古屋淳二|虹霓社+虹ブックス

静岡・朝霧高原で小さく出版活動中。最新刊『土民生活流動体書簡集(一)バックレ可(笑)』…

古屋淳二|虹霓社+虹ブックス

静岡・朝霧高原で小さく出版活動中。最新刊『土民生活流動体書簡集(一)バックレ可(笑)』(土民生活流動体著/よしのももこ編)◎つげ義春公認グッズ ◎書籍:山口晃『ある水脈と石川三四郎』、高木護『放浪の唄ーある人生記録』、新居格『杉並区長日記』など、山の読書室/虹ブックス共同管理人。

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  • 朝霧高原で出版社やってます(旧「地方で出版社をつくる」)

    東京から朝霧高原に移住して、出版社も書店も未経験ながら出版社というものを試行錯誤しながらやっているお話し。

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    『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』

    虹霓社の新レーベル「NIJI BOOKS」より『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』(土民生活流動体著/よしのももこ編)を刊行します。全3巻予定。この作品は、今年1月に自主制作でリリースした小説『ジドウケシゴム』()が作家・山下澄人さんによるすごい紹介文のあと押しも受け、半年足らずで初版第1刷完売となったよしのももこさんの第2作。執筆開始から3年、待望の新作は書簡体小説か、はたまた島暮らしを綴ったノンフィクションか。独特なワードが舞う「よしのももこ的世界」をぜひ漂ってほしいです。 *   *   * ぐるぐる迷走していた首都での暮らしから〝バックレ〟て、家族とともに離れ小島へ流れ着いた「わたし」は、トットちゃんのトモエ学園、ルイス・ミショーのナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア、大杉栄の「鎖工場」、中島正の自給農業、石川三四郎の土民生活などを日々の生活に織り込み、都会では起こりようもない出来事に振り回されながら、徐々に〝生きている〟を取り戻していく。 「積極的にバックレたい。できてるフリをするよりできなさを体感したい。できないならできない者としての生活をガチでやりたい。都会がダメで田舎がすばらしいとかじゃない。自給自足がどうのこうのとかでもない。ただ、毎日の生活に読めなさを取り戻して、《生きている》のままならなさに日々驚いていたい!」(本文より) 目次や本文のチラ読みもできるので、リンク先の詳細をどうぞご覧ください。 https://note.com/kougeisha/n/n9a849a160a3f <よしのももこ第1小説『ジドウケシゴム』の商品ページ> https://kougeisha.theshop.jp/items/72093874
    1,600円
    虹霓社/コウゲイシャ
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    山口晃『ある水脈と石川三四郎』

    『ヘンリー・ソロー全日記』訳者・山口晃の初著作、思想家・石川三四郎を新たに読み解いた力作 幸徳秋水、大杉栄と並ぶアナキズム運動の先駆者の一人と称せられる石川三四郎。その石川が出会った〝ある水脈〟。田中正造、エドワード・カーペンター、ヘンリー・ソロー、椎名其二、中西悟堂、金子きみ、唐沢隆三…そしてエリゼ・ルクリュ。 『ヘンリー・ソロー全日記』や『コンコード川とメリマック川の一週間』(而立書房)、『ソロー日記』 春夏秋冬全4巻(彩流社)など、ソローの翻訳で知られる山口晃による初の書き下ろし。 石川三四郎を従来の「アナキズム」「社会主義」では括らず、「身体」「草鞋」「さすらい」「居場所」「裸」などのキーワードを軸に、石川が出会った人々を通して思想家ではない石川三四郎像を描く。石川論の新しい地平。 <サイズ:四六判、510頁> 【目次】 Ⅰ ある水脈との出会い  一 土民生活  二 保守 Ⅱ 水脈の傍らで  一味  原風景としての帆船  「妹の力」  斧吉と観音さま  二人の異邦人  モロッコの光と影のなかで  なりわいと椎名其二  武蔵野と中西悟堂  裸  歌集『草』出版のあとさき  『ディナミック』から『柳』へ  さすらいと居場所  泉をつなぐ地下水脈  思想でない、ある水脈 補記 踊りながら 補記Ⅱ 東洋の穏やかな呼吸―軽さとおおらかさ― 【著者プロフィール】 山口 晃 (ヤマグチ アキラ) 1945年、埼玉県本庄に生まれる。『木学舎便り 石川三四郎研究個人誌』(1997~2007年、全8巻)、『木菟庵便り Thoreauvian notes』(2012~18年、全10巻)、『月の便り ある水脈の傍らで』(2012年より、年2回刊行中)、いずれも個人誌。20年ほど前から、1日のうち3分の1は農作業、大工仕事をし、残りの時間はヘンリー・ソロー全日記を訳している。H・Sソルト『ヘンリー・ソローの暮らし』(風行社)、ソロー『コンコード川とメリマック川の一週間』(而立書房)、『ソロー日記』 春夏秋冬全4巻(彩流社)を訳してきた。 【版元からひと言】  石川三四郎といえばアナキストというのが一般的です。確かに「アナキスト」であることは間違いないのですが、でもそれだけではこの人物のほんの一部分しか表してないなとずっと思ってきました。2020年に復刊した石川三四郎の評伝『石川三四郎 魂の導師』の著者である大澤正道さんから、版元がなかなか見つからないという原稿を紹介されました。それがこの本の元となる原稿でした。  山口晃さんといえばヘンリー・ソローの翻訳ですが、私にとって山口さんは『木学舎便り 石川三四郎研究個人誌』の人でした。原稿を読んで感動しました。これこそ私が感じていた石川三四郎だ、と。石川三四郎は大逆事件後の日本を脱出して渡欧した際に職探しをするのですが、英語ができた石川は語学や教育関係の仕事ならすぐ見つかるはずでした。しかし、石川がある職にこだわったために難航します。その職とはサンダル(革草鞋)工場と農園。山口さんは、そこから見えてくる石川三四郎にこだわり続けたのです。だからこそ、これまでにない石川三四郎が見えてきた。ある水脈に出会った石川三四郎。それは特別な水脈ではなく、いつの時代でもどんな場所でも耳をすませば聞こえてくる水脈。山口晃も出会った。あなたにもその水脈に出会ってほしいと心から願っています。
    3,960円
    虹霓社/コウゲイシャ
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    つげ義春缶バッジNEW紅い花+ねじ式

