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1・8・8ビルとギャラリー工(こう)と私の家族。

 本当の名前は、「GALLERY工+with」と言います。その名の通り、ギャラリーを営んでいます。

 1995年のこと。相談ごとを持ち込まれると何かやらなきゃいけないと思ってしまう、毎度、粗忽でお節介な父が、急にテナントが空くことになり困ったという叔父の話を真に受け、母の実家だった台東区谷中の場所でギャラリーを始めないか?と、働きかけたのが始まりでした。
 主婦だった母は、あれよ、あれよという間に有限会社の社長兼ギャラリーオーナーとしてデビューしました。それまで家を留守にすることが無かったため、母が出掛けようとすると、ビーグル犬のラッキーが遠吠えで後を追い、結局、ラッキーまで車で一緒に通勤することになりました。

ギャラリー工のスタートはここから。
社長とスタッフ。

 父が物事を決断する際に粗忽なのは若いころからで、母と結婚して間もないころ、風呂なしからシャワーを付ける検討をした際、玄関の土間に付けるのはどうだろう?と言ったそうです。さすがに、この父の案は却下され、かわりに「ほくさん バスオール」というお風呂が庭に置かれました。いつしか、この新しもの好きのお風呂に入る面白味は、私のイトコたちが遊びにやってくる際にも共有されていきました。

 話が脱線しましたね。「ギャラリー工(こう)」のことに戻ります。これが、なんと現在も続いています。私はこの2代目。ハジメと申します。

 両親時代のギャラリーは、始めたころの父の手記によるとこんな風です。

私のひらめきで、突然、私たちがテナントの後釜で入ることにしたのだが、やはりこの不景気、ギャラリーなどという贅沢家業、なかなか順風満帆とはいかない。かといって「素人うなぎ」というほど酷くは無いというのが、私たちの自己評価。とにかく、まあ何とかトントンの自転車操業。
先に結論から言ってしまえば、気長に地道にマイペースで経営していれば、「そのうち何とかなるだろう」というお気楽ムードでやるしかないと思っている。などと悟ったようなことを言ってしまったが、その実、家人は去年(最近やっと治ったようだが)原因不明の円形脱毛症になってしまったし、私は私で、ギャラリーの将来、これからの人生について、毎日、あれこれ夢の中でまで考えに考え、魘されていた。
そんな悪戦苦闘のドキュメンタリーを、嘘、偽りなく、きちっと記録していきたいと思ったのが吉日。もしかしたら、これは、「偉大なる人生の記録」となり、「素晴らしき経営哲学の記録」となるかも知れないと思い至るようになったからなのだ…。てへっ。本当かなぁ。

LUCKY DAYS  濱田哲士

 父と母のギャラリーはそれなりに風を吹かせましたが、生き方もせっかちだった父は71歳で天寿を全う、2017年に一旦スペースを閉じましたが、今度は私、ハジメが、車いすの母を元気にしようと2022年にリスタートをして現在に至ります。

ギャラリーを一旦閉じたときの、愉快な写真。真ん中が父。
「おかえりなさい、愉しい時間」展(2022年)と母。 
作品は、市村富子(木工)、奥由起子(テキスタイル)、香取葉子(陶)、福田真木子(ガラス)、南沢奈津子(鍛金)※敬称略

 いやはや、やってみると家賃が高いです。これを合理的に解決しようと、父が癌になったころから試しに始めていた早朝アルバイトで、いざという時には補填していたのですが、この1・8・8ビルは放っておくと、水やりを忘れた植木鉢の花のように萎れていく感覚があり、この際、思い切って8年続けたバイトを辞め、お金じゃない世界へと裸足で歩んでいく気持ちが芽生えました。お金稼ぎよりも、水やりが先なのではないかと。 
 そして、そう思ったのが吉日、何か記録を残そうかな…と思って、資料を探しているうちに父の記録が出てきて、私と父とは、ほぼ性格が似ているという事を痛感している次第です。

 このノートは、1・8・8ビルとギャラリー工(こう)で、あれこれ試す、2代目ハジメの奮闘記です。(と書こうと思ったら、さっそく”二代目”を”二駄目”とミスタイプしてしまった・・・!)
 そんな私のパートナーは、まるでビーグル犬なミックス、里親として迎えた愛犬ココちゃんです。共々どうぞ宜しくお願い致します。


 続く。
 お次は「きっかけは、ハマさんから」を書く予定です。

2022年の私です。
以下はココちゃんによるギャラリー紹介動画です。

今後のギャラリースケジュール

2024年3 月 25 日 ( 月 )
開場 18:30 開演 19:00
ひつじの古本まつり
柳家花いち、春風亭昇羊(主催)、春風亭昇市
予約 2000 当日 2300
電話 03-3313-5065 /メール info@ga-kou.com

4月 14 日 ( 日 )
開場 13:30 開演 14:00
立川志の太郎落語会
立川志の太郎(主催)
予約 2,000 当日 2,500 懇親会参加の方は+1000 円
電話 03-3313-5065/メールinfo@shinotaro.jp

5月25日(土)~6月1日(土)
11時~19時(最終日は17時終了)
satouの傘とFine Little Dayのポスター展
入場無料、作品を販売いたします。
工企画(主催)


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