『解体屋ゲン』 #63 ヒデ、頑張る!(前編)

この回からはヒデが頑張る話です。←そのまま。勉強はできないけど、手先が器用でクレーンの運転ならゲンにも負けないヒデ。こういう人って社会には大勢居ます。通知表の評価は悪いけど、仕事はできる。みなさんの周りにも居ませんか?


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頭の回転が早く、手先が器用でチャッチャと仕事を片付ける、取材をするとそういう人に沢山出会います。「いやー、俺なんて学がなくて」そう謙遜する人も多いです。でも現場ではバリバリ仕事ができる。これは一体何なのか?

思うに、学校教育と受験で測られるのは人間のある特定の一面の能力だけなのだと思います。学力とざっくり言いますが、暗記力と読解力、パターン認識力、もっと言えば机に黙って長時間座って身につけられる能力と環境(塾にお金を払えたり家の手伝いをしなくてもよかったり)が揃えられる人が身につけられる能力であって、それは世の中に出た時に役立つ面と、それだけでは太刀打ちできない面がある。

それは円滑な人間関係を作る能力だったり、力が強くて手先も器用だったり、人をまとめあげる能力、本当にピンチの時にそれをなんとか凌ぐ能力だったりしますが、そういう能力は学校教育ではなかなか学べない。

しかし世の中の評価と給与は、学校教育での評価がそのまま社会にスライドしてきて当てはまることが多い。就職活動では大学名が大きくものを言い、高卒と大卒では最初から給与表が異なるのが現実です。取材を重ねるといつもここに理不尽さを感じます。

でも仕事は違う。学歴に関係なく使えないヤツは使えないし、できるヤツはできる。実力主義の職場も確実に増えてはいると思います。ただ本当の実力社会になると、いつ自分のポストが奪われないかとビクビクし、常に上を上を目指して努力し続けなければならない。それはそれで厳しい社会だと思いますが…。

ちなみに私はこの世界(漫画業界)に入ってから、一度も履歴書を提出したことも学歴を聞かれたこともありません。その意味ではとても公平で真の実力社会だと思います。どんな格好をしてようと態度が不遜であろうと、いい漫画、売れる漫画を描いた者だけが生き残ってゆける世界…。でも、私の知る限り売れている漫画家さんほど謙虚で社会性も高くて人格者が多いと思います。私?売れてない漫画原作者に人格を求める方が無理ってもんです。

さて、ヒデの台詞

これちょっと自分に対する反省が入ってて、自分は子どもの頃おとなしくて、親に反抗するとか家を飛び出すとかもなく、今思えばもっと吹っ切れてればよかったな、と思うことが少なくありませんでした。なので自分の子どもに対して「もっと自由にやれ、学校なんか休んでいい、塾なんか行かなくてもいい」と言い続けてますが、不思議とこう言うと子どもは反抗しないんですよね(笑)。

さて、出来のいい妹のためにがんばる不出来な兄、しかし頼れるのは自分のクレーンの技術だけ。ヒデは見事優勝できるでしょうか。<続く>






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星野茂樹

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