    大人気「つげ義春缶バッジ」のサイズが大きくなってリニューアル! 新しい「紅い花」2種と「ねじ式」の全3種。 サイズはこれまでのサイズ(32mm)より大きくなった38mm。 Tシャツに。バッグに。 缶バッジを付ければ、そこはあっという間に「つげワールド」 【注】こちらの商品に台紙は付きません。 ・図柄:「ねじ式/少年」 ・サイズ:38mm(丸型) ・タイプ:フックピン <四角版リニューアル「ねじ式」缶バッジ(ねじ式ポスカ付)はこちら> https://kougeisha.theshop.jp/items/75132907 <旧版はこちら>*在庫が終わり次第、販売終了 https://kougeisha.theshop.jp/items/11797120 【発送につきまして】 ・当社は基本的にクリックポストにて配送するため、日時指定はできません。  *クリックポストのラベルには内容品を記載いたします。 ・プレゼント包装は承っておりません。 ・個人情報保護や経費削減により納品書は同梱いたしません。 どうぞご了承くださいませ。
    300円
    虹霓社/コウゲイシャ
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    『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』

    虹霓社の新レーベル「NIJI BOOKS」より『土民生活流動体書簡集(一) バックレ可(笑)』(土民生活流動体著/よしのももこ編)を刊行します。全3巻予定。この作品は、今年1月に自主制作でリリースした小説『ジドウケシゴム』()が作家・山下澄人さんによるすごい紹介文のあと押しも受け、半年足らずで初版第1刷完売となったよしのももこさんの第2作。執筆開始から3年、待望の新作は書簡体小説か、はたまた島暮らしを綴ったノンフィクションか。独特なワードが舞う「よしのももこ的世界」をぜひ漂ってほしいです。 *   *   * ぐるぐる迷走していた首都での暮らしから〝バックレ〟て、家族とともに離れ小島へ流れ着いた「わたし」は、トットちゃんのトモエ学園、ルイス・ミショーのナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア、大杉栄の「鎖工場」、中島正の自給農業、石川三四郎の土民生活などを日々の生活に織り込み、都会では起こりようもない出来事に振り回されながら、徐々に〝生きている〟を取り戻していく。 「積極的にバックレたい。できてるフリをするよりできなさを体感したい。できないならできない者としての生活をガチでやりたい。都会がダメで田舎がすばらしいとかじゃない。自給自足がどうのこうのとかでもない。ただ、毎日の生活に読めなさを取り戻して、《生きている》のままならなさに日々驚いていたい!」(本文より) 目次や本文のチラ読みもできるので、リンク先の詳細をどうぞご覧ください。 https://note.com/kougeisha/n/n9a849a160a3f <よしのももこ第1小説『ジドウケシゴム』の商品ページ> https://kougeisha.theshop.jp/items/72093874
    1,600円
    虹霓社/コウゲイシャ
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    山口晃『ある水脈と石川三四郎』

