幸せのあるところ
私たちの幸せは、この一瞬に、たった一瞬にあって、日常の中のひと時の刹那に、溺れていたいのだ。
私は彼の日常を知らない。
彼もまた、私の日常を知らない。
それはそれでなかなか面白いもので、そんな存在はなかなかに貴重だ。付かず離れずが心地良い。
そんな関係で幾年か過ぎ、私たちの物語のハッピーエンドについてふと考える。
結婚?
違うな。多くの恋物語のハッピーエンドは結婚で締めくくられているけれど、私たちには相応しくない。そんな永い永い時の約束よりも、一瞬の中にある幸せを感じていたい。
それは儚くも甘く、狂おしいほど愛おしい。
その一瞬に、喜びも愛しさも哀しみも苛立ちも幸せも快楽も全てがあって、ぐちゃぐちゃに混ざり合って、溶けて終いには無になる。
私の中のあらゆる感情を揺さぶれるのは、今、この人しかいない。この人しかいないのだ。
これは愛ではないかもしれないし、愛かもしれない。
愛かもしれないし、愛ではないかもしれない。
そんな風に思える人がこの世に1人いるというのも、なかなか悪くないものだ。
エンドロールはまだ流さないでおくよ。
サポートとても嬉しいです。凹んだ時や、人の幸せを素直に喜べない”ひねくれ期”に、心を丸くしてくれるようなものにあてさせていただきます。先日、ティラミスと珈琲を頂きました。なんだか少し、心が優しくなれた気がします。