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「選ばれない不満」で頭がいっぱいになったら、「選ぶ側の視点」で自分を見てみるといいと思う

「選ばれたいのに、選ばれない」という不満は、多くの人がいろんな場面で抱くのではないでしょうか。
ましてクリエイターとして活動しているともなれば、”あるある”のはず。
「こんなに頑張ってるのに!」
「実績のある人ばっかり優先されてるんじゃない? 不公平!」
「そもそもどういう基準で選んでるの? テキトーじゃ困るんだけど? こっちは真剣なんだから!」
みたいな気持ちになることも多いですよね。

私も非常に狭量なので、自分がやったことのないタイプの仕事で同業の人が評価されているのを見かけると、秒速で「なぜ私じゃないの??」と考えてしまいます。

さて、ここまで「選ばれる側」の気持ちについて書いてきましたが、私のような者でも、たまには「選ぶ側」になるときがあります。
過去の経験でいうと、自分が脚本を書いた舞台作品の出演者オーディションの審査をしたり、ゲームや書籍の仕事で「イラストレーターさんの候補が何人かいるんですけど、誰がいいですか?」と訊ねられたり……といった場合ですね。

人間というのは勝手な生き物です。
「選ばれる側」のときの私は、「選ぶ側が過去実績しか見ないってことは、新規参入者をすべて排除してるってことじゃないか!」と文句を言いますが、「選ぶ側」になると、とたんに候補者のみなさんの実績が気になり始めます。
さらに言うと、『やる気は誰にも負けません!』とか、『全力でがんばります!』といったアピールには、まったく心が動きません。
「がんばるのは、まあ、当然のことだからね……」
と、思いっきり塩対応です。

我ながら酷いよなぁと思う反面、人が生きていく上で、こういういい加減ささはある程度必要だとも思います。
「人に対して厳しい目を向けるなら、自分に対しても同等に厳しくあらねば!!」
というのが正しいとは思いますが、「四六時中そんな風に生きてるのも、しんどいじゃん」というのが私の本音です。

というわけで、自分が抱えているこのダブルスタンダードを直そうとは思わないんですが、自分のために活用することはできると思うんですよね。
どう活かすかというと、「選ばれない不満」がわき上がってきたら、「選ぶ側の視点」で自分を見つめるといいと思うんです。
仮に自分が選ぶ側にいるんだとして、「今の自分のような人を選ぶかな?」と考えてみるということですね。
ひいき目なしで、クールに判断するのがポイントです。

そうすると、
「無理。だって、今のところウリが『やる気』しかないじゃん」
「他の候補者との明確な違いが分からない。どうしてもこの人を選ばなきゃ!という理由が見当たらない」
等々、「選びたくない理由」が具体的に見えてくるはずなんですよ。
さらに「自分でさえ選びそうもない人材を、人が選んでくれないことに文句を言ってたのか……」という反省の念がわいてきて、怒りや不満がおさまってきます。
そして、「次の機会には選ばれるためには何が必要か」が自然に浮かび上がってくるんですよね。

例えば脚本家志望の人が「自分の弱みは実績がないことだ」と思うなら、シナリオスクールで出会った人たちと、舞台作品や映画を自主制作する道を探るというのも一つの方法です。
何も「テレビドラマや商業映画でドドーンとデビュー!」ということだけが「実績」ではありません。
「選ぶ側」から見れば、たとえ1本でも「舞台脚本を書いて上演しました!」という実績がある人は、「スクールで一生懸命勉強しています!」というだけの人に比べて、安心感があるはず。
とにかく脚本を書き上げて、それをスタッフ、キャストと共に上演し、観客に見てもらったという事実は、その経験がない人が言う「やる気なら誰にも負けません!」「打たれ強いので、いくらしごいてもらっても大丈夫です!」という威勢のいい言葉の何倍も、何十倍も説得力があると私は思います。

この件に限らず、「行き詰ったときに視点を変えてみる」というのは、現状打破の糸口になることが多いんじゃないでしょうか。
思うようにならないもどかしさを感じると、つい自分の苦しさにばかりフォーカスして、余計に息苦しくなるけれど、
「そういう自分を外側から見る」
という感覚を持っていると、フッと呼吸が楽になるということ、よくあると思います。

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