見出し画像

[詩]「遊離した場で」

意味のない一日の次に
さらに意味のない一日が連なり
密度の低い時間に高密度などうでもよい事柄が
洪水のように流れ込んでくる

立つべき地面は消え失せ
自らをピン止めしておく座標の軸は
既に風で倒壊している

人知れず破綻してしまった
そのミクロの場は
正の値しか認められない世界から
いつの間にか切り離されるため
元々あったドライなマクロの構造は保たれる

ところで 切り離された矮小な負の泡は
過剰に振れた負の値同士を乗算して
ローカルな時間と値を得て
別の次元を浮遊している
この泡は元の世界に還ることは決してない

笑いも泣きもしない私は
今そこで疑似的な座標値を付与されて
複数の別の座標系を生み出すために
必要なものと いらないものの仕分けをしている

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?