    『ヘンリー・ソロー全日記』訳者・山口晃の初著作、思想家・石川三四郎を新たに読み解いた力作 幸徳秋水、大杉栄と並ぶアナキズム運動の先駆者の一人と称せられる石川三四郎。その石川が出会った〝ある水脈〟。田中正造、エドワード・カーペンター、ヘンリー・ソロー、椎名其二、中西悟堂、金子きみ、唐沢隆三…そしてエリゼ・ルクリュ。 『ヘンリー・ソロー全日記』や『コンコード川とメリマック川の一週間』(而立書房)、『ソロー日記』 春夏秋冬全4巻(彩流社)など、ソローの翻訳で知られる山口晃による初の書き下ろし。 石川三四郎を従来の「アナキズム」「社会主義」では括らず、「身体」「草鞋」「さすらい」「居場所」「裸」などのキーワードを軸に、石川が出会った人々を通して思想家ではない石川三四郎像を描く。石川論の新しい地平。 <サイズ:四六判、510頁> 【目次】 Ⅰ ある水脈との出会い  一 土民生活  二 保守 Ⅱ 水脈の傍らで  一味  原風景としての帆船  「妹の力」  斧吉と観音さま  二人の異邦人  モロッコの光と影のなかで  なりわいと椎名其二  武蔵野と中西悟堂  裸  歌集『草』出版のあとさき  『ディナミック』から『柳』へ  さすらいと居場所  泉をつなぐ地下水脈  思想でない、ある水脈 補記 踊りながら 補記Ⅱ 東洋の穏やかな呼吸―軽さとおおらかさ― 【著者プロフィール】 山口 晃 (ヤマグチ アキラ) 1945年、埼玉県本庄に生まれる。『木学舎便り 石川三四郎研究個人誌』(1997~2007年、全8巻)、『木菟庵便り Thoreauvian notes』(2012~18年、全10巻)、『月の便り ある水脈の傍らで』(2012年より、年2回刊行中)、いずれも個人誌。20年ほど前から、1日のうち3分の1は農作業、大工仕事をし、残りの時間はヘンリー・ソロー全日記を訳している。H・Sソルト『ヘンリー・ソローの暮らし』(風行社)、ソロー『コンコード川とメリマック川の一週間』(而立書房)、『ソロー日記』 春夏秋冬全4巻(彩流社)を訳してきた。 【版元からひと言】  石川三四郎といえばアナキストというのが一般的です。確かに「アナキスト」であることは間違いないのですが、でもそれだけではこの人物のほんの一部分しか表してないなとずっと思ってきました。2020年に復刊した石川三四郎の評伝『石川三四郎 魂の導師』の著者である大澤正道さんから、版元がなかなか見つからないという原稿を紹介されました。それがこの本の元となる原稿でした。  山口晃さんといえばヘンリー・ソローの翻訳ですが、私にとって山口さんは『木学舎便り 石川三四郎研究個人誌』の人でした。原稿を読んで感動しました。これこそ私が感じていた石川三四郎だ、と。石川三四郎は大逆事件後の日本を脱出して渡欧した際に職探しをするのですが、英語ができた石川は語学や教育関係の仕事ならすぐ見つかるはずでした。しかし、石川がある職にこだわったために難航します。その職とはサンダル(革草鞋)工場と農園。山口さんは、そこから見えてくる石川三四郎にこだわり続けたのです。だからこそ、これまでにない石川三四郎が見えてきた。ある水脈に出会った石川三四郎。それは特別な水脈ではなく、いつの時代でもどんな場所でも耳をすませば聞こえてくる水脈。山口晃も出会った。あなたにもその水脈に出会ってほしいと心から願っています。
    3,960円
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    つげ義春缶バッジNEW紅い花+ねじ式

    大人気「つげ義春缶バッジ」のサイズが大きくなってリニューアル! 新しい「紅い花」2種と「ねじ式」の全3種。 サイズはこれまでのサイズ(32mm)より大きくなった38mm。 Tシャツに。バッグに。 缶バッジを付ければ、そこはあっという間に「つげワールド」 【注】こちらの商品に台紙は付きません。 ・図柄:「ねじ式/少年」 ・サイズ:38mm(丸型) ・タイプ:フックピン <四角版リニューアル「ねじ式」缶バッジ(ねじ式ポスカ付)はこちら> https://kougeisha.theshop.jp/items/75132907 <旧版はこちら>*在庫が終わり次第、販売終了 https://kougeisha.theshop.jp/items/11797120 【発送につきまして】 ・当社は基本的にクリックポストにて配送するため、日時指定はできません。  *クリックポストのラベルには内容品を記載いたします。 ・プレゼント包装は承っておりません。 ・個人情報保護や経費削減により納品書は同梱いたしません。 どうぞご了承くださいませ。
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        • 朝霧高原で出版社やってます(旧「地方で出版社をつくる」)
          10本

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          富士宮でついに一箱古本市が開催!! 出店者募集!(追記:出店者決定!)

