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転職後、雨の日の1日1善。

雨の中、傘をさしていつもよりも足元に気を付けながら歩いていると、道の真ん中にいたカタツムリが視界に入った。踏まないように飛びえた後に、一歩戻り、手に取って道路わきの石垣の上に踏まれないように移動させた。こういう行動は考えてではなく、無意識の動きだと思うのだけれど、小さな命を少しでも危険から遠ざけれてよかったと思った。

すぐに、昔雑誌で読んだサラリーマンを思い出した。毎日朝から晩まで仕事でヘトヘトになり、いつも余裕がなく、そんないつもの朝の通勤時に、ベビーカーを押した母親が階段で困っている姿を見たときに、素通りした自分に気が付き、身近で困っている人に手も差し伸べられないような自分、人生は嫌だと退職。そして独立したかフリーランスになって活躍している男性の記事だった。私も無意識のとっさの判断で、もし今も休みなしの長時間労働中だったら足元のちいさな命に気が付いただろうか。視界に入っても、足を止めてだろうか、と後で思った。

そんな朝の出来事が嬉しくて、同僚に報告すると「なめくじでも助けた?」と聞かれ、「助けてない・・・・。」

そんな会話をしているうちに、数日前に駅の改札でお金を拾い、駅員さんに届けて「ありがとう」と言われたが、そのことはすぐに、忘れてしまっていた。これも一日一善にカウントできるのではと今思ったけれど、私にとってはカタツムリを移動できたことの方がよほど嬉しかったのだなと思った。

私自身、自分に合わない長時間労働の仕事を続けたのちに退職し、起業セミナーにも入ったが、結局は再就職して、今の会社員に至る。
今の仕事は心身の負担が軽く、残業がないことを別にしても好きな仕事、得意な仕事に付けたので、同じ1日8時間だったとしても、気持ちも充実感も全く異なる。
転職して環境の変化により、私自身が変ってきていることの現れの一つがこの、カタツムリに気が付いて無意識に移動させたことだと思う。
もともと私は動物や植物が好きで、、ケガした鳥を拾って帰るような子供だったので、素の自分でいられているということかなと思った。


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