロー枠で出て来そうだな、なんて思うくらい。

彼女が私の一駅前で降りる際に名前を聞かれたので答えると、「あなた日本出身ね。私も何度か行ったことがあるけど良い国だわ。」と言ってくれました。よく名前だけで分かったなと驚いたのと同時に嬉しかったです。今度は北海道に行きたいと言っていました。私が感謝の気持ちを伝えると、ウィンクして電車を降りて行きました。かっこよ…。

ミラノへの到着は予想外に2時間も遅れてしまったけど、彼女のような人に会えてむしろラッキーだったなと思えたのでした。

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