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「ヒト(短編小説)」

私は牛の女の子。

今日は実在する生物を元にしたパニックホラードキュメントをお伝えしたいと思います。


私達を年間で1番多く殺めている「ヒト」という生き物を題材にしたホラードキュメント。


私は、まだ「ヒト」に出会ったことはないけれど、彼らは二足歩行で歩き、罠を張ったり、銃というもので撃ったりして、出会ったら最後、致死率100%の生物で、私たちにとっては天敵のような存在らしいです。


なによりも怖いのは、彼らが私たちを殺す理由が、私たちを好んで食べるためだというのだから、震えが止まらないです。


時には生け捕りにされることもあるそうです。いつでも食べることが出来るように、牧場という所で、私たちを囲っているらしいのです。


この間の大きな地震で彼らの作った柵が壊れ、逃げ出してきた、叔父さんが語ってくれました。


「ヒトは、私たちの目の前で私たちの仲間を切り刻み、時にはヒトの家族全員で、私たちの目の前でそれを焼き、食べるのだ」


私は聞いているだけで、怖くなった。


彼らは私たちを食べる時、満面の笑みを浮かべ、私たちに向かい感謝するのだという。


別にあなた達を喜ばせるために生きているわけではないというのに・・・


彼らは私たちの姿を見ながら、食べると食欲が増すらしい。私たちは自分達の身内が無惨な姿に変えられ、食べられていく様子を、なにも出来ずに、ただ見つめることしかできないのだ。


彼らは私たちの生きている姿を見ると可愛いと言い。私たちの切り刻まれた肉を見るとおいしそうだという。彼らの前で傷を見せたら最後だと私は思った。


牛の世界では、「焼肉」というヒトによる悪魔の食卓ホラー映画は、ベストセラーになった。


彼らは牛だけを食べるわけではなかった。動植物、この世の全てを彼らの底無しの胃袋は欲していた。どんな固いものでも彼らは工夫をして食べる。


彼らは、木の実だけでは、飽きたらず、木の種子にまで手を出したり、例えば水生の動物や魚などの場合、卵が入っているものを捕まえると、小躍りして喜ぶと言われている。


一口で、何千何万もの命を奪うヒトの貪欲さは底無しだ。


彼らの欲望は果てしなく、やがてこの地球を食い潰すだろう。


私たちは、その前に、幸運にも彼らによって絶滅を与えられ、地球が終わる姿を見なくて済むかもしれない。


そう思っていた・・。


2024年


空から巨人が降ってきた。
私たちと同じ、牛の顔とヒトと同じ身体を持つ巨人だ。


彼らは、ヒトを食べ始めた。
電車や飛行機などは、彼らにとっての魚卵だった。たくさん入っている。


彼らは電車を見つけると、喜んだ。時には投げ合ったりして、1号車から口に構わず入れた。


シェルターという固い扉の中に避難したヒトもいたが、巨人は力任せに破壊したり、知恵を使い、水責めにしたり火で炙ったりして、中から貝の要領でヒトを取り出した。


彼ら牛の巨人は、ヒトは食うが、ウシは食わない。人食主義者だった。


ヒト以外の動物の神様。


私たちを救う、黙示録の牛神様・・。


ヒトがある一定の量になると、ヒトを食べることを解禁される。


地球とは彼ら牛の巨人にとっての、牧場だったのだ。

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KOTORI

短編小説家@山梨在住の03年生まれ。人の中にある「闇」世の中の「影」にライトを当てる点灯屋。尊敬する作家「芥川龍之介」【告知】新作→1WEEK短編(※毎週木曜日に更新中)∴高熱に魘され体調不良中(11/14.現在)

「短編小説(~2018)」

短編小説家KOTORIによる2018年までの過去作品。
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