台風を越えて

2019年10月12日(土)、台風が栃木県に近づいていて雨風は次第にひどくなっていた。
テレビをつけながら情報を収集していたが、どんどん悪化する状況。
僕は栃木県宇都宮市に住んでいるんだけど、田川や鬼怒川が危ういという情報。
ただ、地理的にどこかへ避難するよりも自宅待機が安全と判断して、妻と子と夜を過ごした。
雨は次第に強くなり、どんどんと悪いニュースが流れてくる。越水、氾濫、緊急放水、、、鳴り響くアラーム。

0時を過ぎたくらいだろうか?雨風が弱くなり、これ以上テレビをつけていてもどうしようもないと思い、寝ることにした。

一夜明け、13日(日)。信じられないほどの快晴。まだ風は強かったが晴れ渡っていた。
外を見てみても台風の被害は一切なく、ひと安心してニュースをつけてみて呆然。
佐野市で氾濫、田川も越水して駅前が泥だらけ、他の県内も、県外でも甚大な被害をもたらした。
自分が生まれ育ってきた大好きな栃木県が変わり果ててしまっていた。

僕は月曜日に仕事(イベント関係)を控えていたのだが、この影響で中止となった。最低限の後処理をする。

そして、親戚、知人、仕事仲間の安否を確認。幸い無事。事業所も気になっていたので自転車で見に行った。道中も、テレビで見た台風が本当にあったのか?と思うくらい平和に時間が流れている。事業所も無事。
僕は駅東に住んでいるのだが、今回被害が大きかったのは田川沿い、主に西口~南方面。自分自身に関して言えば本当に幸いだった。

この感覚は以前にも持った記憶がある。
2011年、東日本大震災。
ただ、今回は自分の知っている土地が変わり果ててしまった。かなりショックだった。
テレビで段々明らかになる被害状況。ただ、今も全貌はわからない。状況がわかったところでなにかできるかと言えばそうではないんだけど、もどかしい。

日曜日は、子供の気晴らしに近所の公園にふらっと出たが、ほとんど家で過ごした。
そんな中、やっぱりもどかしくて、なんかできることないのかなーと考えて、ボランティアの情報を探した。月曜日は元々仕事だったので、休みになった今、少しでも身体を動かして何かをしたかった。

Webでいろいろ調べたけど、一旦は大学の恩師に連絡した。大学とその周辺も被害が大きいと聞いていたので。
その返信で、被害からたった一日で学生が力を合わせて大きな復旧を遂げていたことを知り、プラスアルファであれば別の地域がいいであろうことを知った。と、同時に「せっかく思いがけない休みなのだから、家族と過ごしたら?」というありがたい言葉ももらった。

話は少し変わるが、僕は職業柄、土日祝日が仕事になることが多く、家族3人で家でゆっくり過ごす時間が意外と少ない。
なので、今回月曜日祝日が休みになり、かつ外に出るような状況でもなく家に3日間もいる機会はすごく貴重だった。

すごく迷ったけど、家で過ごすことにした。
その間も、被災状況はテレビを通じて流れてきたし、それと対比した平穏、出雲駅伝をゆっくり見て当たり前の日常、子供と妻と幸せに過ごせることを改めて感じた。

ありきたりではあるけど、こういうことがあると当たり前の日常のありがたみがすごく幸せだと思えたし、大切にしなきゃと思った。

今、自分自身にできることはほんとうに少ないし、仕事を通して何ができるかとか考えてるけど、ただ、絶対に今後もずっと忘れちゃいけないのは
こういう事態から逃げないreceiverでいること、
当たり前の日常が幸せであること。

これを飛ばして何かできるなんてことはきっとない。
改めて自分の足下を見直していきたい。

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