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すべてが準備段階にある

今日は、この本を読んでいます。

著者は、映画監督シドニー・ルメット。
代表作は『十二人の怒れる男』『オリエント急行殺人事件』『評決』など。
タイトル通り、映画制作の入口から出口までが巨匠監督の視点で語られています。

以下、この本の第一章からの引用です。

名フットボール・コーチのトム・ランドリーはこう言った。
――すべてが準備段階にある、と。
私は彼の率いたダラス・カウボーイズが大嫌いだし、彼のことも、例のつばの短い帽子も気に食わない。
それでも、彼は図星を指している。
そう、すべてが準備段階にあるのだ。

シドニー・ルメットの監督作品『女優志願』の中にニューヨークのセントラルパークのシーンがあり、その撮影の日、昼食休憩の間に雪が降り始めたそうです。
午前中にほとんどのシーンを撮り終えていたけれど、監督は雪の美しさに心を動かされ、全シーンを撮り直したいと考えた。
四時には日が暮れるから無理だと撮影監督には反対されたけれど、監督は即座に全シーンを演出し直し、キャスト、スタッフはそれに対応。
何とか日暮れまでに、雪に覆われた公園での美しいシーンを撮り終えることができたとのこと。

このような即興に対応できたのは、キャスト、スタッフが必要な準備を十分に行っていたからだと、監督は言います。

俳優たちが演技の準備ができていて、クルーたちが自分たちのしていることを把握していたので、天候を少々利用して、まえよりいいシーンを撮りあげることができた。
準備をしていたおかげで、われわれがつねに望んでいる「偶然の幸運」が訪れたのだ。

幸運は、丁寧に準備をしているところに訪れる……。
言われてみれば、そんな気がしますし、映画制作に限った話でもないと思うのでシェアしてみました。

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