【購買道】独りよがりのQCD評価はやめる

こんにちは。購買歴20年のKFです。本日は調達購買部員の基本であるQCDについてお話しします。
購買部員でQCDという言葉を知らない人はいないでしょう。QCDとは、Q=品質、C=価格・コスト、D=供給・納期のことです。多くの企業ではサプライヤー評価についてもこのQCDを活用しているのではないでしょうか。
QCDの難しいところはそれぞれがトレードオフになり全てが完全に要求に合致することが少ないということです。例えば品質を上げると価格が上がったり、生産数量が減る、納期が遅れるなどトレードオフが発生します。しかもQCDどれを優先すべきか、という絶対的なものはなく状況により優先順位が変わります。ある時点でではコスト重視であったにも関わらず、ある時点では供給が最優先になることがあります。調達購買部員の重要なミッションはその時点で最適なものを購入することですから、その時々で何が重要なのかを見極める「感度」とQCDを正しく評価する「目利き」が必要です。
さらに加えて言うと、QCDの評価基準は購買部門だけで決定することは困難です。設計部門、生産部門、物流部門などバリューチェーン、サプライチェーンで関連する部門のニーズやオペレーションを把握しトータルで競争力の高い資材を購入する必要があります。
その為には、他部物の職務分掌や戦略を理解しそれらのニーズに適合したQCD評価が効果的です。私の部門でも新しく購買部に入られた方には、関連部門MAPとそれぞれの部門の職務分掌を教育する事にしています。それぞれの部門の役割責任権限を理解することは多くの部門と関連する購買部門には必須の知識だからです。さらに踏み込むとそれぞれの部門が測定しているKPIやその時点の戦略を把握することで購買部門は自部門の活動に協力してくれている、という雰囲気を作り出すこともできます。
購買部門は全社の多くの部門に影響を与える部門です。独りよがりのQCD評価ではなく、他部門に貢献するQCD評価を心がけるようにしています。

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