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「驚き」の作り方

脚本家を目指して教室に通っていた頃、先生がよくこんなことを言っていました。
「プロになったら、ドラマや映画を観て泣くことなんてなくなるよ。プロはどうしても、作り手の目線で先読みしたり分析したりしながら観るから、『やっぱりこう来たか』とか、『おっ、この手があったか』とか、そんなことばかり考えて、泣くどころじゃないよ」

時は流れて、現在の私はどうかというと……
しょっちゅう泣きます(笑)。
先生に言ったら、「プロの自覚が足りない」と叱られるかもしれませんが。
一応補足すると、「お客さんの目線で観ている自分」と「作り手の目線で観ている自分」の二人がいるような感覚なんですよね。
だからボロボロ泣きながら、
「ああ、今私がこんなに泣いてるのは、冒頭シーンで巧みに張られていた伏線が見事に回収されているから!!」
みたいな感じで、頭の中は分析モードになっていたりもします。

こんな調子で、観ながら展開の先読みもしているんですが、最近、ひとつ気づいたことがありまして……。
ミステリーでよく使われる手法で、私が毎回のように引っかかってしまうものがあるんですよね。
何度も同じ手を使われても、先読みできずに「ウソやーん!」となってしまう。
それは「主人公が信頼し切っている仲間の中に、実は裏切者がいる」というパターン。
その裏切り者が優しげな女性だったり、コメディーリリーフっぽい人物だったりすると、まんまとやられてしまう……。
単に私の先読み力が低すぎるか、学習能力がなさ過ぎるという疑惑もありますが、それほど「型」というのは侮れないものなんじゃないかと思うわけです。

そういえば、先日こんなツイートをしました。

「驚かせること」は、面白さを生みだす上で重要な要素。
そして、驚きを生み出すには、
「いまだかつてない手法を編み出すぞ!」
というアプローチもあれば、
「既存の型を分析して、それらを応用してみよう!」
というアプローチもあるんじゃないかと、今夜はそんなことを考えています。

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