ヴィパッサナー2017・続き

どうも、anananです。
前回の続きを書くといって、なんと半年近く経ってしまいました。(冨◯先生なみの長期スパン連載になってしまった。。)
すみません。

すっかり前回の内容も忘れてしまったので、自分が思い出すためにも前回の記事を3行でまとめるとこんな感じ。

・ 心身ともに疲れてる中、最高のリラックス方法を探してるときにヴィパッサナーを知る。
・奇跡的に10人のキャンセル待ちだった10日間コースが受講できるも、修業の場は茂原駅からバス30分+送迎車5分の山奥に到着。
・外界との情報はもちろん、他人とのコミュニケーションもすべて遮断され、えらいとこにきてしまったと後悔する。

もう少し詳細を知りたいという方は、以下の記事を読んでください。

ヴィパッサナー:2日目以降の基本スケジュール

※施設での受付後、最後の晩餐と最初の講話があった日の夕方からヴィパッサナーの初日とカウントされる。なので「2日目以降」。

基本的に以下のスケジュールを毎日繰り返してました。
(記憶があやふやな部分もありますが、多分こんな感じ)

04:00              :起床
04:30 - 06:30:各自瞑想
06:30 - 08:00:朝食
08:00 - 09:00:グループ瞑想(ホール)
09:00 - 11:00 :各自瞑想 
11:00  - 13:00 :昼食と休憩
13:00  - 14:30:各自瞑想
14:30  - 15:30:グループ瞑想(ホール) 
15:30  - 17:00  : 各自瞑想 
17:00  - 18:00 :ティータイム・休憩
18:00  - 19:00 :グループ瞑想(ホール)
19:00  - 21:00:講話(ブッダの話やゴエンカ氏の話)
21:00  - 22:00:瞑想後に就寝

グループ瞑想を含めると、一日に10時間は瞑想をするというなかなかハードなスケジュールでした。
上記の休憩の時間に、歯磨きやトイレ、洗濯、掃除、シャワーなどを済ませます。
そんな生活の中でえらいとこに来てしまったと実感した、辛かったエピソードを抜粋して4つ書きます。

つらエピ①:坐禅が辛い

これはイメージしやすいかもしれないですね。
慣れない人にとって坐禅での足のしびれは耐え難く、それを毎日10時間やるわけなので単純に辛いのです。
(※たしか、最初の説明で瞑想時の座り方は坐禅でなくても良いと言われてたんですが、自分は正座はもっと無理だったので。)

特に、グループ瞑想はホールに男女40人くらいが集まって実施するのですが、床は板の間。。
共用の座椅子や座布団が置いてあるので、それを使ってなんとか足がしびれないように皆が創意工夫をしており、人によっては王座みたいなすごい椅子を作る人もいました。


座禅


しかし、どんなに工夫した椅子や座布団を準備しても30分もすると足のしびれがひどくなり、足の痛さだけが頭を支配して瞑想どころではなくなります。
最初のうちはこの坐禅が本当に苦痛で、私も相当試行錯誤してベスポジを見つけようと色々頑張りました。
しかし、5日目くらいからだんだん痛みに慣れて、それ以降は辛さがほとんどなくなりました。
痛みに慣れてくる人間の体ってすごいですw

きるあ

               (出典:冨樫義博「HUNTER×HUNTER 13巻」より)


つらエピ②:夕食なしが辛い

前述したスケジュールをもう一度見てもらうとわかるんですが、実は夕食って無いんです。
17時にティータイムというフルーツと飲み物(紅茶やコーヒー)が出る時間があるのですが、その後翌日の朝食まで12時間以上食事は一切ありません
つまり、毎日が健康診断前日のような状態なのです。
大食漢の自分にはこれがかなり辛かった。。。
でも、初回参加者(新しい生徒と呼ばれる)はまだマシで、2回目以降の参加者(古い生徒と呼ばれる)はこの時間に飲み物しか飲めません
これは坐禅と違って最終日まで慣れませんでした。

つらエピ③:夏の修行場が辛い

修行の日程は8月のお盆で、夏真っ盛り
しかも、人里離れた山奥の大自然での生活です。
前回掲載した写真からもわかるように、山とはいえ生活圏は平地になって木々がないため暑く、さらに山の天気は変わりやすいのか、ホールでの瞑想中にゲリラ豪雨で干してた洗濯物が全滅するなんてこともありました。

幸い、寝る場所とホールはエアコンが効いてましたが、トイレ・シャワー室・洗濯場は屋外の掘っ建て小屋にあり、かなりオープンな作りになってました。
一応屋根もあるしオープンな作りなので掘っ立て小屋もそこまで暑くはないのですが、オープンな作り故に朝から晩まで沢山のアレが集まってきます。

そう、です。

私は田舎出身で虫は比較的見慣れてる方だと思ってたんですが、ここまでの種類と量、そして大きさの虫を見たのは久しぶりでした。

中でも一番ビックリしたのは、シャワー室での体験です。
シャワー室はジムなどで使われるような小サイズの個室が3つ準備されており、その部屋の前がカーテンで仕切られて小さな脱衣所となってました。

4日目あたりの講話後(21時過ぎ)にシャワーを浴びて、脱衣所で着替えてるときに、ふとシャワー室の上部(室内ではなく室外の掘っ立て小屋の屋根との間)でとても大きな物体がいるように見えたので、よく目を凝らすと、、、





そこには手の平くらいの大きなクモが!!

