垢抜けない叫び
みなさん、こんにちは。
今日は、とあるnoteを紹介したくてこのエントリーを書いています。
それがこちら
筆者の・(旧side)さんは線維筋痛症という病気に掛かられています。しかしそれを言い訳としたくないと思っていて、でもギリギリで助けを求めないでいられないところまで追い詰められています。
就職氷河期世代で、最初からすべてを奪われ、何も与えられないまま大人になった世代…。
いくら救いの手を求めても、社会は彼に手を差し伸べてくれません。行政が、家族が、会社組織が、日本社会が、弱者を切り捨てる仕組みにいつの間にかなっているからです。・さんの線維筋痛症が難病指定されていないという事実が、事態をさらに悪化させています(障害者総合支援法の対象にならない)。
・さんは、恐らく生きがいであった音楽を…noteにアップしてあった音源のすべてを削除してしまいました。名前もsideから・に変え、まるで自分の存在を消し去ろうとしているように思えます。
彼の紋切り型の世代論をそのまま肯定することはないけれど…そうして中には厳しい世代でもサバイブしてきた人もいるし、どの世代にだって困窮してる人はいる…そういった当たり前の前提を踏まえた上で、・さんに共感する人はかなりの数いるんじゃないか、と思います。
そうして私たちはと言えば、洗練されたスマートなものばかりを追いかけ、美味しいものを食べ、旅行をし、自分探しをする。色んなものを視界に入れないようにして。
作業は効率化し、余った資金は投資に回し、高級車を乗り回し、厚化粧の美女を連れ、仮想通貨はなかったことにして、サロンにたむろする。もしくはそういった一部の成功者に憧れ、フォロワーとなり、献金して自分もその一部になれたと錯覚する。
何が正しいとか、◯◯をすべきとか言うつもりはありません。何より私が正解を持ちません。
ただ、この清潔感あふれる、広告のバナー一つ出ない美しいnoteが、ふとした瞬間に白々しいものとして目に映る瞬間があって……もちろんnoteに罪はありませんが……日本社会全体が、色々な無理難題を背負いきれなくなっている現状を認めてからでなければ、ここから先、どこにも辿り着けないように思うのです。
伸びない賃金、雇い止め、独居老人、一人あたりのGDPの伸び悩み、国際競争力の低下、学術論文数、国際特許数の減少、貧困児童、etc...。
・さんが指摘しているように、そんなことは分かってた筈です。少子高齢化の行く末も、就職氷河期の10年後がどうなるのかも、年金の不足もなにもかも。
・さんは続けます「だからといって、デモもダメ、選挙もダメ、逃げ場はもうない、答え合わせは出てしまった」と。
だから
『「無抵抗の人間をぶち殺してやる」
とトチ狂ったやつがいてもしょうがない。』 と。
私は・さんに反論する言葉を持ちません。たとえ反論しようがしまいが、現実問題として歪みは既に起きているし、誰にも止められない。もう日本はそこまで墜ちてしまった…。
老後資金は足りなくなり、若者の給料は上がらず、高齢者の運転する車が暴走し……誰かの殺意が溜め込まれる。私たちにそれを止めることはできません。
美談になりようがなく、純真無垢でもない、垢抜けない・さんの叫びはだからこそ本物で、洗練された真っ白のnoteの中で、現実の色を持ち無視できない存在感を放っています。
一つだけ言えるのは、私たちが・さんを無視すればするほど、社会は音を立てて崩れてゆく、ということです。
ここでいただいたサポートは、海外向けの漫画を作る制作費に充てさせていただきます。早くみなさんにご報告できるようにがんばります!