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ポジティブ教には染まらない男

元日からnoteを始めたので、今日で十日目です。
意外と真面目に「作劇とは……」みたいなことを書いている日が多いんですが、もともとは、もっと呑気な感じで書いていこうと思っていたので、今日はそちらの方向で……。

ポジティブシンキングという言葉を日本に最初に広めたのはミス・ミナコサイトウという人だったと思います。多分、二十年以上前のこと……。
トータルライフアドバイザー的な、カッコいい感じのカタカナ職業の人だったと思うんですが、とにかくこの人がマガジンハウスらへんの雑誌に彗星のごとく現れ、ポジティブであることの重要性を説きはじめた。
あっ、そういえば誰かのエッセイに、「青山でミス・ミナコサイトウを見かけた。ゴージャスで、顔がB4ぐらいあった」って書いてあって、かなり笑ったのを今、唐突に思い出しました。B4はすごい。

ミス・ミナコサイトウの布教以来、いまだに「ポジティブは善」という考えは多くの人たちに支持されていますよね。
ですが、これに真っ向から刃向う男がわが家に一人。
「ネガティブシンキング王」の異名を持つわが夫です。
常に、この先起こり得る最悪の事態を想定しながら生きている彼のネガティブシンキングは、小学生の頃には既に完成していたと言います。

小学校の頃、道徳の時間に見せられた教育テレビの番組のテーマソングで、
「口笛吹いて~ 空地へ行った~♪」
っていうのがあったじゃないですか?
……と言っても、どのぐらいの年代の人まで通じるのか分からないので、歌詞の内容をまとめますと、
「ある日空地に行ったら、知らない子が『遊ばないか?』と笑いかけてきた。一人ぼっちはつまらないから、誰とでも仲良くした方がいいよね!」
みたいな感じなんです。
最後は「知らない子はもういない~ みんな仲間だ、仲良しなんだ~♪」と、しめくくられます。
曲の最初で「知らない子」だった子とも友達になったので、「この空地には、もう、ボクの知らない子はいない」となって、めでたしめでたしというわけですね。

ところが、わが家のネガティブ王は、この歌詞の意味をずーっと取り違えていたというのです。
最後の「知らない子はもういない~」は、文字通り「知らない子はもういなくなった(=『遊ばないか?』と笑いかけては来たが、知らない子なのでボクらはその子と遊ばず、彼は立ち去った)」ということだと思ってたと言うんですよ。
それで、知らない子が去ったことによって、「(この空地にいる子は)みんな仲間だ、仲良しなんだ~♪」ってことになったんだと信じてたんですって。
「だから、なんてイヤな歌なんだろうと思ってたんだよな」と、ネガティブ王。
いろいろツッコミ出すと切りがない感じなんで省略しますけども、作詞をした人も、ここまで後ろ向きに曲解する子供がいるとは想像もしなかったでしょうね……。

#日記 #ポジティブ #ネガティブ #エッセイ ******************************************
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