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『解体屋ゲン』 #48 吸収合併<前編>

あろうことか、下書きを済ませた頃に年内の仕事のカウントを1本間違えていたことが判明し、バタバタしている間に公開を忘れてしまいました。ひょっとして楽しみにしていてくださった方、申し訳ありません。


(リンク先で無料で読めます)

今回から2回は組織の話です。ライバルのジョージ富田率いるダイナメンションが日本に進出を決め、ゲンたちの元請ゼネコンはそれに備えて早く組織を大きくしろと要求してきます。しかしゲンはただ人数を増やすような真似はしたくなくて…。『解体屋ゲン』の時期は日本の失われた20年と重なります。今でこそ建設業は景気がいいですが、当時は中堅ゼネコンですら倒産する時代でした。


当然ゲンは会社を大きくすることに慎重です。第一事務所が狭くて…

最初の頃って青年誌を意識してお色気をがんばって入れてますね

人員を増やそうと思うと事務所も移転しなくちゃなりません

ゲンたちは零細企業なので設備投資に回す余裕がないのです。これって中小企業の多くが抱える問題で、この状態で15年、20年と経過してゆくとどうなるか、そう企業の高齢化が進みます。その結果として、今の日本の中小企業全体が高齢化しているのです。

特に建設業は3K(きつい、汚い、危険)とか言われて若い人材が入ってこないため、職人の高齢化と若者離れが深刻な問題となっています。これは外国人労働者が必要とされる背景でもあります。

その一方、
高齢化→賃金の上昇→生産性の低下→若年労働力(外国人労働者)確保
が何を生み出すかというと、一歩間違うと
賃金の高い高齢者のカット→賃金が割高で言うこと聞かない日本人の雇い止め
に繋がりかねません。日本人の仕事を外国人が奪った、と見る人も居るでしょう。

でも事態はそれどころじゃなくて、圧倒的に人手不足の業界や企業が既に存在しているのです。ここのさじ加減は本当に難しくて、何が正解かは探り探りゆくしかないのかな、と思います。

さてゲンたちはどうするでしょうか?後編をお待ち下さい。 <続く>




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