見出し画像

【ジョジョnote】第4部考察 その② シンボルの謎

目次
ジョジョnote

前回
第4部考察 その① 第4部のテーマ ー振り返りー

4. シンボルの謎(第3部)

まず、第3部のDIOと承太郎の問題から触れておこう。

ハートといえば、仗助のシンボルとして有名だ。
学ランにもつけてるし、クレイジー・ダイヤモンドの頭の形もそうだ。

しかし、第3部のDIOもハートを身にまとっていたことはどれくらい知られているのだろう?
DIO本体の頭部、腹部、両膝と、ザ・ワールドの両膝。

このハートのアイコンは、あるイベントと同じタイミングで少し変化している。
手元に単行本をご用意いただきたい。
コミックス28巻(文庫版17巻)「DIOの世界その⑮」
ここは、心臓を止めていた承太郎の奇策によって、DIOが窮地に陥るところだ。
(レントゲンのようになった扉絵が印象的)
承太郎のオラオラをくらったDIOだが、結果的にはジョセフの血を吸って復活し、WRYYY!モードになる。
実はこのタイミングで、頭部のハートが壊れている。

僕は、この頭部のハートは「人間的な理性」を象徴しているのでは?と考えている。
実際、そこまで(表面上)紳士的に振る舞っていたDIOが、ここを境に欲望のかたまりのように行動していく。


一方、承太郎は?

僕は、「学帽の正面の印」を取り上げたい。

この学帽、登場時の頃は普通の学帽だが、エジプトへの旅が始まった頃にはデザインが定着している。
僕は、この正面の印は、「日の出」を表しているのでは?と考えている。

ジョジョにおいては、太陽は重要なキーワードだ。
ジョースターの末裔である承太郎が、波紋=太陽のエネルギーを象徴するものを身にまとうことは筋が通っている。
また、ちょうどツバの部分が地平線のようになっていて、暗闇のなかから太陽が出てくるような図案になっている。
これは、「DIOによってもたらされたジョースター家の暗黒の時代に夜明けをもらたすもの」という意味は込められていないだろうか?

実際、第3部は夜明けとともに終焉を迎える...

まぁ、第3部はこのへんでいいのよ。


5. シンボルの謎(第4部)


さて、第4部はシンボル問題を考える材料が転がっている。

まずは、億泰からいこう。

億泰のシンボル

億泰のシンボルといえば、「¥と$のマーク」だ。
しかも、襟にはそれぞれのマークがついているが、胸の真ん中には大きく$マークがある。
僕は、これは億泰のテーマを表していると考えている。
利己的か?利他的か?

¥とは、自国の通貨、つまり「自分のための利益・価値」を象徴し、
$とは、他国の通貨、つまり「他人のための利益・価値」を表しているのでは?

このバッジの変遷をたどると、初登場時こそストラップのように胸元に小さくぶら下がっているが、第4部全体としては大きさがちぐはぐで特定の変化は見られなかった。
第4部では、キャラのサイズ・等身がコロコロ変わるので、バッジの大きさの違いから意味を読み取ることは難しい。

ただ、億泰は第4部で明確に2回、「ほぼ」死んでいることに着目したい。

1回目はレッチリ戦で地中の電線に飲み込まれた時。
2回目は吉良最終戦で腹部を削られて爆弾に変えられてた時。

レッチリに敗北して復活した億泰は、康一に諭される。
「敵討ちだとか 勝つとか負けるとか じゃあなくて
ジョセフ・ジョースター さんを守ることを
考えるんだよ 億泰くん」
「それが『レッド・ホット・チリ・ペッパー』 を倒すことに つながるんだ
………
君は それをしなくちゃあ いけないよ!
みんなのためにさ……
ぼくらが住んでるこの街のために……」
(ジョジョの奇妙な冒険第4部 レッド・ホット・チリ・ペッパー その④)

ここで、億泰は「兄貴を越える」というテーマを見出す。
そもそも虹村家の人間は、兄である形兆を含め極めて利己的に生きてきた。
兄の死んだ後も、億泰は復讐を胸に潜めていて、このレッチリ戦でその問題が現れたわけだ。