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          【追悼】〈エッセイ〉新居格と「世界の村」のことなど/大澤正道

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          【note版】『杉並区長日記 地方自治の先駆者 新居格』

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          地方で出版社をつくる【其の七】新刊を出す

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          地方で出版社をつくる【番外編】山のなかに読書室をつくる

          昨年7月に「山の読書室/虹ブックス」という私設図書室+コワーキングスペースを夫婦で始めた。冬に入り、朝霧高原はあまりにも寒いので(だから夏は最高)、予約営業(事前に連絡くれたら開ける=暖房代の節約)にしていたところ、最近になってようやく暖かくなってきたので、この4月から通常営業を再開した。 そもそもこの場所は、いま流行り?の「本をコミニュケーションツールにした交流の場づくり」とかを全くメインにしてはいなくて(それはあくまで結果だというのがここ数年に地方暮らしをしてきた自分な

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          地方で出版社をつくる【其の六】復刊書籍の許諾を取る

          日本における著作権の保護期間は、著作者の死後70年と著作権法で定められている(2018年12月以前は50年間だったが改「悪」されてしまった)。だから、基本的に死後70年が経過している著作物ならば誰でも自由に復刊することが可能だ(逆に言えば70年も経たないと自由に復刊できないわけだが)。2018年に刊行した虹霓社初の出版物『杉並区長日記ー地方自治の先駆者・新居格』は著者の新居格が没後67年と(法改正前の)50年以上が経過していたため復刊が可能だった(とはいえ、元版の出版社には報

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          《ユートピア》に出会った男/海老原弘子

          『石川三四郎 魂の導師』を巡って、スペインのアナキズムがライフワークの海老原弘子さんにエッセイをご寄稿いただきました。(虹霓社編集部) スペインのアナキズムをライフワークとする私が石川三四郎に興味を持ったのは、スペインのアナキズムの源流「第一インターのアナキズム」の重要人物ルクリュ家と交流があったと聞いたからだ。亡命者として欧州に辿り着いた石川に支援の手を差し伸べたポールの父親は、著名なアナキスト地理学者エリゼ・ルクリュの兄エリーだった。歴史上は弟エリゼの圧倒的な知名度の陰

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          地方で出版社をつくる【其の五】版元ドットコムのこと

          久しぶりの更新になってしまった。さて今回は版元ドットコムのお話。 小さな出版社を始める人は、そもそも出版社など本に関わる仕事の経験があるケースが多いと思う。書店営業や流通の仕組みなど独特のルールはその世界にいないとなかなか理解が難しい。私自身、本や冊子自体の制作経験は少しばかりあったものの、出版社の営業経験もなければ、書店で働いた経験もないゆえ、そもそも基本的な仕組がわかっていなかった。「なかった」というか、未だにわからないことが多い(そういう意味からも『本屋読本』はとても勉

          地方で出版社をつくる【其の五】版元ドットコムのこと

          世界の杉並区ーわたしの文化設計/新居格

          以下の文は『杉並区長日記 地方自治の先駆者・新居格(にい・いたる』(虹霓社刊行)所収の「世界の杉並区ーわたしの文化設計」の全文です)。 世界の杉並区ーわたしの文化設計わたしは、わたしの住む杉並地区を、農業試験のつもりでいろいろの設計をしてみたいのである。だが、わたしは一人のユートピアンである。そうした夢の設計が、どの程度にまで実現するか、それともしないか、神様でないわたしには分からない。でも、わたしには夢みるものがあるのでなければ、わたしは区長なんかになっているのはいやだ。

          世界の杉並区ーわたしの文化設計/新居格

          地方で出版社をつくる【其の四】書店営業のこと

          今回は書店営業のことを書いてみたい。前回書いたように、書店に置いてもらうからには、きちんと書店に営業せねばならない。(書店営業以外も含めて)かなり頑張らねば、こんな小さな版元が出す少部数の本なぞ、そう簡単に書店に置いてもらえるわけがないのである。 本の刊行が決まったら、各書店から注文をもらうために「注文書」というものを版元が作る必要がある。見たことある方も多いと思う。わたしは取次から参考例を見せていただき、それをもとに、他社さんのも参考にしたりして作成した。 こんな感じのも

          地方で出版社をつくる【其の四】書店営業のこと