スクリーンショット_2019-01-18_10

『解体屋ゲン』 #53 名刺配り

とうとうゲンがスーツを着る!?この話では職人としてのゲンと企業人としてのゲンを描こうとしています。果たしてゲンは社長としてうまくやっていけるのでしょうか…。


(リンク先で無料で読めます)


個人事業主はお気楽と思われがちですが(そういった側面もあるのですが)、悩みの一つとして、自分の好きなことだけやってられないということがあります。いわゆる一人親方の場合、経理も総務も人事も営業も居ないのです。

ゲンは慶子というパートナー、ヒデと光と言う優秀な部下を得ましたが、扶養する社員が増えると今度は社員に給料を払うために仕事を多く取らなくてはなりません。そのためには外に顔を売って、知り合いを増やさねばならず…。

この辺りはどの職種でも一緒だと思います。だからパーティで名刺を配り、挨拶回りをする。


しっかり者の慶子がさりげなく名刺を用意

人付き合いが苦手なゲンは、すぐに抜け出してしまう

個人事業主を続けられるかどうかは、実はこういった問題が結構大きいと思います。技術には自信があるけど、仕事を取ってくるのが苦手、価格交渉が苦手、押しの強い人が苦手…あ、全部私のことですが(笑)。

ただ、ここに来て時代が変わってきたのをヒシヒシと感じます。IT技術が普及してきたおかげで、ネットで仕事を取ったり在宅で作業する環境が整ってきたのです。漫画家さんと在宅アシさんが顔を合わせないまま仕事をするとか珍しくないですし、私も普段はメール添付で原作を送るので、担当さんと直接顔を合わせません。

これはこれで別のスキルが必要(SNSやサイトをマメに更新するとか)ですが、仕事のあり方の幅が広がったのは確かです。

さて、企業人としてゲンはうまくやっていけるのでしょうか。その結末は本編でお楽しみください。  <続く>





今回も余談を。

今回の発電機のオルタネーターベルトをストッキングで代用する話ですが、これは私の父の実話です。

父は公務員でしたがちょっと変わり者で、中古車を次から次に買い、修理しては誰かに売ったりあげたりして、また次の車を買うというのを繰り返してました。利益はまったく出ていなくてただの趣味です。

私が知っているだけでも、スバル360→ホンダNⅢ360→コンテッサ→ベルリーナ→シビックCVCC→セリカ1600GT→コスモ→フェアレディZ→→ジムニー→サニー、それ以外に軽トラが何台か…。一貫性があるのかないのかさっぱり分からない趣味です。

この中のベルリーナが今回のモデルですが、この車は本当にオンボロで乗る度にガソリン臭くて車酔いして、後で調べたらガソリンタンクが腐食して上部に穴が開いていました。私はその前のコンテッサが大好きだったので親父を恨みました。

そのオンボロベルリーナで夏休みに海に向かったのですが、案の定途中でオーバーヒートです。切れたのはオルタネーターベルトではなく、ラジエーターを冷やすファンベルトでした。

当時5,6歳くらいだったので記憶がないのですが、この時、母親はストッキングを脱いだのでしょうか(笑)。とにかくベルト代わりにストッキングを縛り、なんとか帰ってきた記憶があります。

海水浴は中止、もちろん車酔いでゲロを吐きさんざんな目に遭いましたが、不思議とこういうエピソードの方が記憶に残っているものです。なにかの拍子でふとこの話を思い出し、ゲンさんの中に取り入れたのでした。


<追記>

これ市販化されないかなぁ……。欲を言えばGTやカブリオレ仕様があれば若者にも人気出ると思うんだけど。最近のやたら大型化してオラつき感のあるSUVブームには食傷気味です。



#解体屋ゲン #漫画 #マンガ #コラム #解説 #KindleUnlimited


ここでいただいたサポートは、海外向けの漫画を作る制作費に充てさせていただきます。早くみなさんにご報告できるようにがんばります!