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熱海で気づく「初めて」の価値

去年から今年にかけて、普段書いている映画やドラマの脚本とは違ったタイプの作品を書いていました。

エフエム熱海湯河原の開局20周年を記念して発売されるCD絵本ブック『熱海湯河原ふるさと創作民話』です。

これまでに何度か、小学校中~高学年のお子さんを対象にした児童書は書いていますが、絵本は初めて。
そしてこの絵本には「読み聞かせCD」がついており、音声コンテンツでもあるのですが、音声コンテンツも私にとっては初めて。
7月末発売予定ですが、一般の書店では販売せず、熱海、湯河原のお店や旅館でしか購入できない「地域密着型コンテンツ」でして、こういった作品も初めて書きました。

普段と勝手が違うため手探りの部分も多く、執筆中は戸惑うこともありましたが、何度か現地に伺い、エフエム熱海湯河原のみなさんから地域の伝承を教わり、取材もさせていたいだおかげで、何とか書き上げることができました。

今月半ばにはCDの収録があり、立ち会わせていただきまして、その後エフエム熱海湯河原の方々が食事に連れていってくださいました。
その席で「地方のエフエム局がこういったコンテンツを作るのは異例のことで、その分、大変な部分もあったけれど、『何としても』という思いで進めてきた。収録が終わって本当によかった」というお話が出ました。
そのとき、すごくハッとしたんですよね。
「初めてのことばかりで大変」と思っていたのは私だけじゃなかったんだなぁと……。

自分の大変さは自分が一番よくわかるので、ついそこばかり見つめてしまうんですが、ちょっと視点を変えれば、クライアントさんにとっても「初の試み」であることに気がつけたはず。
でも、私にはその視点がまったくありませんでした。反省……。
それと同時に、
「収録まで漕ぎつけたことを嬉しく思う気持ちも、私と同じなんだ」
と思うと、この仕事をお引き受けしてよかったと、しみじみ感じました。

「初めて」って、寄る辺なく気持ちが落ち着かないことが多いし、勝手がわからず右往左往したりもします。
でも何ごとも「一度もやったことない」と「一回だけでもやったことある」とでは大違い。
だから「初めて」には価値があるし、いつだって「”初めて”は一回きり」なわけで(当たり前ですが…)、その意味でも貴重な体験ですよね。

今後、特に仕事の面では、「初めてだから躊躇する」のではなく、「初めてだからグイグイ行こうぜ!」という姿勢で行きたいと思います。
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