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「私の好きなひと」 01.堂本 剛

すごく唐突だけれども、私の好きなひとについて書いてみたいと思った。自分がどんな人の、どんなところに惹かれるのか。それを探りたいと思ったのだ。

とりあえず、10人くらいについて書いてみて、集まったらマガジンにしてみたいなぁ。それは、誰かに向けてというよりも、自分に向けて。人に限らず、色んな「好き」をことばにしてゆきたい。その中に、私が幸せに生きるヒントがある気がしているのです。

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記念すべきひとり目は、Kinki Kidsの堂本剛くん。もう40過ぎの年上男性に対して「くん」っていうのもどうかと思うけど、ジャニオタならきっとこの気持ちをわかってくれるだろう。私の中では、たとえ還暦過ぎても「剛くん」なのだ。

CDデビューは1997年だけど、それより前からKinKiで冠番組持ってたり、ドラマの主演をやってたりするので、おそらく私がファンになったのは95−96年頃だと思う。当時小学3年生くらいの私は、まるで芸人さんのように軽快なトークを繰り広げるイケメンのお兄ちゃん達に、それはそれは夢中になった。

幸い母もジャニーズ大好きだったので、ファンクラブに入らせてもらい、コンサートにも欠かさず行ったし、CDも発売日に買ってもらった。出ているTV番組は全部録画して、ビデオテープ(懐かしい・・)が擦り切れるほど見返した。今こんなに熱狂出来るものって何かあるだろうか。純粋に、好きなものを追いかけてわくわく過ごしていた、あの頃の自分がちょっと羨ましくなる。

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二人組ユニットのファンが必ずや直面する問題が、「どっち派」問題である。クラスの子たちと、やれ「光一くんの◯◯なところがかっこいい」だの「剛くんの△△には敵わない」だの、白熱した議論を交わしていた気がする。

私はどっちも好きだったけど、強いていうなら「剛くん派」だった。そのスタンスは、今もさほど変わっていない。「KinKi Kids」という枠組みで捉えれば、どちらが好きかに優劣の差はほとんどないのだ。どちらも必要不可欠で、ふたりが一緒に居ることでKinKi Kidsが成立していると思うから。

けれど、「堂本 光一」「堂本 剛」という個人に目を向けたとき、私は圧倒的に剛くんに惹かれてしまう。どうして。

幼いころは、彼の表現力に惹かれているのだと思っていた。彼の歌声、生み出す曲や詩、演技力。その巧みさに心を動かされているのだと。それは決して間違ってはいない。でも、それだけじゃない。それだけでは、語り尽くせない何かがある。

「弱さ」

そこに、彼に惹かれてしまう、ヒントが隠れている気がする。

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私が人生に絶望してしまうとき、決まって助けてくれる歌がある。『C Alubum(1997)』に収録されている『さまざまな愛』という歌だ。一から十まで素晴らしい曲なのだけど、その中でも特に私の心を支えてくれる一節を紹介したい。

強くなる必要なんかないさ
今の自分を愛して歩けよ
強くなった数だけ見失うだろう
あいつの痛みも 君の強がりも
曇るだろう?
堂本剛『さまざまな愛』

自分の弱さに絶望し、「強くならなきゃ」と自分を責めるとき、いつもこの曲が救ってくれた。「弱さを弱さのまま愛すること。それが、誰かに寄り添えることもあるよ。」そんな風に、私を肯定してくれた。

「強さ」に憧れる一方で、「強さ」を恐れる自分も居て。それは、「強く」なることで、「弱い」ものを否定するようになってしまうんじゃないかと思うから。そんなのは、哀しい。だから、弱いままでも良いと断言してくれるこの歌を思い出すと、ふっと身体の力が緩み、安心できる。

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ご存じの方も多いとは思うのだけど、彼はパニック障害の過去を抱えているし、今も突発性難聴という症状と闘っている。金田一少年をコミカルに演じ、歌番組のステージでキラキラと笑顔を振りまいていた頃のことを、彼は「記憶がほとんどない」と語っているのだ。

それを知った時、私はあまりにショックで言葉を失った。幼い私が夢中で追いかけていた、眩しいほどの輝きを放っていた姿の裏に、そんな苦悩が潜んでいたなんて。

と同時に、何かが腑に落ちた。

悩んで苦しんで、ひたすらに自分と向き合って。生きる希望を失って、それでも生きたいと願って。そんな体験を経た、深い深いところから出てきたことばだからこそ、こんなにも優しくて、温かいのだろう。

目にはみえないけれど、そうした想いが載せられていることに、きっと心は気づいてしまうのだろう。だから、彼の歌に私はこんなにも心を動かされ、こんなにも惹かれてしまうんじゃないかな、って思う。

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結構なボリュームになってしまいました・・!ここまでお付き合い頂いた皆さま、ありがとうございます。『さまざまな愛』ほんとに素敵な歌なので、ぜひ全篇聴いて下さると嬉しいです。

次回以降、書きたいひとは何名か挙がっているのだけど、既になんか似たような話ばっかりしてしまいそうな予感がしている・・・まぁいいか。笑


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