死刑島

舞台「死刑島」を観劇して


「あれがすごい」「これが良かった」「また見たい」「感動した」「胸に突き刺さった」

などの感想はもちろんあるのですが、こちらでは舞台「死刑島」を観劇して私が思ったことを書かせていただきます。

昔…といっても小学校低学年のころですが、割と観劇していました。それを思い出したのは最近なので、当時はあまり興味がなかったのかもしれません。なにせ小学生の頃は、友達と遊んだり塾に通ったりと忙しかったので。まあ、要するに親の趣味ですね、中でも劇団「四季」の舞台はよく観ていたと思います。子供ながら「すごい人たちがすごいことをしている」認識はありました。

ですが、やはり子供ですしなにより「自分とかけ離れた世界」のことですから、そこまで深く興味を示すということはありませんでした。

実は「死刑島」に関しては、前情報はあえて入れませんでした。原作脚本を剣名舞さん、演出を小郷拓真さん。これは楽しみしかありません。

そして舞台の幕が下りて…

背後から金槌で頭部を滅多打ちにされたような衝撃を受けました。ラストは血の気が引きました。

物語は死刑囚数名がとある島の施設に閉じ込められたところから始まります。作品名が「死刑島」なので、バトルロワイヤルのような進行になるのかと思いきや…良い意味で期待を裏切られました。あ、バトロワ関係ありませんでした。

セールスという訳ではありませんが、チケット代の五千円、安い…と感じるほどに素晴らしい舞台でした。五千円、安い金額ではないですよね。でも、安く感じるんですよ。再演したら絶対観に行きます。

死刑囚たちが犯罪に手を染めた経緯、登場人物の人間性、社会の闇、法律とは一体なにか?死刑制度とは?

一番私が好きなのは、「人間の心の闇の描写」が生々しいところ。良くも悪くも人間には心があって、血も涙もあります。けれど、法律には心も血も涙もありません。それを扱う人間の恐怖、苦悩…その表現の仕方が、えげつない。いじめや金銭的な格差、理不尽な壁…うーん、そういう意味だと、この作品は「社会の縮図」のようにも感じます。


で、観客目線終了。

ここから違う目線で書きます。

「え、これ舞台なん?」と思いました。映画化してほしい、映像に残してほしいと強く思う反面、目の前で演じる舞台だからこそ心に響くものでもあるのかなと。

というか、初舞台の人もいるんだ…という感動。プロの人ってやっぱりすごい。演技力とか暗記力とか表現力とか。あと呼吸の仕方。観劇出来てよかった、勉強になった!!!!!悪役の役者さんの演技に苛々しました(笑)

私は八月のSOD女子社員演劇倶楽部が初舞台でした。死刑島とは毛色が違いますが、とても楽しく役を演じることが出来たのは良い思い出です。これからイベントや朗読劇も予定していますが、舞台、映画、ドラマ、映像、それぞれ「何に」重きを置くのかで役者としての力が試されるんだなぁ、と強く感じました。舞台だったら「声のボリューム」と「距離感」、朗読だったら「声の表現力」と「呼吸」・・あ、私がそう思う、というだけですよ!


舞台「死刑島」は、私にとって忘れられない作品になりました。背筋がぞわぞわしました。バラまかれた伏線の回収が完璧。

表現するって難しい、でも楽しい!!という気持ちで、日々色んなことを勉強しております!!


エロ抜きでしたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!!




新垣ことり



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