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ぶらり美食の旅@スペイン・サンセバスチャン

スペイン・サンセバスチャンの旅行エッセイです。
登場したお店のGooglemapリンクが最後にありますので、旅行前の参考になれば幸いです。



「あ、今週末のフライト安い。サンセバスチャン行っちゃう?」と、夫。
格安航空券を調べたり、旅行情報を調べるのが趣味なのです。
いいじゃん!と食い気味で返事をして早速グーグルマップを開く私。
美味しいものには目が無いのです。

サンセバスチャンはスペインの北にある小さな町。
バスクチーズケーキ発祥の場所として日本では有名になりました。
美食の町としても名高く、小さなバルをはしごしながらお酒と小皿料理を楽しめるので、じわじわと人気が高まっている旅行先でもあります。

さて、3日後。
小さな空港から発車するぎゅうぎゅう詰めのバスに乗り込み、いざサンセバスチャンへ!
街の中心部でバスを降り、意気込んで周囲を見渡しましたが、あれ、意外と開いてる店がない!?
ちょっと焦りながら、行きたいお店リストをチェック。
時刻は9:45。
グーグルちゃんが10時からオープンだよ!と教えてくれたので1件目はBar sportsに決定。

お店の前で少しだけ待って、シャッターが上がるのと同時に入店!
普段は開店待ちって絶対しないんです。めちゃめちゃ気合い入ってるね!と思われるのが恥ずかしくて。
でも少し前にサンセバスチャンを訪れた知人から、Bar sportsは人気すぎて店に入ることさえできなかった、と聞いていたので、シャッター前に堂々と陣取り10時を待ちました(笑)

お店はテーブルが4つに椅子なしのカウンターでこぢんまりとした雰囲気。
でも、カウンターの上にあるショーケースの中にはカラフルなタパスがいっぱいでワクワクが駆り立てられます。
お客さんが少ないのをいいことに端から舐めるように見つめ吟味していると、店員さんがメニューを渡してくれましたが、それをみてびっくり。なんと日本語メニューだったのです。
昨今、どこへ行っても「ニーハオ」と話しかけられることが多い中、私が日本人だとなんでわかったの!?ずっと店員さんにはスペイン語を話してたのに!とびっくり。
(余談ですが、地元のアジア系ガードマンさんは、何度私が中国人じゃないよ!と言ってもニーハオと挨拶してくれます。可愛い)
後でわかりますが、不思議なことにこのサンセバスチャンで見かけるアジア人は100%日本人でした。
もちろん中国から、韓国からという方もいらっしゃるのでしょうが世界でも珍しいほどの日本人比率です。

メニューを見ながら改めて悩んだ結果、うにクリームとハムのクロケッタ、それからチーズケーキを注文。
本当はうにはあんまり好きじゃないんです。
が、ショーウインドウの中のうにに一目惚れ。うにの殻をそのまま器にし、一番上にキラキラのいくらがちょこんと乗っていて、すごく綺麗だったんです。

私のうに、すぐに食べられるかと思いきや一度裏のキッチンに下げられてしまいます...
戻ってきたうには相棒のいくらを失い、オレンジのクリーム一色。
お化粧直しをしてきたはずなのに見た目が地味になった...と少しがっくりしつつスプーンを手に。
さてお味は...おおおおお、絶品!
ほんのり温かいとろとろうにクリームは濃厚なのにまろやか!
底に隠れていたいくらが食感のアクセントになっています。このソースのパスタが食べたい...(絶対高い)
生臭さは全くないので息子も食べやすかったよう。最近覚えた「It’s mine!!」を連呼しスプーンを離しません。

開店して30分も経たずに店内はカウンターまで満員大盛況。
観光客は日本人が多めでしょうか?みなさんテーブル席でちょっと一息。地元民らしきおじちゃん達はカウンターでサクッと飲んでいます。
観光客のみなさんは食器をカウンターに戻してから退店していて、これが日本人は礼儀正しいと言われる理由だよな〜とワイン片手にちょっとほんわか。
私の住んでいるバルセロナはオーバーツーリズムで地元民がピリピリしている、なんて聞いたりもしますが、それに比べるとサンセバスチャンはまだまだ観光がしやすいエリア。
今後さらに観光客は増えると思いますが、これからもバスクの方々と良い関係を築いていけたらいいな、と思います。

さてお次は帽子屋さんに。
帽子屋さんも、サンセバスチャンで行きたかった場所のひとつ。
ベレー帽はこのバスク地方が発祥らしく、絶対に息子とお揃いで被りたいと思って!!

え?自分の帽子ですか?
えっと...それはですね...はい、昨日バルセロナで購入済みです!!はい!
だって現地で好きな色がなかったらいやだったんですう〜〜〜。
絶対白が欲しかったんですう〜〜〜。
どこの帽子屋さんでも取り扱ってるとわかったから買っちゃったんですう〜〜〜。

近くにある帽子屋さんへ向かいましたが、おばちゃんが店先を掃除しています。
「Abierto?(開いている?)」と声をかけるとおばちゃんは少し無愛想に頷きます。
息子に色を選んで欲しかったので、他のお店の方がいいかな〜と思ったのですが、えいや!と店内へ。

