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【Movie】カノジョは嘘を愛しすぎてる

この映画を見てから、私は「ちっぽけな愛のうた」をダウンロードしてずっとずっと聞き続けています。毎日、飽きるまで。
「ちっぽけな愛のうた」に関しては、また後ほど。


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カノジョは嘘を愛し過ぎてるのあらすじは、音楽業界を舞台に孤高のサウンドクリエイター・小笠原秋(as佐藤健)と、才能を見出され劇的なデビューを飾る女子高生・小枝理子(as大原櫻子)の恋模様を描くラブストーリー。


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秋くんは、付き合っていた彼女に裏切られていたことを知ってしまったり、音楽を純粋に楽しめなくなっている自分にだんだん嫌気がさしてきて。

「誰でもよかった、空っぽだった、なぜかいつもイライラしている僕だった・・・」という秋くん。だから、目の前に現れた理子ちゃんにたまたま声をかけたっていうんだけど。理子ちゃんの方が、秋くんに惚れてしまいます。


この理子ちゃんが、とんでもなくいい子で、純粋で、目の前の人の奥のものを「声」だけで見抜いてしまう人で、そしてそれをまっすぐ伝えることができる子。


だから、秋くんに会った時に「泣いているように思えた」と。「私が守ってあげます」という、そのまっすぐすぎる「想い」にものすごく心を打たれるのです。本当に。
その想いに、見返りも邪な感情も一切なくて。


あなたが悲しそうに叫ぶから、それを私が埋めてあげたいってそう思った、みたいな。そんなシンプルな想いがあるから。汚れてしまった大人には、真っ白に見える存在。


この理子ちゃんに選ばれた大原櫻子ちゃんは、5000人のオーディションから選ばれた方なんだけど、大原櫻子ちゃんじゃなくちゃ絶対にできなかったって思わされるくらいの歌唱力なのです。


大原櫻子ちゃんを選んだ理由が書いてあるこの記事が、好き。


そしてそして。
その理子ちゃんの歌唱力がわかるのがこの瞬間。

「歌う女は好きじゃないんだ・・・。君は歌わないよね」って前にいっていた秋くん。だけど、自分が何者かがバレてしまったので、一緒に歌うことに。その時の「いいの?歌っても?」という表情や、サビの部分の声のボリュームなどなど、めちゃくちゃ鳥肌が立ちました。(個人的にサビの部分で、秋くんが理子ちゃんの声に改めて惚れる&焦る表情が好きすぎる)



で、デビュー曲がこれ。
なにげに、吉沢亮くんもいるから驚く(笑)
映画では、理子ちゃんが「明日も」を歌う前に秋くんが一言いうんです。それも鳥肌が立つ。



で。なんで私がこの映画が好きなのかというと。
理由は2つ。


1.理子ちゃんの透明度の高い存在感

この映画にでる周りの大人は、利益だったり、見栄だったり、プライドだったり。それを守るために、「どうしたらいいか」を考える人ばかり。虚像や偽物が集まる世界。

他にも「あなたを守りたいから」という想いから、真実を伝えずに「これしかない」という方法をとる。結果、傷つける方法だったとしても、それしか答えはない、と思ってしまう大人の選択。


でも、カノジョだけは。
いつも自分の感情と気持ちに正直だった。


大好きなものはこれなんだ。
大好きな人はあなたなんだ。
私はこうしたい、って。


理由なんてなくて。
突き動かされる衝動だけを信じて。
行動する、唄にする、歌う。
ただ、それだけ。
それだけをする。


その透明度の高い声に。存在に。

周りの大人は動かされる。


それがとても愛しくて、切なくて。
きれいで。
胸がぎゅーっとなるのです。


2.「ちっぽけな愛のうた」に全てが詰まっている

「ちっぽけな愛のうた」は、最後、理子ちゃんが秋くんと一緒に歌う曲です。


この最後の曲に、全部が詰まっているんです。


この曲の歌詞さえ聞けば、映画なんか見なくとも秋くんの気持ちを知ることができる。それくらい、今までの秋くんの想いや感情がここにぎゅっと凝縮されている。
しかも、この曲について、佐藤健さんもこう言ってます。

「具体的に『秋はおそらく、こういうことを言いたいんじゃないか?』と伝えましたし、こういうフレーズがあるといいんじゃないか? と思ったことをメモにして監督と亀田さんに渡して、実際に取り入れていただきました。具体的にどの部分かは…秘密です(笑)。

この曲の歌詞が、僕はこの映画の全てを表していると思っていて、ここに唯一、秋の心の内、本音が隠されているのかもしれないなと。実際にそうなのかは観てくださる方に委ねたいんですが、エンドロールが実は一番大事かもしれないという作品になってます」

↑ここから抜粋しています。


もう、ほんとそれ!!!!!!


わたし、この曲を聴くたびに、何度も何度も何度も秋くんas佐藤健氏の姿が浮かぶんです。ベースを弾きながら「・・・嘘ばっかりのボクで、ごめんね」って、八重歯を見せて悲しそうに笑いながら理子ちゃんの姿を想う秋くんの姿。


特に歌詞の
「キミにはたくさんごめんねって言わなくちゃね」

「伝えたいこと、何一つ伝えられない僕だから」
を聴くたびに、浮かんでくる秋くんは悲しそうに笑うんです。こんな僕でごめんねって。でも、キミはボクのことを正直って言うから、かなわないんだ、ホント。って、理子ちゃんのことを思い出しながら愛おしく笑う姿も合わせて。


そして、
きみだったら、新しい道を歩めるし、きみを好きだという人々にもその道を見せることができる光になることができるから。
大丈夫、その道を信じていいよ。
って、祈りだったり託す気持ちが込められていて。


ただの愛の歌ではないところが、好きで。


そして、それを歌うのが、秋くんじゃなくて理子ちゃんだっていうところが非常にエモい。


「こんな歌詞を作るのに、こんなわかりやすい歌詞なのに。歌詞に本音を入れないって言ったキミは。。。また嘘じゃないか。なんでキミはそんな嘘をつき続けるの。全部筒抜けなのに」って、きっと理子ちゃんは思いながら歌うのです。
この歌詞を作った彼の前で。

泣ける。


それくらい、最後に全てを持って来た映画。
昔、私の心をぎゅっと掴んで離さない映画で、いまでもなぜか殿堂入りしている(理由がわからないんだけど、いつでも残っているもの)「恋愛写真」の次にランクインするような映画でした。
とことん王道すぎて、少女漫画すぎて、いろいろ端折っているにも関わらず。大好きな作品だなぁって思える映画でした。

ほんと本質を付いていて好きすぎるんだ。



個人的には、ギター・ベースを弾く&チョコレートをかじる&黒縁メガネをかける佐藤健が見られるっていうのも、たまらなく良かったですよ◎
長い前髪も非常によかった。。。。。

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公開日:2013年12月14日/117分/東宝

監督:小泉徳宏
「ちはやふる」「タイヨウのうた」などなど

原作:青木琴美
「僕は妹に恋をする」「僕の初恋をキミに捧ぐ」など

出演者:
佐藤健
大原櫻子
三浦翔平
窪田正孝
吉沢亮
相武紗季

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