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チラ裏のアリス

はじめまして、しがないnote書きの紡と申します。
突然ですが、先日、「スキ」をいただいた合計が500になりました。
ありがとうございます!!!とても嬉しいです。

そしてここだけの話、嬉しい、の中に、ホッとした、という安堵の思いが入り混じっていることを告白します。
絶対に誰かに認められたい、とか、評価されなければ、という想いで書いているわけではありませんが、誰かが認めてくれることは、私にとって救いなんだと気が付きました。
今回はその「救い」について書き記そうと思います。

思い起こせば、私は言葉を覚えてからずっと、「書く」ことが好きな人間でした。
幼少期の夢は童話作家で、幼い発想で物語を書いていました。
絵本作家や漫画家になりたかったこともありましたが、結局いつもト書きでコマが埋まってしまい、向いていない、と早々に諦めました。
小学生時代は、夏休みの課題の作文コンクールを片っ端から応募していました。ほとんど賞にもなんにも引っ掛からなかったけれど、落ち込んだ記憶はないのでおそらく書くことが何よりも楽しかったんだと思います。さらに自作小説を恥ずかしげもなく披露していた黒歴史を経て、小説家になることも現実的では無いと見切りをつけた思春期は一旦物書きから離れますが、それでも国語の小論文や、歴史の記述問題が楽しくて、書きすぎるくらい書く、そんな中高生時代を送るのでした。

そして、大学に入り、とある読書冊子に関わらせていただくことになりました。わずか2年ほどの間に、いくつかの作家さんへのインタビューを担当させていただき、それ以外でも様々な記事を寄稿させていただけたことは、まさに幸せの極みでした。
そんな幸せな思い出の中で、強く印象に残っている出来事があります。
企画会議では前号の読者アンケートが取り上げられるのが恒例でした。あるときーもう昔の話で詳細は覚えていないのですが、冊子自体にも全体的に辛口な感想だったという印象を覚えていますー自分の書いた記事について「チラ裏」というご感想を頂戴しました。
「チラ裏」ーもう今はあまり使われないのでしょうか。ネットスラングで「チラシの裏側」「チラシの裏にでも書いておけ」という、他人に見せる必要のないようなくだらない文言のことを指します。
お恥ずかしながら、当時も今も、私は突出した書き手ではありません。それを承知の上で、「上手く書こう」よりも「書きたいことに嘘をつかずに書こう」を目標にしていました。アンケートを聞いたときは、顔から火が出るほど恥ずかしかったし、私の記事は下手で面白くないんだな、と落ち込みました。しかしちゃんと受け止めようと思ったものです。
もっと良い記事が書けるように頑張らねば、と自分を奮い立たせたのです。
しかし、そんなふうにすっぱり割り切れるほど私は大人じゃなかったようで、自分の書くものなんて、誰かに読んでいただくような価値は無く、あくまで自分の好き勝手に書く「チラ裏」のようなものだ、という感覚は長らく抜けずにおりました。
つまらない、下手くそ、面白くない、と言われることは怖くありません。もっと楽しく、上手に、面白く、書けるようになればいいのです。でも、「チラ裏」ー読む価値が無い、と思われてしまうのでは、という疑念が浮かぶと、急に息苦しさを感じるのです。

じゃあ、公開しなければいいじゃないかーその通りです。
しかしそれでも、書いたものを誰かに読んでもらいたい、という欲求を消すことができないのは、文字書きの性質なのでしょうか。
今なお、私は自分に自信がない人間でありながら、自分の表現したものを知ってもらいたいという自己矛盾の中で生きています。逆に自分に自信がないからこそ、承認欲求が生まれるのかもしれません。自分でも理解しかねる思考回路です。
それと同時に、私は沢山の文章に生かされてきました。落ち込んだ時、悩んだとき、楽しみたい時、空想に浸りたいときーフィクション、ノンフィクションに関わらず、様々な場面で力をもらってきました。そんなふうに、自分の文章が誰かの力になることに憧れを捨てきれないのかもしれません。我ながら烏滸がましいというものですが、そんな夢の中に生きて、私は自分の思いを文字に起こしているのかもしれないと思うのです。いつかは醒める夢ならば、夢が醒めるまでチラ裏の中でも良いから、私は言葉を紡いでいたい、と開き直る今日この頃。

まさにこの記事も「チラ裏」なのかもしれません。
でも、兎を追いかけて深く深く穴に落ちていった少女のように、迷いながら、不思議なものに出逢いながら、私は私を表現していきたいと改めて思うのです。

何が言いたいかって、そんなふうに思えるようになったのは、noteとnoteを読んでくださる皆様方のおかげってことです。
誰かの力になりたいと夢見ながら、先に私自身が救われているのです。
そしてこれからも懲りずに私は文章を書き続けるのでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

チラ裏より大きな感謝を込めて。 紡



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最後まで読んでくださってありがとうございます。