見出し画像

ご質問にお答えします!『脚本家一本でやっていくのにどれだけかかりましたか?』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

画像1

ご質問、ありがとうございます!
脚本家として生計を立てられるようになるまでに、私は以下の段階を経ています。

1)契約社員としてフルタイムで働きながら脚本の教室に通い、自主制作の舞台の台本などを書く。
2)会社勤めをやめて、脚本家専業に。だが、実際はプロットライターとしての仕事が中心。
3)映画、ドラマ、舞台の脚本、書籍の執筆による収入で生活するようになる。

こちらの投稿に各段階の詳細が書いてありますので、よろしければ合わせてお読みください。

今回のご質問は上記1)、2)にかかった時間はどのぐらいか?ということになりますね。
私の場合は、1)が6年ほど、2)が2年ほどだったと記憶しています。
あわせて8年程度というところですね。

これが平均的な数字なのかどうかはわかりません。
(平均が知りたくて質問してくださったのでしたら、すみません……。)
ただ、もっと短期間で一本立ちしている人もいるはずですし、逆に、もっと時間がかかったという人もいるかもしれません。
脚本家には「王道のなり方」というのが存在せず、たどってきた道のりは人それぞれなので、それに要する時間もさまざまなのではないかと思います。

そんなわけで、私の個人的な経験をもとにお返事するしかないのですが、自分の過去を振り返ると「1)契約社員としてフルタイムで働きながら脚本の教室に通い、自主制作の舞台の台本などを書く」の段階が長すぎたと感じます。
実は、この段階の始めの方の2年ほど、私は「典型的ダメ脚本家志望者」だったのです。
「典型的ダメ脚本家志望者」とは、放送中のドラマや公開中の映画についてドヤ顔で解説をしたりするばかりで、ろくに作品を書かない人のことです。
もし質問者さんがシナリオスクールに通われているのでしたら、一人や二人は見かけたことがあるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、脚本家には「王道のなり方」や「修業期間の目安」のようなものがありません。
ですが、確実に言えることが一つだけあると私は考えていて、それは、
「書いていない期間は、まったく前に進まない」
ということです。
当たり前のようですが、脚本家志望の人が案外、見落としがちなことだと思います。
ダメ脚本家志望者だった頃の私は、「書かない理由」として、
「教室に通うことで知識が増え、自分に課すハードルが高くなって、簡単には書き出せないのだ」
と、それっぽいことを言っていましたが、これが単なる言い訳じゃなく真実なのだとしても、乗り越える手段は「書くこと」しかありません。

脚本家志望の人は誰でも、一本立ちまでの時間を少しでも短縮したいですよね。
一本立ちまでの過程には、プロデューサーとの出会いのタイミング等、自分の力でコントロールし切れない要素もあります。
でも「書き続ける努力」は自分でコントロールできる要素です。
今、脚本家を目指しているみなさんには、
「私のように無駄な時間を過ごさないでね」
とお伝えしたいです。


これからもお互いがんばりましょう!

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。


脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。


これまでに脚本家志望のみなさんからいただいたご質問への回答は、こちらのマガジンにまとめてあります。

スキ♡ボタンは、noteに会員登録してない方も押せますよ!

#脚本 #シナリオ #エンタメ #質問 #マシュマロ
***********************************
Twitterアカウント @chiezo2222

noteで全文無料公開中の小説『すずシネマパラダイス』は映画化を目指しています。 https://note.mu/kotoritori/n/nff436c3aef64 サポートいただきましたら、映画化に向けての活動費用に遣わせていただきます!