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音声コンテンツ(Podcast)の最適解を見つけた、かもしれない。

どうも、株式会社リチカでコンテンツ制作をしている糸山です。

普段は動画制作をしていますが、社長である松尾さんの一言をキッカケに音声コンテンツを研究することになりました。

「Podcast用のコンテンツ作りたいんだけど、ちょっと調べてみて。」

今まで音声コンテンツにあまり触れてこなかった僕は、そこからPodcast番組を聴き漁り、人気番組の共通点をまとめ始めました。

Podcastに最適化されたコンテンツとは?の答えを探したのです。

これは、僕が導き出したその答えを記したnoteです。

音声コンテンツにチャレンジしようという方の参考になれば幸いです。

僕がお伝えしたいことは次の1点に集約されます。

リピーターの確保に全力投球せよ


それでは、今から以下の項目をお伝えしていきます。

- リピーターを確保する方法
- コンテンツの構成
- 収録時のポイント
- コンテンツ編集のポイント

それでは少し長くなるかと思いますが、お付き合いください。

リピーターを確保する3つの施策

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YouTubeやTikTokは、投稿した動画がアルゴリズムに気に入ってもらえると、オススメとして他の動画の関連動画欄に表示されます。↓

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しかし、Podcastでは自分が投稿したエピソードが他の投稿者のエピソードの関連に掲載されるということはありません。↓

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※トップページに「視聴履歴に基づいたおすすめ」は表示されますが、エピソードではなく番組ページ(YouTubeで言うところのチャンネルページ)が表示されるので1つのエピソードがバズるということはありません。

そうなってくると再生回数を増やすためには、一度再生してくれた方にもう一度聴きに来てもらう、つまりリピーターになってもらう必要があります。

バズが起きにくい環境下では、リピーターの確保が超重要なのです。

僕はリピーターになってもらうための施策として、次の3つの施策が有効であると考えました。

①タイトルで釣らない
②次回予告を入れる
③本題からそれる話はバッサリカット

一つずつ見ていきましょう。


ーーー ①タイトルで釣らない ーーー

リスナーはどんなコンテンツだったら、もう一度聴きたいと思うでしょうか?
答えは単純、「満足できるコンテンツ」です。

聴いてよかった〜と満足してもらえれば、また聴きに来てくれます。
これを理解した上で、タイトルで釣る危険性について話していきましょう。

タイトルで釣るとは、コンテンツを試聴する前から期待値を上げるという行為です。
期待値を上げすぎてしまうと、リスナーを満足させるハードルが上がります。
満足度 ≧ 期待値を成り立たせないといけないので、期待値を上げると痛い目をみます。

せっかく作ったコンテンツを一人でも多くの人に届けたい(聴いてもらいたい)という気持ちはわかります、とても。
ですが、引きが強過ぎるタイトルを付けたところで、リピーターになってもらえず中長期的に損をするだけに終わります。(そのエピソードだけは再生数が増えるという短期的なメリットはありますが)

好きな人の前で見栄を張る。
頑張って付き合うことができても、見えを張っていたのがバレてガッカリされる。まさにそんな感じです。

ということで、タイトルで釣るのは、ダメ、絶対。


ーーー ②次回予告を入れる ーーー

どんどん、いきましょう。
次は「次回予告を入れる」という点です。

ドラマやアニメで良く見る次回予告。
この次回予告は、次のエピソードも見てもらうことが目的です。

これらの次回予告は、次のエピソードでどんな展開になるのか、核心には触れないように「気になるー!」と思わせる内容になっています。

(半沢直樹の次回予告を見て、早く来週にならないかとウズウズしたのは僕だけではないはず...)

Podcastでも次のエピソードを聴いてもらうために、次回予告を入れることが効果的です。

次回のエピソードの収録が出来ていない場合は、次に話すテーマを伝えましょう。

テーマだけでなく、できるだけ具体的などんな話の内容を話すのかまで伝えると更に効果は増すでしょう。

「次回は、〇〇というイベントに参加して得た学びをお伺いしていきます。」

というよりも

「次回は〇〇というイベントに参加して得た学びをお伺いしていきます。
成功には圧倒的行動力が必要な理由やイベント登壇者がとった驚くべき行動について話していきます。」

と言われたほうが、気になりますよね。

次のエピソードも聴きたいと思ったリスナーはフォローをしてくれ、リピーターになってくれるでしょう。


ーーー③本題からそれる話はバッサリカットーーー
(特にビジネス関連の内容だと)

