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プロフェッショナルとは

NHKの番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』では、さまざまな分野の第一線で活躍する人物がとりあげられ、番組の最後には、その人が考える「プロフェッショナルとは?」という定義が語られます。

私は特に出演予定はないんですけども(笑)、自分なりに「プロフェッショナルとは?」という問いに答えるとするならば、
「特定の分野に関して並外れたところまで考え抜き、そこで得た知見を基に成果を上げている人」
ということになると思います。

例えば、エンターテイメント関連の職業”以外”の人でも「人を面白がらせたい」という欲求は、多かれ少なかれ持っていると思います。
だから多くの人が雑談の場で、周りが面白がりそうな話題を選び、時にはちょっと話を盛ってみたりもするのでしょう。
ですが、「どうすれば、もっと人を面白がらせられるのか?」なんてことを考えている時間は、日常のほんの0.00000……数%のはずです。

一方、人を面白がらせることを職業としている人は、「より多くの人を、より深く面白がらせるにはどうすればいいのか?」を、並外れた時間と労力をつぎ込んで考えていて、だからこそプロであり続けられるわけです。

そういえばこの前、私が「自分の作品を楽しんでくれる人たちがいることが嬉しい」という話をしていたところ、唐突に、
「面白いと言われるのなんて当たり前だ。プロなんだから」
という言葉をぶつけられ、腹が立つというより驚いてしまったのですが、考えてみれば、この言葉をぶつけてきた人は、私がプロとして認められるようになるまでの過程も、プロであり続けるためにしている努力も知る由もなく、「プロである」という状態しか見ていないのだから、「当たり前」と感じるのも無理もないのかもしれません。
ただ、その理屈で行くと、プロスポーツ選手が並外れた技術を持っているのも「プロだから当たり前」で、お医者さんが診断の難しい病気を見つけたり治したりするのも「プロだから当たり前」ということになってしまい、そういう考え方の人って、一体誰のことをリスペクトするんだろう??とは思います。

さて、話を「プロフェッショナルとは?」というところに戻すと、
「特定の分野に関して並外れたところまで考え抜き、そこで得た知見を基に成果を上げている人」
という定義は、あらゆる職業に当てはまると思います。

私はカレーが好きでよく作りますし、
「ちょっとした工夫で、もっとおいしくできないかな~」
なんて考えるときもありますが、そんな時間は、日常の0.00000……数%。
ですがプロのカレー屋さんは、「おいしくする工夫」を並のカレー好きとは桁外れのレベルで考え抜いていて、だからこそプロの味が出せるわけです。

それを思うと、私はカレー屋さんに対して、
「もっとこうすれば、おいしくなるんじゃないですか~?」
みたいなことを気軽に言う気にはなりません。
でも、この手のことをあっさり言っちゃう人って、たまにいますよね?
プロのカレー屋さんに向かって、
クッキングパパで読んだんたけど、カレーにインスタントコーヒー入れるとおいしくなるんだって!」
みたいなことを言う人のことです。
こういう場面に出くわすと、たとえカレー屋さんが鷹揚に受け止めていたとしても、
「内心はどう思ってるんだろう……」
と想像してハラハラしてしまい、心臓に悪いので、できれば私の前では止めていただきたいです。

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