カメラと写真と灯台が言葉の通じないデンマーク人と僕をつないだ話
ルビャオ・クヌード灯台が80m先に移動すると教えてくれたデンマーク人の青年とは、始め並んで夕焼けを撮っていました。(前回のnoteより)
海の方へとだんだん落ちていく太陽を見ながら僕はつぶやいた。
「beautiful...」
そして、すぐさま彼は答えてくれた。
「Ya...○△◼︎×◉▼◇✖️…」
ちょまっ!全然アカン、まったく聞き取れへん。。
「Sorry! I can not speak English!」と伝えると、彼は微笑んでくれた。
僕たちはとてもわかりやすい英語で会話をしました
・名前と年齢、職業
彼の名はヴァルデマー。25歳。大学で生物研究の助手をしている。
僕の名はコウヘイ。36歳。東京にある会社で写真に携わっている。
・どこから来たのか
彼はデンマークのオールボー。
僕は日本の東京。
・どうしてここに来たのか
彼は灯台と星空の写真を撮りにきた。
僕も灯台と星空の写真を撮りにきた。
ここで一度、「おぉ!」となる。
・今日はどんなカメラを持ってきたのか
彼はCanonの一眼レフ70D。
僕はFUJIのコンデジXF10、GoPro、Theta、ドローン。
・普段どんな写真を撮っているのか
彼は自然、星空、爬虫類、そして彼女。
僕は自然、星空、友人、彼女はいない。
・今日いつまでここにいるのか
彼は星空をある程度撮れるまで。
僕は星空をある程度撮れるまで。
またここで「おぉぉ!」となる。
・そのあとはどうするのか
彼はもう一箇所、別の場所で星空を撮りに行く
僕はノルウェーにいる友人に会いに行くので船が出る街まで歩く
「車で送ろうか?」
ヴァルデマーが聞いてくれた。けれど僕は今宵、灯台間のナイトウォークをすると心に決めていた。正直、暗いし寒いし怖いしだったので、車で送ってもらおうと何度も迷ったけど、初志貫徹!
ヴァルデマーも空手家だった
彼とはすっかり仲良くなってたくさん会話をしました。とてもシンプルな英語と、時にGoogle翻訳を使いながら。
僕がノルウェーに会いに行くデンマーク人の友達とは、高校の頃に一緒に空手をしていて、今回再会したらまた一緒にするんだと伝えた。すると彼もまた空手をやっていると答えてくれました。
そして彼は以前にオーストラリアに留学していたことがあって、その時に日本人の女の子ハルカと一緒だったと言う。君はハルカのようには英語が話せないけど発音は綺麗だよ。なんて言ってくれた。
なんて良い奴なんだ。。
彼も数ヶ月前にノルウェーに行ってきたと話してくれました。
最後に僕は聞いた。
「明日の日曜日は何するの?」って。
そしたら彼は一言「Sleep」と笑いながら答えたので僕も一緒に笑った。
ヴァルデマーは蛇とカメラと彼女が好き。
いつのまにか辺りは真っ暗になっていた
しかも風も強く吹き始め寒くなってきた。僕はこの時のためにホグロフス原宿店で買ってきたウェアを着込みましたが、それでも僕が寒いと言っていると彼は灯台の横に移動しようと提案してくれました。
「星を撮るならそこがベストだし、風も防げるよ」って。これ僕が女性やったら間違いなく好きになってしまうパターン!笑
灯台の真横までヴァルデマーと一緒に移動
そこで夜空を見上げる。
すると肉眼でも天の川が見れました。
彼と一緒に感動しながらカメラをセットします。
長時間露光で何枚か写真を撮ったのち、僕は場所を移動して写真を撮ろうと考えました。ヴァルデマーにそれを伝えて広い場所で灯台の写真を撮ります。
さよならヴァルデマー
写真も撮れたので、そろそろヒアツハルスに向けて歩こうかと思い、ヴァルデマーに別れを告げようと彼を探しました。
が、辺りが暗すぎて彼がどこにいるかわかりません。僕たちが灯台横に移動した辺りにもいないので、どうしよう…とうろうろしていると彼のヘッドライトが僕を照らした。
「もう行くのかい?」
英語でそう言われた気がした。少し安心して、僕は彼の近くまで歩み寄りお礼を告げます。「短い時間だったけど、君がいてくれたおかげで今夜の撮影は本当に楽しかったよ」と。
僕たちの関係がここで終わるのも旅の思い出ですが、撮った写真をシェアしたいこともあって彼のFacebookを聞きました。
彼は「僕も聞きたかったんだ」と喜んでくれました。
ありがとうヴァルデマー。
そして僕は星空の下、一路ヒアツハルス港へと向かいました。(次回につづく)
こちらは後日、ヴァルデマーが送ってきてくれた彼の写真。
唯一、一緒に写ってい写真がこのnoteの最初に出てくる夕焼けシーンなのが残念!もっと一緒に撮っておけば良かった〜
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