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選挙のバイト

漏れ聞くところによれば、安部首相が衆議院を解散したとのことで、近近、選挙が行われるそうだ。
そして今回の解散が、大義がないと騒がれているらしい。

俺、よくわかんないんだけれども、そもそも解散に大義って必要なの?どう考えても必要ないと思うのは俺だけかね。

まあいいや。選挙。

学生時代に、選挙のバイトをしたことがある。この仕事、はっきり言ってすごく楽しかった。ほら、ゲームでもスポーツでも、誰かと競い合うのって楽しいでしょ。実際の選挙戦の現場は、沢山の人と金が入り乱れて、それはそれは毎日が愉快な修羅場だった。

最後の投票日には、ただのバイトの俺でさえ胸が高鳴ったものだ。

そして、いざ投開票が始まると、接戦でなければ、途中経過でだいたい受かるか落ちるかがわかるようで、「あ、コイツ落ちるな。」という空気が漂いだすと、人が一人、また一人と事務所から消えていき、最後には数える程しかいなくなってしまうのだ。そのいなくなったのは何処に行くかというと、別の候補者のところで「バンザーイ!」とやってるわけだ。
今頃、あの落ちた方は何をやってるのかと気になった俺は、寒い夜中、密かに見に行ったら、選挙事務所で奥さんと二人、無言でパイプ椅子なんかを片付けていた。その光景が、若かりし頃の俺には悲しすぎて、ただただ、遠くで立ち尽くすばかりだった。

#エッセイ #選挙

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