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やが君

 やがて君になる、ファンの間ではやが君と呼ばれています。私がこの作品に出会ったのは3年前。
観劇したきっかけは 当時田口さんをきっかけに知り合った遠藤さんと佐藤さん(今は俳優を辞めて映像のお仕事をしています)がこの舞台に出演をしていたからです。内容はあんまり意識してませんでした。佐藤さん最後の舞台だから見たかっただけでした。
 舞台は朗読劇で学園物で生徒会の話でした。学園物好きなので、そこは問題無かったです。学校の行事とその生徒たちの人間関係模様が丁寧に描かれていました。女性同士の恋愛です。この舞台は高校2年生の副会長佐伯沙耶香(さえきさやか)と高校2年生の生徒会長七海燈子(ななみとうこ)との恋愛。
燈子と高校1年生後輩小糸侑(こいとゆう)どの恋愛。
一般的な言い方をすると百合と呼ばれるものだと思います。それより前に人を好きになることはどういうことなのか?好きという言葉は束縛を意味するので傲慢ではないのか?好きという言葉の意味を考えさせらる作品でもあります。
この舞台は沙耶香の内に秘めた思い。過去のシーンも描かれています。
 3年前はあまり印象に残ら作品ではありませんでした。最近Amazonプライムでこの作品を一気見しました。何で今になって見たくなったのかは明確な理由は分かりません。ただ舞台を見た時の優しく穏やかな空気感が好きだったので、その優しい空気感をまた感じたいと思ったのかも知れません。
本編は燈子と侑の恋愛を中心に描かれています。
燈子は優秀な姉を事故で亡くしていて、その姉に近づきたくて優秀な七海橙子を演じています。本当の彼女は臆病で普通なのですが、そんな自分自身を彼女は嫌っています。そのことに気づいてるのが沙耶香と侑です。2人とも燈子のことをいつも心配して気遣っています。沙耶香は燈子のやりたいことを全て応援するスタイル。逆に侑は燈子が無理をして姉のように振る舞う燈子を無理することない。ありのままの燈子でいいと思っています。
燈子は自分から人を好きにならないと思っていたのですが、ありのままの自分を受け入れてくれる侑を自然に好きになっていきます。
しかし侑は誰にも恋愛感情(🟰特別な感情)がもてないことにcomplexを抱いてました。
そんな時燈子と出会って、侑は燈子にそのままの侑でいいと言われて、気持ちがとても楽になります。
何で燈子は侑にそんなことを言ったのかは自分が自分を嫌いだから。自分が嫌いだと言っているものを好きになる人は、自分は好きになれない。だから自分を好きにならないで欲しいと言います。逆に燈子は侑は誰にも恋愛感情をもたないから安心して彼女を好きになったのではないでしょうか?
別の見方をすると自分にとってcomplexのことが相手にとってはプラスになることも働くこともありますよね。
自分は好きだけど、侑は私を好きにならない言葉だけ聞くと彼女は自分勝手で最悪な人間に思います。
 ここは見た人の感情や性格でこの作品の評価は分かれると思います。
 私は燈子を取り巻く環境をどうしても考慮してしまうので、彼女よりの見方になってしまいます。彼女は妹で優秀な姉がいて、勿論彼女も姉のことが大好きでした。ところが交通事故である日突然姉がいなくなってしまいました。
物語には書かれてませんが、ご両親のショックはとてつとなく大きかったと思います。
私もリアルに弟を事故で亡くした友人がいます。当時。彼女は高校3年生で17歳でした。とても仲の良かった姉と弟でした。
彼女だって、ショックなはずなのに、弟のお通夜の時に彼女が中心になって来客の相手をしてました。友人だってショックのはずなのに‥。彼女はその場ではあまり泣いてませんでした。逆に彼女のお母さんが憔悴しきっていました。私は居た堪れない気持ちになった思い出があります。
 親戚にお姉ちゃんの分まで頑張って生きないと声をかけられます。私は何て残酷な言葉なのだろうかと思いました。親戚にも悪気はなく、励ましたつもりでしょうが、まだ姉が亡くなったことを受け入れられないのに、それにもう既に現在彼女は頑張っています。そのことに周り気づいてくれって感じです。
だから彼女の環境が姉みたいに頑張らなきゃいけないと思ってしまったのではないでしょうか?実際燈子はお姉ちゃんみたいに振る舞えばみんな、喜んでくれると言っています。
だから彼女に片想いをしている沙耶香には気の毒ですが、燈子が侑と出会ってことが嬉しかったです。自分が自分でられる場所は大切だと思います。
 そして書いていくうちに自分が学生時代に侑と似たような経験をしているから、懐かしい気持ちになって、この作品に惹かれたことに気がつきました。侑のセリフが頭に響いてます。先輩はそんなこと望んでないかも知れない。でも私は先輩が自分のことを好きになって欲しいと思って、侑は燈子の為に行動します。とても純粋に燈子のことが好きなことが伝わってきました。大人になるそういう純粋な気持ちが薄れていきます。侑から自分の中にある純粋な気持ちを思い出しました。同時にまだ完全に失ってないことが分かり、安心しました。
私も自分のことが嫌いな彼に好きになって欲しくて色々行動しました。侑が言うように彼はそんなこと望んでなかったかも知れません。
今となっては真相は分かりませんが、私の中ではキラキラした時間が流れてました。
少しでも彼にとってプラスな時間になっていたらいいと思ってます。
 この作品を語るにあたって、LGBT(性的少数者セクシャルマイナリティ)事を語らないといけないと思います。
これは私個人の意見なので、こんな考えの人いるんだと思っていただけたら嬉しいです。
レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーに分けられていますが、性的少数者には、そのどれにも分けられない男女どちらにも恋愛感情がない人、自分の性が分からない人もいます。
正に物語に登場する燈子や侑、沙耶香、槙君が当てはまると思います。
 私の中では既に中学生の時から色々な愛の形があってもいいと思ってますし、別に同性で結婚するのも普通の認識があります。恋愛に無理に興味をもたない方がいても全然いいと思います。それぞれが楽しく自分らしく生きていければいいのではないでしょうか。
そもそもそんなに男女の仲っていいでしょうか?勿論仲が良い人達もいます。しかし何秒に1組は離婚してる事実もあります。浮気が問題になったり、男女のトラブルで事件にもなったりしてますよね。
私は仲良く暮らしていければ異性であろうが、同性であろうがどっちでもいいと思います。あんまり形にはこだわりません。
 大事なのは自分が自分らしく生きれる場所をもつことではないでしょうか?
 すいません。途中でやが君のことから脱線してしまいました。
 やが君の話に戻します。当然このお話は恋愛を含んでいるので、嫉妬したり、相手を思いやって自分の気持ちをを押し殺したり、また逆に自分の気持ちを制御できなくなって自分の思いを優先にしてしまうところもあります。
 しかし他の漫画やドラマと比べるとこの作品はやはり穏やかで優しいに空気感に包まれていると思います。私にとってやが君とは春の木漏れ日のような作品です。









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