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Friendship is timeless.

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1999年二学期の始まりと共に、デンマークから1人の女の子が日本に訪れました

彼女の名前はヘンリエッテ。

日本に興味を持ち、わずか17歳という若さで1人単身やってきたのです。

夏休みが終わり、二学期が始まりと共に彼女は奈良県香芝市にある高校に留学します。

期間は1年間。

ここではどんなことが待っているのだろう。大きな期待が彼女を突き動かします。

同じクラスになった日本の高校生は、最初のうちは彼女とどのように接したらいいのかを考えていました。

なぜなら、彼女は日本語をほとんど話せないし、日本の高校生はほとんど英語を話せなかったからです。

しかし、ブロンドカラーの髪をなびかせる彼女に同世代の女の子たちは興味津々。

言葉の壁はあれど、笑顔のコミュニケーションですぐに仲良くなっていきました。

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彼女が入った部活動


留学して間も無く、彼女は自分の入るクラブを探すことになります。

いくつかの部活を見て回る中で、空手道部の稽古の風景を目にしました。

そこにいた1人の男の子が言います。

「君も僕たちと一緒に空手をしようよ!」

彼女は体操服のまま稽古に参加しました。

彼女はデンマークでフットボールをしていたのでキックが得意でした。クラブのみんなが良い蹴りだと褒めます。

こうして彼女は空手道部に所属することになりました。

初めて体験する空手は少し難しかったのですが、部活の仲間と片言の言葉を交わしながら一緒に練習をする日々がスタートしました。

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運動会、文化祭、そして沖縄への修学旅行

高校生活では、部活以外にも運動会や文化祭、そして彼女の想い出に強く残った修学旅行がありました。

沖縄の海は本当に美しくて、クラスメイトと共に幸せな時間を満喫しました。

3年生になりクラスメイトとバスに乗って神戸にも行きました。この頃はすでに彼女は日本語でのコミュニケーションができるようになっていました。

仲の良かった空手道部の仲間とは、お泊まり会をしてお好み焼きを作りました。彼女はそれをすごく美味しく感じました。

みんなで背伸びしてお酒を飲んだのはここだけのお話。

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いつの間にか、彼女には溢れるほどの想い出が出来ていました

しかし、それと共に別れの日が近づいてきます。

仲良くなったクラスメイトもそれを感じて、残りの時間を大切に過ごします。

日本最後の日、彼女の事を見送りに何人かのクラスメイトが伊丹空港へ見送りに集まりました。

この1年間、彼女は周りの人々とたくさんの写真を撮ってきましたが、この時も同じく1枚1枚を大切に残していきます。

彼女は涙が止まりません。

デンマークと日本はとても遠くにあって、そう簡単には会えないのです。

彼女は言葉にならない思いを胸に、コペンハーゲン行きの飛行機に乗り込みます。

飛行機の中で、この1年間の出来事が蘇って涙はとめどなく溢れ出るのでした。

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日本では三学期が終わり、彼女のクラスメイトたちは高校を卒業する日が来ます。

彼女は友達に卒業祝いのメッセージを書くことにしました。

けれど、ほとんどの日本語も忘れてしまっていたので、彼女の知り合いの日本人に頼んで日本語でメッセージを書きます。

卒業式が終わった最後のホームルームで、担任の先生が彼女のメッセージを生徒全員分をプリントアウトして届けます。

日本の生徒たちは彼女を思い返しました。半年前までは彼女が同じクラスにいた事を。そしてとても暖かい気持ちになるのです。

「ありがとう、ヘンリエッテ。。」

彼らは彼女の想い出と共に卒業しました。


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それから、数えきれないほどの月日が流れました

彼女は愛すべきボーイフレンドとの間に2人の子供が生まれ、今はノルウェーに住んでいます。

もちろん、日本のことは忘れていません。

ある日、彼女は仕事で日本に行くことが決まります。それを心から喜びました。

彼女は香芝高校の前に再び立った時、涙が溢れました。「私はたしかにこの場所で友達と過ごした。。」記憶を思い出していたのです。

けれど、かつてのクラスメイトはその場には誰もいません。この十数年間は誰ともメッセージのやりとりはしていませんでした。


彼女は国に帰って空手を再開します。改めて日本の事を大事に感じたからです。


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それから数年が過ぎたある日、彼女に一通のFacebookメッセージが届きます

「あなたはヘンリエッテですか?僕は香芝高校に通っていた岩田です。」

彼女は驚きました。

メッセージの送り主はもうずいぶんと昔に「君も僕たちと一緒に空手をしようよ!」と誘ってくれた日本の男性からでした。

彼は言います。

「僕はこの夏、デンマークに行きます。あなたに会いたいです!」

彼女は返事を返します。

「もちろん!私も会いたい!」と。


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2019年の夏も終わり近づいた頃、彼は彼女の住むノルウェーへとやってきました

彼は大人になっていましたが、たしかに見覚えがあります。

笑顔でハグをして彼を迎えました。

いくらかの会話をしてから彼女は伝えました。日本のみんなが、私のことを忘れてしまったとのではないかと。

しかし、彼はクラスメイトからのメッセージを持ってきていました。そこには「ヘンリエッテへ」と彼女に宛てた愛に溢れるメッセージが書いてあります。

彼女は嬉しくて涙がこぼれました。

彼はほとんど英語を話せなかったので、とてもシンプルな言葉で意思を交わします。

彼女が大切に保存していた、日本にいた時のたくさんの写真を見ながら昔を振り返ります。

夜遅くまでその時間は続きましたが、それは2人にとって、とても幸福な時間でした。


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久しぶりに一緒に空手をしよう!

彼は言いました。

「ヘンリエッテが今も空手をしているのが嬉しくて、僕も道着を持ってきたんだよ。久しぶりに一緒に空手をしよう!」

翌日、彼女がボーイフレンドといつも一緒に通っている道場に3人で訪れます。

彼女たちが空手の道着を一緒に着たのは、日本のクラブ以来です。

夢のような時間はあっという間に過ぎます。


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彼女と再び別れの時が訪れました

お互いに涙が溢れましたが、これは幸せの証です。

彼女たちはきっとまた会うでしょう。

大丈夫、20年という長い長い年月ですら、すぐに埋めることができたのですから。

未来が彼女たちを待っている。

2019年8月27日 ノルウェー🇳🇴オスロ空港にて



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