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ご質問にお答えします!『作品を書き上げるまでモチベーションを保つコツは?』

お二人の脚本家志望の方から、以下のご質問をいただきました。

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お二人とも、ご質問ありがとうございます!
内容をまとめると、どちらのご質問も「作品を書き上げるまでモチベーションを保つコツを知りたい」ということになるかと思います。

何ごとであれ、「困難を前にしたときにモチベーションを保つコツ」は大きく分けて二種類だと私は考えています。
一つは、「困難を乗り越えた先に待っている、良い出来事にフォーカスする」という方法。
二つ目は、「困難を乗り越えられなかった場合に起きる、つらい出来事にフォーカスする」方法です。
それぞれ具体的に考えてみましょう。


【作品を書き上げた先に待つ、良い出来事】

まず一つ目の「作品を書き上げた先に待っている、良い出来事」とは何でしょうか?
脚本家志望者だった頃からプロの脚本家として活動している現在まで、私は、数多くの「脚本家になりたい」という人たちに会ってきました。
そのなかには、映画愛、ドラマ愛を熱く語り、「石にかじりついてでも脚本家になりたい」という意味のことを言いながら、作品を書かない人が大勢いました。
「アイデアはあるんですけど……」
「構想は大体できてるんだけど、途中で行き詰っちゃって……」
といったセリフを、これまでに何度聞いたか分かりません。
「書き始めはしたけれど、エンドマークまでたどり着けない」というのは、非常に多くの人が陥る状況ということです。

ということは、たとえ自分が納得のできない作品であっても、書き上げさえすれば、多くの潜在的ライバルに差をつけ、抜きん出たことになります
これが「困難を乗り越えた先の良い出来事」です。

因みに、物書きになると驚くほど多くの人から、
「実は、いつか小説を書いてみたいと思っているんですよね……」
と、小声で打ち明けられます

スクールに通う等して、具体的に脚本家や小説家を目指している”わけではない”人たちからです。
主に、職業上めずらしい経験をされていたり、過去に「稀有な体験をした」と思われている方が「いいネタはあるんです」と、ささやいて来られます。
ですが、その後、「小説を書き上げました」という連絡をいただくことはほぼ100%ありません。

「書けそうな気がすること」と、「実際に書き上げること」とのギャップはそれだけ大きいのです。
繰り返しになりますが、質問者さんたちが作品を完成させることができれば、その作品がいきなりコンクールに入賞したり、映像化が決定したりしなくても、多くの潜在的ライバルに大きな差をつけることになります。
それを心に留めて、書き続けてみてはいかがでしょうか。

【作品を書き上げられないままでいる場合に起きる、つらい出来事】

次に「作品を書き上げられないままでいる場合に起きる、つらい出来事」を考えてみましょう。
こちらの答えは明確です。
作品を書き上げられない人は、絶対に脚本家になれません。
どんなに周囲から「センスがある」「発想が個性的だから、きっと脚本家に向いている」と言われていようとも、書きかけの作品がとてつもない可能性を秘めているような気がしていたとしても、答えは同じです。
「この作品を書き上げられないということは、100%脚本家になれないということだ」
と、自分を叱咤しながら取り組む
というのも一つの方法ではないでしょうか。

【最後に】

ご質問のなかに、
「脚本家を目指している段階で、作品を書き上げられなくなったことはありますか?」
とあるので、その点もお答えしたいと思います。

「原稿を書いていて、行き詰ってしまう」ということは、脚本家志望だった頃も、プロになった現在でもあります。
それをどうやって乗り越えているかと言えば、上に書いたような「心の持ち方」だけで何とかしているわけではありません。

頭の中で思い描いていたときは、とびきり面白く思えたキャラクター像が、原稿にしてみると色あせて見えたり、ストーリー展開に大きな穴があることに気づいてしまったりと、「行き詰る理由」はいろいろとあります。
それが何であれ、「なぜ行き詰っているのか?」「なぜ自分でも面白いと感じられないのか?」を分析し、具体化することが解決の第一歩です。
そして、その打開策を考え続けます。
考え続けるうちに、「こうすれば、問題が解決するのでは?」というアイデアが浮かぶ瞬間が来ます。
そうなれば、モチベーションは一気に上がり、「つらいけど、書かなくては……」という心情が、「こう書けばイケるはず! 試してみよう!」と変わります。

ですが、いざ試すと「これもダメだ」となる場合もあります。
そうなったら、もう一度「ダメな理由」の分析に戻ります。
日々、その繰り返しです。

これからもお互いがんばりましょう!

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。


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