一方、吉良最終戦の億泰は。
死の淵で形兆を克服し、杜王町に帰ってきた。
そして、仗助のため、街の平和のために爆弾空気を消し飛ばし、猫草を吉良から奪った。

この、億泰の内なるテーマが、¥と$のマークに現れていると思う。



仗助のシンボル

はて、ここは難問だ。
なぜなら、僕自身納得がいく答えに到達していないから笑

というわけで、考える資料と根拠を提示して、最終的な考えは読んでいる人に委ねたい。

ここで取り上げたいテーマは、「仗助のバッジ」だ。

お気づきだろうか?
仗助の襟のハートのバッジには、「手のマークがついてたりなかったりする」。
この手自体は、承太郎の学帽にもあった、「荒木先生のペンだこマーク」だろう。

こいつが、かなり謎なのだ。

まずは、仗助のバッジの変遷からたどってみたい。
(基本的に、扉絵は無視して、本編内部のバッジに着目する)
・初登場時「空条承太郎!東方仗助に会う」(コミックス29巻、文庫版18巻)
左襟の錨(最後まで同じ)、右襟のハート、左胸のハート、「J」バッジ

・「東方仗助!アンジェロに会う その③」(コ29、文18)
前話で祖父・東方良平がアンジェロの手により殺された時点では「右襟のハート」は1つだったが、この回から2つになっている(最後まで同じ)

・「間田和敏(サーフィス) その①」(コたぶん31、文19)
p3の3コマ目までは「J」バッジが描かれているが、それ以降は見られない(最後まで同じ)

・「山岸由花子は恋をする その①」(コたぶん32、文20)
p5の1コマ目から、右胸の「ピース」バッジが登場(最後まで同じ)

・「重ちーの収穫 その①」(コたぶん36、文23)
p9の4コマ目まで、「右襟のハートに手」が描かれるが、これ以降描かれない。


こうして振り返ると、意外に仗助のバッジがころころ変わっている。
第4部はキャラのサイズ・等身を含めデザインがころころ変わるが、このバッジの変化には何かしら意味があるだろう。

まずは、「錨」
これは、「錨=怒り」で、仗助の性格を表しているのだろう。

次に、「ハートの数」
これは、祖父・良平の死によって数が変わっていることに着目したい。
良平は警官として街の平和を守っていた。
その死を受けて、良平の意志を受け継いだと考えるならば、
この2つ目のハートは「杜王町」ということになる。
ここから逆算して考えると…
ハートは「仗助が守りたいもの」を表しているのでは?
左胸のハートが仗助自身
右胸の1つ目のハートは親しいもの、仲間
2つ目のハートが親しくないものを含んだ、杜王町全体
と解釈できる。

次に、「J」のマーク
これは、「ジョースター」のJと考えてもいいわけだが…
承太郎と会う前、つまり自分がジョースター家の人間であることを知る前から付けていたことを考えると、「仗助」のJと考えた方がいいだろう。
では、間田回から仗助にどのような変化が現れたのか?
それまでは、仗助は友達がいなくて単独行動をしていた。
もちろん、康一VS玉美の冒頭で億泰とつるんでいるが、まだ敵同士が和解したてでよそよそしい(と僕は思う)。
康一との関係も、この間田回までは明確には描かれていない。
実は、この間田回で初めて仗助と康一はいっしょに戦う。
それをきっかけにJマークが取れるということは、「J」は仗助が孤独だったことを間接的に示していると思われる。

次に、「ピース」のマーク
これは、間田回の後、山岸由花子回の冒頭から付いている。
僕としては、仗助に心の平穏をもたらす「仲間」ができたことを表していると考えている。
実際、この山岸由花子回から仗助たちは友達としてつるんでいるシーンが描かれていく。
先程の「J」マークの消失と、「ピース」マークの登場がリンクしていることからも、この考えはいい線いってると思う。

そして、最後。
問題の「ハートの手」
これについては、明確な答えは導き出せていない。
まずは証拠を集めてみよう。
・「ハートに手」は序盤に多い(特に山岸由花子・トニオあたりまで)
・レッチリ戦、虫食い(ネズミ)戦でもちらほら出ている
・ジョセフと透明の赤ん坊回では出てこない
・重ちーの回で、冒頭にハーヴェストを初めてみて敵と勘違いしたところを境に「ハートに手」は現れなくなる

これらを総合して考えると、「ハートに手」は敵と遭遇したときの仗助の心理状態を反映している、と想像される。
特に、ジョセフとの回で出てこないということは、単なる焦りや緊張というよりは、危機感とか敵を倒す使命感を感じた時に表示されている、と考えるといいのかもしれない。


長いなぁ…
次回にまわします

タイトル画像は仙台駅の駅名標です。

Next

第4部考察 その③ 承太郎考察



サポートの目安はアサヒ・ザ・リッチ1本文です。