ビジネスマンはとても忙しいです。

特にPodcastなどの音声メディアから情報をインプットしようとしている方々は、移動中や作業など「ながら」で聴いていることがほとんどです。

時間を有効活用しようとして、耳からのインプットを行っているのに、まったくどうでもいい配信者の日常をだらだら話されては「なんだこれ、時間の無駄だ!」と思われてしまいます。

なので、有益な情報以外の雑談などはバッサリカットしましょう。
どうでもいい情報をだらだら垂れ流しては、リスナーに満足してもらえずリピーターには繋がりません。


コンテンツの構成

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Podcastを収録しようと、何も考えずにとりあえずテーマだけ決めてマイクの前に座り収録を開始する。

皆さん、最初はそうでしょう。
でもこれを読んでいるあなたは、やめてください。

以下の構成を真似すればOKです。

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多くの番組を聴くとほとんどがこの流れで進行していっていることに気づくでしょう。

初めて聴いてくださったリスナーでもどんな番組かわかるように、自己紹介や番組紹介を入れてください。

この構成にするだけで、ラジオ感が出てしっかりした番組なんだとリスナーに思ってもらえますよ。


収録時のポイント

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次に収録する際のポイントをお伝えします。

ポイントは3つありますので、一つずつ紹介していきますね。

①ガバニング
②テーマへ戻す役割
③前回のおさらい


ーーー①ガバニングーーー

1つ目は、ガバニングについてです。
ガバニングとは、伝えたいポイントが3つあるときに、先に「ポイントは3つ」と宣言してから紹介しはじめることです。

まさに僕がさっき書いた文章です。

ポイントは3つありますので、一つずつ紹介していきますね。

このガバニングがあることによってリスナーは、「あっ、3つあるんだな」と話を聴く準備をすることができます。

このガバニングがないと、いつまで話が続くのだろうという不安を持たせることもあるので、ガバニングは意識して使っていきましょう。

Podcastは、YouTubeなどの動画メディアとは異なり、耳だけで情報をインプットしなければならないため、動画メディアに比べこのようなテクニックの重要性は高くなってきます。


ーーー②テーマへ戻す役割ーーー

複数人で収録をする際は、トークテーマへ戻す役割の人を決めましょう。

ラジオを複数人で収録をしていると、話が盛り上がったりしてトークテーマからずれていくことがあります。

優秀なMCはトークテーマのズレを察知し、元のテーマに戻す役割を果たします。

トークテーマが気になって聞いてくれているリスナーにとって、テーマとは大きく異る話は的外れです。

ひとつのエピソードであれやこれやと多くのテーマについて行ったり来たり話しているとエピソードとしての完成度が下がってしまいます。


ーーー③前回のおさらいーーー

ひとつのエピソードだけでは完結せずに、複数のエピソードにまたがっては話をしていくこともあるでしょう。

大人気ラジオ「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」でもよく複数回に渡って同じトークテーマで話されています。

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このような場合、前回のおさらいから入るようにしましょう。
具体的には「番組紹介」の後に前回のおさらいを入れるといいでしょう。

複数回のエピソードの途中から聴き始めるリスナーもいます。
その方に向けてなぜこのテーマなのか?前回どの話を終わったのか、を伝えることによってそのエピソードに対する理解度が増します。

また、前回のどんな話をしたかを伝えることによって、前回のエピソードも聴いてみようと思ってもらう効果も期待できます。


意外なコンテンツ編集のポイント

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音声メディアにあまり触れて来なかった僕は、勝手に以下のイメージを持っていました。

・無駄な間はカットされてる(ジェットカット)
・「えー」「あー」などはカットされている
・音でしか情報を伝えることが出来ないのでBGMの重要性は高い

しかし、意外にも多くの番組をリサーチしていくと上記のイメージは崩れ去っていきました。

ここでは、収録を終えた音声を編集する際のポイントをお伝えします。

以下の3つの項目を一つずつ見ていきましょう。

① 間について
② フィラーについて
③ BGMやジングルについて


ーーー ①間について ーーー

YouTubeの編集を長年やっていた僕は、音声メディアもジェットカット(間が出来ないように細かくカットする手法)が行われていると思っていました。

しかし、それは間違いでした。

ジェットカットがNGな理由は次の2つです。

・聞き心地が悪い
・理解が追いつかない

まず、「聞き心地が悪い」について。

ジェットカットは言葉がぶつ切りになり、カットしている感が丸出し、聞き心地が悪くなります。

情報が音しかない分、耳に神経を集中させるため動画で見るときに比べて、音の良い悪いは目立ちやすくなります。

間をカットするのはOKですが、ジェットカットは控えましょう。
2秒以上の間は、間延び感がでるので、1秒くらいを意識するといいかもです。

次に、「理解が追いつかない」という点について。

YouTubeなどの動画メディアの場合は、ジェットカットしたとしても字幕などを表示し、視覚と聴覚で理解できますが、音声メディアの場合は聴覚だけで理解をしなければいけません。

