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夢の国で見つけた本当の自分 第13回 カツオ

ワカメさん、こんばんは。

先週はご体調を崩されていたようですが、大丈夫ですか?

目上の方にキツイこと言われると、けっこうメンタルにきますよね……。
でもOBの方になんて言われようとワカメさんはワカメさんの良いところが沢山ありますよ! それは間違いないです。好きな人やモノに一直線なところとか、すごく他人に献身的なところとか、負けず嫌いで頑張れるところとか! 僕、本当にすごいと思います! 
一歩ずつ頑張りましょう、なんて言える立場にないんですが、僕もがんばらなきゃですが……がんばりましょう!

そしてCさんはやっぱり僕と別れることに一直線だったように思えますよね。うーん、そう考えるとなんだかジメジメした長文LINE送ったことが相手に申し訳なく感じてきました。あっさり「ま、そんなもんか」って受け流したほうがいいんですね。冷静に分析してくださり、ありがとうございます!

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さて、いつまでお前は元カノの話するんだって感じですが、彼女と別れて気づいたことについて書きます。それは「自分は自分を平気でだます」ってことです。前も少し書きましたが。

お付き合いが上手くいかないとき、「悪いのは100%彼女」って僕は本気で思っていたんですよね。なぜなら彼女は「つまらなく」て「自分勝手」で「全部他人まかせ」だから。でもこれって自分のマイナス感情を正当化して責任転嫁するために、理由を無意識にでっち上げてたんですよ。だって冷静になって考えれば、自分にも非があるってまるわかりです。

そう考えると、人生の様々なところで僕は自分をだましてきたことに気づきました。自分が都合いいように自分をだまして、現実をねじ曲げて受け取ってきました。

なんだか、すごく不安になりました。僕は他人が何を思っているかわからなくて怖いときが多々あるのですが、自分の頭の中のことなら絶対的に信用できると思って生きてきたんです。
でも彼女と別れて、上に書いたように自分ですら全く信じられないと判明したんですよ。唯一の安全地帯だと思っていた自分の殻の中ですら、すきま風がピューピュー吹いていました。ショックです。正直、僕は自分で自分のことを客観的に観たうえで、謙虚にいられる人間だと思っていましたが、大間違いでした。結局、僕は感情と潜在意識の奴隷でした。

彼女と別れて僕は僕が信用できなくなりました。

でも、逆に彼女と付き合って見つけた完全に信じられる僕もいます。

それを見つけたのは元カノのCさんと訪れたディズニーシーでタワー・オブ・テラーに乗り終わった19時ごろのことです。僕とCさんはなかなか良い雰囲気になっていました。これが俗に言う吊り橋効果か、と思いました。その勢いにまかせて、でも恐る恐る、僕は彼女の手を握りました。血縁関係にない女性の皮膚に僕の身体器官が密着するのは、初めてのことでした。いや本当は初めてではないかもしれませんが、記憶の限りでは初めてでした。多幸感に包まれました。スキンシップってシンプルに素晴らしいな、と思いました。

その少し後です。僕の下半身が膨らみ始めました。

そのすぐ後です。僕の僕がビンビンになっていました。

「なにやってんだ、僕の僕ううう!!!」という心のなかの焦りと、手を繋いだだけで自分の身体が反応していることへの羞恥心で、手汗が止まりませんでした。手汗キモいと思われたらどうしよう、と考えだしたら、今度は全身から冷や汗が吹き出しました。

そして、お腹が痛くなりました。

彼女に断ってトイレに行き、個室に入りました。履いていたジーンズを下ろしました。僕はビンビンになった僕の僕と顔を合わせました。

そうです。このとき気づいたんですよ。自分の恋心は本当かどうか信じられないけど、性的欲求は完璧に信頼に値するって。

つまり、飛躍しすぎかもしれませんが、「今のところ」僕が考える恋心や付き合いたい気持ちの正体は「生殖したい」ですね。いやこんなの本当は認めたくないんです。でも今のところ僕の女性に対する恋愛感情?欲求?で信じられる純粋なモノが「性欲」しかありません。

マズローの欲求階層の下のほうはいつだって本物です。

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ただ今、僕は地元に帰省中です。ど田舎です。

僕が生まれ育った場所は、人が温かくて、綺麗な田園風景が広がる「地方」のイメージと違って、生々しい停滞感と閉塞感に覆われた、殺伐としている「地方」ですが、そんなところも引っくるめて、やっぱり地元愛は捨てられませんね。こんな僕でも将来はなんかしらのカタチで地元に貢献できたらなあ……。

それにしても実家の茶の間で僕は何を書いてるんだろうなあ……。親も近くで寝転んでるのに。

ワカメさんの新たな登場人物Nさんを中心とした四角関係のお話、すごく楽しみです。初回からワカメさんらしさを全開に感じました。好きになったらドンドン行くところや、ライバルに自分の気持ちを明かさず闘志をメラメラと燃やしているところが(笑)。
これからどうなっちゃうんだろう。

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