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「みんな我慢してる」の罠

以前、児童向けのココ・シャネルの伝記を書きました。
シャネルといえば、老舗高級ブランドなので、コンサバティブなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、ココ・シャネルはとても革新的なデザイナーだったんですよね。

彼女がデザインを始めた時代、女性はふくよかな体をコルセットでギュッと締め上げて、デコラティブなドレスを着るのが美しいとされていました。
でも彼女自身は痩せていて、男の子のような体型だったため、自分に似合うコルセット不要のシンプルな服を自作。
それが評判となって、メゾンを開いたと言われています。

「自分には似合わないけれど、みんなが着ているデザインだから我慢して着る」
「コルセットは苦しいけれど、みんながしているから我慢して付ける」
シャネルがそんな女性だったら、彼女が起こしたいくつものファッションの革命(活動的な女性のための動きやすいドレスやスーツ、頻繁に付け直す必要のない香水等々)は、ずっと先まで起こらず、現在の女性のファッションも、違ったものになっていたかもしれません。

ただ、私たちが日々の暮らしの中で、
「この我慢に意味はあるんでしょうか?」
と疑問を呈したり、回避策を提案したりすると、反発されることもありますよね。
多くの場合は、長年その我慢を続けてきた人たちから……。

世の中には「我慢は美徳」という考え方の人もいますし、それを頭ごなしに否定するつもりはありません。
一定のストレスは人を成長させることもありますし、いわゆる”精神修養”に意味がないとも私は思いません。
ただ、「我慢の回避」に過剰に反発する人たちの中には、
「だったら、自分たちが今までしてきた我慢は無駄だったと言うのか?」
という怒りを抱えている人もいるはずです。
そして多くの場合、当人たちには、この怒りが反発の原動力になっている自覚がなく、「道義的に正しいことを教えてやっているのだ」と動機のすり替えを行っているんじゃないかと思うんです。

なんだか理屈っぽくあれこれ書きましたが、要は、
「私は、『みんなが我慢してる=仕方のないこと』という思い込みに、捉われないようにしたい」
ということです。
「かつては我慢しなくてはならなかったこと」が、「今となっては我慢の必要がないいこと」に変化することなんて、珍しくもないですしね。
ちょっとぐらいオトナとかエラい人に怒られても、すぐに思うところを引っ込めない自分でいたいな、と思います。

そういえば以前、こんな記事も書いていました。

#日記 #エッセイ #コラム
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中川千英子(脚本家)

脚本家。石川県金沢市出身/清泉女子大学文学部卒。芦沢俊郎シナリオ研究塾にて作劇を学ぶ。【主な作品】映画「きょうのキラ君」、ドラマ「ホテルコンシェルジュ」 、NHK朝ドラノベライズ「マッサン」「べっぴんさん」。2019年以降、映画「10万分の1」公開!新作落語も書いています。

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コメント2件

ファッションには全く疎いオジサンですが、女性ファッションに革命を起こした一人の人間として興味があり、劇場で彼女の自伝映画を鑑賞しました。あの感性と強さ・・何十年(何百年?)に一度、彼女のような革命児が出てくるんですね。
小倉 正司さん コメントありがとうございます。ご覧になったのは多分、この映画ですね。 https://amzn.to/2KNUvA0
型破りでたくましく、映画の主人公にふさわしい女性だと思います。
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