雑文「創造暴走特急」

 原神、まだ第2章の影さえ見えていないのに、大型アップデート来る。しかも、ソウルハッカーズ2のリンゴたんと同等か、それ以上のクオリティで、大量の新キャラを追加しながら! 「ゲームは1日1時間」のリーサラプレイでは、「宇宙の膨張速度に追いつけない光」みたいになってきた。それにしても、これまでのゲーム制作で得た資金をすべてブチこんだ大バクチが図に当たり、アップデートのたびに11言語の話者たちから膨大な資金が流れこみ、それをまた世界の拡張にブチこみ続けるという、言わば「創造暴走特急」の運転席に座っているのは、いったいどういう気分なのだろうか。急ブレーキをかければ客車は脱輪して大事故になるし、眼前の線路は最後まで敷設が終わっておらず、終着駅がどこになるかも決まっていない。ファンガスのFGOもそうだが、映画「スピード」のような状況で、内発性を無視した創造を市場に強要され続けるというのは、人類史においても前代未聞の状況ではないだろうか。

「(激しく扉を開いて駆けこみながら)運転士!」
 「(血走った目で前方から視線をそらさず)なんだ!」 
「ここから100キロ先で、線路の敷設が間に合っていません!」 
「それで!」 
「この速度で走行を続ければ、1時間もしないうちに大事故です!」 
「だから!」
「速度を落としてください! 時速60キロなら敷設が間にあいます!」
 「そんなことをすれば、慣性で客車が先頭車両に激突して、脱線事故になる!」 
「しかし!」 
「80キロだ! レールの品質チェック工程をとばして間にあわせろ!」
「そんなことをすれば、客車に相当の振動が生まれます! 乗客からクレームがきますよ!」 
「脱線よりはマシだ! どうせもう、どんな乗車体験になろうと、だれもこの列車からは降りられない!」 
「しかし!」 
「(さえぎるように)返事は!」
「(苦渋の表情で)サー、イエス・サー! レールの品質チェック工程を省略し、時速80キロで間に合うよう敷設作業を進めます!」
「頼んだぞ! (慌ただしく出ていく背中を見送りながら)そう、オレはもう、この運転席から離れられない……立ったまま食い、眠り、クソも小便も垂れ流しだ……(憔悴した表情で)いったいぜんたい、どうしてこうなっちまったんだ……?」

 ……という経緯で、FGO第2部6.5章というリアル・クラップがリリースされてしまったのではないでしょうか(てきとう)。

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