くも


あまりの大きさにびっくりして慌ててその場を離れたものの、シャワー室前に並ぶシャワーを待つ人たちにそのことを伝えることができませんでした。
だって、しゃべるの禁止だから

後ろ髪をひかれつつ寝室に戻った私はその日以降、ティータイム後の明るい時間にシャワーをあびるようにしました。
(ちなみに、後で調べたところあの蜘蛛はアシダカグモという国内最大級のクモだったんじゃないかと思ってます。その理由は後述。
あと、ここまで書いてて気づいたけど、クモって虫じゃないですねw
でもクモ以外にもセミや蝶やカブトムシはもちろんのこと、ゲジゲジやカマドウマ、巨大な蛾なども沢山でてきて、虫は本当に豊富でした。)

つらエピ④:夜の戦いが辛い

思った以上に修行で疲れるので、大事な睡眠時間を確保するためにも夜は早く寝てしまいたい。(最大でも6時間しか睡眠時間はないので。)
そう思っていたのですが、残念ながら夜の戦いがそれを許してはくれませんでした。。

戦いその1:インドかスリランカ系の人との冷戦
参加者には少人数ですが外国から来た人もいました。
もちろん、しゃべれないのでどこから来た人かはわからないのですが、ちょうど私のベッドの3つ隣にインドかスリランカから来たような顔立ちの人がいました。
昼間は何事もなく過ごしてたのですが、問題は消灯後に起こりました。
前述したように寝室はエアコンが効いてるのですが、その温度はリモコンで誰でも変更できるようになってました。
そして、私のベッドはちょうどエアコンの風が直接当たるところ。

そんな状況下で迎えた2日目の夜、就寝後に異常な寒さに目が覚めます。
さすがにおかしいと思って、エアコンのリモコンを見てみると設定温度はなんと18度。(ちなみに寝室に書かれてた推奨室温設定は28度)
誰がやったかわからないですが、とりあえず26度くらいに設定をして再度眠りにつくことに。

翌日もなんか嫌な予感はしつつ就寝したところ、またも異常な寒さに目が覚めます。
案の定、リモコンの設定温度を見ると18度
さすがに連日これだと眠れないので、26度に戻して誰が設定温度下げてるのかを見てたところ、30分後くらいに3つ隣の例の彼が再度温度を下げにきてるのを目撃。
その場で一言言いたかったのですが、何も言いませんでした。
だって、しゃべるの禁止だから

なので、翌朝にサポーター(運営ボランティア。しゃべってもいい人)に昨晩の状況を伝え、彼に「温度を下げるのを辞めてほしい。もしそれが嫌なら、私とベッドの場所を交換して欲しい」と伝えてもらうようお願いし、ようやく静かな夜を手に入れます。

戦いその2:寝かせてくれないアイツ
ようやく安眠を手に入れて、修行も終盤になった7日目(?)の夜、消灯後の22時ごろに部屋が急に明るくなります。
最初は誰かが間違えて電気をつけてしまったのかと思ったんですが、しばらく待っても暗くなる気配がありません
それどころか、入り口付近で物音が激しくなってるような気がして、起き上がってみると入り口付近のベッドの数人が反対側へ避難しはじめてるところでした。
消灯後に明かりをつけて人が動き回ってるこの状態が異常事態なのはわかるのですが、何が起きてるのかがさっぱり理解できません。
だって、誰もしゃべれないから

これ火事だったらヤバいなーと思いつつ、周りの人の視線を見てるとどうやらベッドの下を見てるので、事件が起きてると思われる場所に近づき下を除いてみると、、、、





はい、Gさんですね。

画像4

               (出典:松森ナヲヤ「天然戦士G 1巻」より)

それも、とても立派な個体。
どうやら山の中のGは大きく育つようです。

どうしようかと周りを見回しても、逃げ惑う人、我関せずと寝る人、Gを見つめて動けなくなった人などで、誰も倒したり外に出したりしようとする人がいません。

このまま放置してても寝る時間が削れられるだけなので、部屋にあったクイックルワイパーを持ってきてGをたたき、ティッシュで掴んで外に放り出しました。
すると、室内からなぜか拍手がw 

本来コミュニケーションをとってはいけないので、これも禁止行為なのですが、本当に感動したときって体が勝手に動くんですねw

そんなこんなで不思議な一体感を醸し出したまま、その日は就寝しました。
もちろん、翌日に全く同じシチュエーションで、さらに2匹のGを倒すことになるとは、この時思ってもみませんでしたが。。
(ちなみに、修行後「あの時Gを退治してくれた人」としてお礼がてらにしゃべりかけてくれる人が多くいました。)

結局、どうだったの?

長文でつらつらと辛かったエピソードを綴ったために、読んだ方から

結局ヴィパッサナーはどうだったの?行って良かったの?悪かったの?

という質問がきそうですが、私個人としては前述したような体験も含めてとても貴重な体験ができるのでおすすめです

特に以下のような方はぜひ参加してみてください。
・マインドフルネスでは物足りないので、もっと深い瞑想を体験したい
・健康的な生活リズムを取り戻したい
・人生について一人でじっくり考えたい
・色んな人と知り合いたい
 (※修行の最終日前日の午前から、おしゃべりが解禁されるので色々話をしてみると、学生だけでなく社会人も多くて結構おもしろい。)

もし参加したいという人に一言だけアドバイスするなら、
寒さが嫌じゃなければ夏より冬の修行がいいと思うってことだけですねw

それではまた、どこかで。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?