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本当の「おもしろさ」を誰も知らない 第15回 カツオ

ワカメさん、こんにちは。

カツオです。

いきなりですが、僕は不快です。

前回の日記の前半で「2年前、恋人がいたにもかかわらず、身体だけの関係の人もいた」と書いていらっしゃいましたね。

なんなんすか、それ。

ワカメさんは自分で「都合のいい女」を名乗ってるくせに、逆に男を都合よく扱ってるじゃないですか。「今となってすごく良い思い出」じゃないですよ。過去を美化しないでください。そのとき付き合ってた彼氏の気持ちを考えたことはありますか? 自分のしたことを改めて考えたことはありますか?

なにが一番気にくわないって、カンボジアに都合よく扱われてあれだけクヨクヨ悩んでいたワカメさんが、自分が同じようなこと、いや、もっとタチが悪いことをして、まるでおっしゃれ〜な思い出のように語ってることですよ。ワカメさんがカンボジアに遊ばれて悩んでいるって言うから、どうすればいいか、助言を必死に考えていた僕の時間を返してくれませんか? 「自分がされて嫌なことは他人にもしてはいけない」って小さいころ習いませんでしたか?  ワカメさんがそういうことを平気でしてしまう女性ならば、男性に都合よく扱われて当たり前ですよ。

あとイケメンと浮気して映画のシーンみたいなプレイしてたって、何の自慢にもなんねえから。そのイケメンからしたら、ワカメさんはただの「数ある遊び相手のなかの1人」だから。そんなの聞かされても俺の竿はピクリとも動かねえから。

恋愛欲は自分を愛してくれる彼氏で満たし、肉体欲はイケメンで満たす。そして、どっちも飽きたらポイ捨て。血も涙も良心のカケラもない悪魔のような女性ですね、ワカメさんは。

でもね、本当のことを言うと、僕は前回のワカメさんの日記を読んでキュンとしちゃいましたよ。自己矛盾、一般的な善悪などを覆い尽くしてしまうほど大きい感情や本能をお持ちになっている。なんて人として美しいんでしょう。ワカメさんって生きてるなあ、と思いました。

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さて、僕は苦悩している部分が色気として出ていないから、ただの童貞なんだ、ということでした。でも言い訳させていただくと、まず僕はそこまで苦悩してないですよ。ちょっとした欲求不満みたいなもので、本当の苦悩はもっとエグいもんだと思います。僕から言わせれば苦悩してる風で色気を出しちゃうような人はイケてないですよ。ただのファッション苦悩ですよ。それに騙されちゃうような女の子もイケてない。

でもポジティブで正直な童貞のほうが好感がもてるっていうお言葉にはグウの音もでません。その通りです。つまりクヨクヨしてるだけの僕は「つまらない」んですよね。もっとおもしろい男になれば、童貞も卒業できるし、世の中も上手く渡っていけるはず。

そこで今日は「おもしろい人とはどんな人か」について考えました。


ちょうど水野敬也さんの『ウケる技術』を買ったのでよい機会です。先週の金曜日、アルバイト先の社長の方から「てめーはクソつまらねえどうしようもないクソ野郎だから、『ウケる技術』読んどけ!」という意を非常に優しい表現にしたお言葉をいただいたから購入したんです。

たしかにこの本、ウケそうな技術がケーススタディ方式でわかりやすくびっしり書いてあります。これを読んで、実践すれば僕も多くの人におもしろがってもらえるかもしれません。

でもやっぱり納得できないです。

「おもしろい」って「やり手」と「受け手」がいて始めて生じるものですよね。

そう考えるとまず、この手のマニュアル化された「バカ」で笑っちゃう人がつまらないと思います。受け手としてつまらないんですよ。マス向けに仕組まれた「バカ」に気づけずに、前提として何も考えずに笑っている。資本主義社会の縮図ですよ。同じように、すぐに何かの対象に対して「つまらない」とか「興味ない」とか言う人って多いですけど、対象を解釈する側の自分のレベルが低いとは考えないんでしょうか? 世の中、「お客様は神様」思想が浸透しすぎなんですよ。本当はどんなことでも提供する側と受け取る側は平等だと思うんですよ。対象がつまらないと思うなら、受け手の自分も等しくつまらないんですよ。つまり、僕をつまらないと思う人は僕と同じくらい、つまらないです。

それでこの「ウケる技術」を実践する人は本当に面白いといえるのか? 僕はそうは思えません。個人的に「真面目にバカ」やってる時点で超つまらない!! バカの背後に真面目が見えちゃったら、もう痛々しくて目も向けられません。超真面目にバカやって本当に面白いのは、日常生活のなかじゃなくて舞台装置の上だけなんじゃないかな。

だいたいね、なんでこんな自分でもツッコミどころ満載ってわかるような屁理屈を必死に書いてるかって、世の中、真面目にバカやってるやつがチヤホヤされすぎて僕はすごく嫉妬してるんですよ。
真面目にバカやってるやつがチヤホヤされるなら、バカみてーに真面目やってる僕だって同じくらいチヤホヤされたっていいじゃねえか! クソっ! 俺だってチヤホヤされたい!!

だから、僕はね、真面目にバカやって面白い人間になって童貞卒業しようなんて思わないし、意図的に変わってなんかやらないし、愚直に真面目に足元見ながらのろのろ進んでいくだけですよ。歩いていくなかで偶然ぶつかる女性が現れるまで、もう童貞のままでいいですよ。

ニーチェももロベスピエールもニュートンもみんな死ぬまで童貞だったんです。童貞だって教科書に乗れるんです、有名になれるんです。だから僕もその可能性を秘めながら、このまま生きていくだけです。

(ちなみにニーチェは死ぬまで童貞だったけれど、晩年には風俗に行きまくってたらしいです。現実的な策として僕も風俗で性的欲求だけ満たしながら生きていくのはアリだな、と本気で思いました。)


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