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ご質問にお答えします!『どうしたら脚本家になれますか?』

今回は、脚本家志望の方からのこちらのご質問にお答えします。

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ご質問、ありがとうございます!
ご質問の内容は単刀直入ですが、私からの回答は単刀直入というわけには行きません。
お返事をするにあたり、まずは前置きをさせてください。


【まず知っておいてほしい前提】

脚本家という仕事には「定番のなり方」がありません。
仮に十人の脚本家に「どうやってなりましたか?」と尋ねると、十通りの答えが返って来るでしょう。
「シナリオコンクールに入賞して……」
「小劇場系舞台の台本を書いていたら、プロデューサーに声をかけられて……」
「シナリオスクールで学んだ後、プロの脚本家のアシスタントを経て……」
といった風に、ある程度のパターンはあるかと思いますが、「これをすれば必ず脚本家になれる」という道筋はありません。

私自身は下の投稿に書いたような経緯でプロになりましたが、「同じような道筋をめざしたけれど、うまく行かなかった」という人も大勢いるはずです。

定番のなり方はなくても、新たにプロの脚本家としてデビューする人はいます。
「自分に適したなり方を模索して実践し、それが実った人が脚本家になっている」ということです。
現役脚本家の「なり方」の具体例を集めていくと、質問者さんに適した「なり方」を見つける参考にはなると思いますが、その中に必ず「あなたにとってのベスト」があるとは限りません。
質問者さんの強みや弱みもよく考慮して、最適な方法を探す必要があります。
また、「これまでにない脚本家のなり方」を質問者さんが新たに見つけるということもあり得ます。

……という前提で、ここから先をお読みください。


【プロ脚本家になるために必要な条件】

プロの脚本家になるためは、以下の二つのことが必要だと私は考えます。
その1)プロにふさわしい筆力があること
その2)プロにふさわしい筆力がある人物として、脚本家を起用する立場にある人に認識してもらうこと

それぞれ具体的にご説明していきましょう。

その1)プロにふさわしい筆力があること
この条件を満たすために、まずは「自分に適した学び方」を見つけましょう。
シナリオスクールに通う、作劇に関して書かれた本を読んで独学する、作品を学校等で上演し、観客の反応を知る等々、さまざまな学び方があり得ます。

その2)プロにふさわしい筆力がある人物として、脚本家を起用する立場にある人に認識してもらうこと
「脚本家を起用する立場にある人」の代表格はプロデューサーです。
監督が「ぜひこの人と組みたい」と希望することで脚本家の起用が決まるようなこともあると思いますが、この場合もプロデューサーの承認が必要となります。

プロデューサーに自分の存在を知ってもらうのにも、さまざまな方法があります。
例えば、テレビ局等が行っているシナリオコンクールに入賞すると、プロデューサーと出会うきっかけが与えられるでしょう。
またプロの脚本家のアシスタントになり、実力を認められれば、プロデューサーに推薦してもらえる可能性があります。
質問者さんが書いた台本を自主制作の形で舞台上演し、それが評判を呼べば、新人脚本家を探しているプロデューサーが観にやって来るかもしれません。

ともかく、「筆力を上げよう」とひたすら書き続けるだけではなく、「自分を見つけてもらうための努力」も必要であるということです。

【まとめ】

このように、その1)、その2)のどちらを満たそうとする場合にも多くの方法があります。
どの道筋が一番自分に適しているかを模索し、実践してください。
「実践」こそが大切であることをお忘れなく。

質問者さんは「小学校六年生から脚本家になりたいと思い始め、現在高校三年生」とのことですが、これまでの六年ほどの間に、脚本家になるためにどんなことを行ってきましたか?
仮に「なりたい」と頭の中で思っている状態が何年続いていても、状況は変わりません。
作劇に関する本を図書館で借りて読む、自分の脚本を舞台で上演したり、自主映画として上映したりすべく仲間を募る、書いた作品をネットにアップして知らない人に読んでみてもらう等々、高校生のあなたでも、すぐに行えることはたくさんあります。
王道はなくても、どこかに道はあります。
根気強くそれを探してください。


お互いがんばりましょう!

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。


脚本、小説の有料オンラインコンサルも行っていますので、よろしければ。


これまでに脚本家志望のみなさんからいただいたご質問への回答は、こちらのマガジンにまとめてあります。

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#脚本 #シナリオ #エンタメ #質問 #マシュマロ
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