子供サイズのベレー帽はレジカウンターの前に山積みになっていました。
ベーシックカラーはもちろん、赤や青のような原色にターコイズのような絶妙おしゃれカラーまで幅広い取り揃えです。
色選び大好きの息子は、まずはグレー、次は黒とあれこれ試着していきます。
こんな試着しておばちゃん怒ってないかな?とチラ見すると、意外にも優しい眼差しで見守ってくれています。
母にも父にも似て頭が大きめの3歳息子にピッタリのサイズ感です。
結局、鮮やかな緑が気に入ったようで、一番シンプルなデザインのものを17ユーロで購入。
最初は怖いかな?と思ったおばちゃんも、「ぐいぐい伸ばせば大きくなるから!」とか、「すぐ使うでしょ?タグ切っちゃうね」とか意外にもおしゃべりで、楽しくお買い物できました。

今回購入したのは『Boinas elosegui』というブランドのベレー帽です。
大人用は、店により若干値段に前後はありますがだいたい20ユーロから。
100年以上の歴史があるブランドで、100%メリノウール、発祥地の名産品でこの値段は安い!と大興奮したのですが、ファッションに疎い夫はピンと来ていない表情でした...
(私のファッション金銭感覚狂ってる!?と友達にLINEして確認しました。友達も名産品でこれは安い!と太鼓判で一安心...笑)
あんまりガイドブックにも載っていない名産品ですが、スペイン国内の帽子屋さんならどこでも手にはいるので、マドリードやバルセロナにしか行かないけどほしい!という方は「sombreria」で近くの帽子屋さんを検索してみてくださいね。

公園、メリーゴーランド、ビーチ、と子供の行きたいところを巡った後は(腹ごなしとも言う)13時前のデザートの時間!!(無理がある)
バスクチーズケーキ発祥の店であり今回の旅の本命であるLa viña(ラビーニャ)へ向かいます。
入口は狭いですが、手前はタパス席で奥はレストランとスペースが区切られていて、タパス席はカウンターもテーブルもすし詰め状態です。
子供を連れてイートインは難しいと判断し、1人前のチーズケーキだけテイクアウトします。

ちょうど近くに大きめの公園があったので、息子を遊ばせながら大人はベンチでバスクチーズケーキタイム!


外はしっかり焦げ目がついているのに中はトロトロクリーミィでこれは飲み物ですね...
底の方はしっかり目の固さになっているので食感もいろいろ、食べ飽きません。
子供にも食べて欲しかったのですが、1件目のBar sportsのチーズケーキを独り占めしたせいでお腹いっぱいだと...
美味しいものを目の前にしてペース配分するのはまだまだ難しいお年頃のようです。

少し休憩を挟み、夜は街の南側から攻めることに!
スペインのオムレツ、トルティージャが美味しいというバルへ向かいます。
当然こちらも大混雑!
地元民らしきお姉さんたちと相席させてもらい、地酒のチャコリと名物トルティージャを注文。
トルティージャは大皿でカウンター内にしまわれているので一瞬でやってきました。
ふつう、トルティージャはホールケーキを切った形状でサーブされることが多いですが、こちらのお店のものはまるでスクランブルエッグ。切ってしまうと形を保てないほどトロトロなのです。
飴色玉ねぎとじゃがいもがベースで、所々にピーマンの緑が見えます。
名物ということで、期待値高めでパクッと一口。
キャラメリゼされた玉ねぎの香ばしい香りとトロトロの食感のベストマッチ。
トルティージャも飲み物でした(本日2回目)
一つの具材が主張しすぎることはなく、でも個性は生かされています。
トルティージャを家で作ろうものなら炒めすぎてカラカラになった苦い玉ねぎと、厚みがあるゆえに火を通しすぎた卵が組み合わさり...冷蔵庫のお片付けのために仕方なく食べるもの、というイメージだったんです。
しかし美食の街のトルティージャは違いました。完成されていてそのままでもお酒とでも、いくらでも食べられてしまいます。

ここのお店はあたりだぞ!他の料理も食べたいな〜とカウンター奥の壁かけメニューを眺めていたら、ありました。「Vierra」(ホタテ)の文字!
思ったより安かったので早速注文します。

白いぽってりしたソースの上にしっかりと焼き色がついた貝柱が2つ、ちょこんとのっていてとっても上品。横に添えられたサラダと赤いソースが美しいコントラストを作り出し、高級店の前菜かと思うような一皿です。


帆立が二つなので、シェアすると一つしか食べられません。まずは白いクリームだけで一口。そしてお次は赤いソースをつけて。
こちらも見た目を裏切ることのない美味しさ!
白いクリームはじゃがいもでしょうか?まろやかで、しかし食感はさっぱり。帆立の味を引き立てています。
赤いソースは..なんだろう、ラズベリーではないし...カブでしょうか?
昼間から酔いが回っている舌では分析もままならず...
兎にも角にも、どのお皿も丁寧に味のバランスが整えられていた美味しいお店でした。

お昼の部に回れたのは全部で4店、夜は3店。
1日で7店もはしごできました〜!!
お昼の方が総じて空いていたので、子連れはお昼メインでテイクアウトも活用しながら回るのが良いかもしれません。

翌日7時の高速列車でバルセロナへ戻ったので、1日で楽しみきりました。
本当はまだまだ食べたかったですが、胃もたれしそうだし、今年はちゃんとダイエットする!という目標を掲げているので1泊でちょうどよかった!と
いうことにしておきます...。


今回登場したお店

Bar sports
https://maps.app.goo.gl/WqWxprTNN6ENeboD8

Sombrerería Leclercq
https://maps.app.goo.gl/UKHkEF1A3vt1H3sK8

La viña
https://maps.app.goo.gl/8HqJAEMe4xAtx5oeA

Bar Antonio
https://maps.app.goo.gl/w4Fr7VBkuCfaLiZK8


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