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社会人1年目の私へ

国家試験が終わり、服飾学校の友達と企画したショーも無事終わり、記念すべき20歳の春、私はニートになります。ええ、就職浪人です。


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学生ではなくなった、社会人1年目。みんなと同じスタートは切れません。専門学校の先生に、就職率を下げたことをチクリと言われ、心底その先生が嫌になりますが、案外すぐ忘れます。

絶望の中、それでも働かないと生きていけないので、あなたはあるBARで働くようになります。しかもそこを約1年続け、たくさんのことを学びます。くだらないプライドを壊すことに成功し、愛想笑いもできるようになります。けれど、私は何をしてるんだろう、と何度も絶望します。

せめて、面白いお客さんのことをたくさん覚えておいてください。話のネタになるような。色んな人と色んな話をして、肥やしにするのです。


理想と現実は違います。

その後なんとか大阪市内の美容室に就職しますが、楽しい日々を「ぬるま湯だ」と思うようになり、より成長できるサロンに行こうとします。その先はまぁ色々あって、結局26歳くらいで美容師をやめます。

まさかと思うでしょう。

美容師になることだけが生きる糧だったあなたにとって、美容師をやめることは死ぬのと同じです。そう、一度死んだのです。美容師を目指してがむしゃらに生きていたあなたは、20代半ばで死ぬのです。

そこで、それまでいかに視野が狭かったか思い知ることになります。なので今からでも、美容師以外の仕事にも興味を持ってみてください。もっと、世の中を、世界を、知ろうとしてください。自己満足で終わらぬように。


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すんなりスタートを切れなくて、思うようにいかなくて、もがいてもがいて、10年経ってもまだ相変わらずもがいています。

常に、もがいています。常に、何かを求めています。

常に、次へ次へと生き急ごうとします。


今言えることは、"いま"を生きてください。
仕事が決まらなくて辛くて苦しくて焦っても、その日々を後に意味のあるものにするので、ただ、今を生きてください。

命さえ繋いでくれたら、それだけであなたは最高です。後のことは、未来の私に任せなさい。頑張って頑張って頑張って壊れて、休んで、回復して、また歩き出すので、あなたは今、生きているだけで充分です。



最後に、とっておきの情報を送ります。

あなたが人生で一番辛かった時を包み救ってくれたバンドが、2016年に復活します。なんとそれを、東京で知ることになります。わけがわからないでしょう。人生何が起こるか本当にわかりません。

なので、今は生きて色んなこと・色んな感情と向き合ってください。それが、後に良い人生のスパイスになりますので。特に、"切ない"感情に敏感でいてくれると今の私は非常に助かります。よろしくどうぞ。




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