そうなると、目と耳の2つの器官を使うときに比べ、内容を理解するのに時間がかかります。

なので、リスナーにゆとりをもたせてあげましょう。

間には「理解の間」と「引き付けの間」があります。

理解の間とは、リスナーが話を理解するためにセンテンスの間に挟む間のことです。

そして、引き付けの間とは、リスナーの注意や関心を引いて大切なワードを伝える前に挟む間のことを指します。

この2つの間を意識して、カット作業を進めていきましょう。
両者の間は、1秒ほど取ればOKです。


ーーー ② フィラーについて ーーー

フィラーという言葉をご存知でしょうか?
フィラーは穴を埋める、隙間を埋めるといった意味です。
ここでは間を埋めようとするとき声に出る「えー」や「あー」をフィラーだと思ってください。

これカットするべきだと思ってたんですが、ほとんどの番組で「えー」とか「あー」ってカットされてないんですよね。驚きました。

これに加えて、結構相槌が多いかったり、笑いながら収録しラフな雰囲気が伝わってくる番組が多いことから、次のような結論に至りました。

リスナーに親近感をもってもらうために、フィラーはカットしない。

ラジオを聞いていると、あたかも自分も配信者と同じ部屋にいるかのように感じることがあります。
なんだか「人間っぽさ」や「近さ」、「リアルさ」を感じるんです。

これは音声メディアの特徴なのかなと考えています。
リスナーとの距離の近さ。

少し話はそれますが、

テレビやラジオが普及してから
テレビはリビングでみんなで見るもの。
ラジオは自分の部屋でひとりで聴くもの。
とされています。

だから、
テレビでは「テレビの前の皆さん」
ラジオでは「ラジオの前のあなた」
と使い分けられている。

皆さんと呼ばれるより、あなたと言われた方が親近感が湧きますよね。

あと、奈良県でラジオのMCをしている知り合いからこんなことを教えてもらいました。

マイクから口の距離が、リスナーの耳から音までの距離になる。

マイクに口を近づけて話すと、リスナーは耳元で話しをされているように感じて、親近感を覚えるらしいです。

すみません、ちょっとフィラーから話がそれました。

親近感を出すためにフィラーは残しましょう!というお話でした。
(あまりにもフィラーが多かったら適度にカットしてください)


ーーー③ BGMやジングルについてーーー

音声メディアでは音だけを使い情報を届ける。

だから、BGMの重要性は高いだろうと思っていましたが、これまた意外。BGMが挿入されていない番組も結構あったのです。

あくまでメインはトークの内容であって、BGMを気にして聞いているリスナーはいないのでしょう。

なので、BGMはあったらいいけど、なくてもOKです。

続いて、ジングルについて。
ジングルとは場面の切り替わりの際に使われる短尺の音源のことです。

これはBGMとは対照的に重要度は高いと考えています。
動画と違って場面の切り替わりがわかりづらいため、テーマが切り替わる際などはジングルを挿入して場面の切り替わりをはっきりさせましょう。

おすすめは、今日のトークテーマに入る直前とトークテーマが終わった直後です。

まとめ

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では、ここまでをまとめていきます。

音声メディアではバズが発生しにくいのでリピーターの確保が重要であるため、次の3つの施策を行うと良い。
・タイトルで釣らない
・次回予告を入れる
・本題からそれる話はばっさりカットする

コンテンツの構成は以下を真似する。
1 OPジングル(タイトルコール)
2 あいさつ 
3 自己紹介
4 番組紹介
5 テーマ紹介
6 本題
7 次回予告
8 ED


収録の際のポイントは以下の3点。
・ガバニングを活用する
・テーマへ戻す役割を決める
・複数回にテーマがまたがる場合は前回のおさらいを入れる

コンテンツ編集の際のポイントは3点。
・ジェットカットNG、間は「理解の間」と「引き付けの間」を意識し1秒ほど取る
・フィラーは親近感を出すためにカットしない
・BGMの重要性は低いが、場面の切り替わりをはっきりさせるジングルは挿入しよう


Podcastを研究してみて、改めてプラットフォームごとに最適化したコンテンツを作っていく必要性を感じました。

昔はメディアといえば、テレビ、ラジオ、新聞でした。
現代はどうでしょうか?
YouTube、Podcast、NewsPicks、、、もう上げれば切りがないですよね。

コンテンツの配信先が増えていく中、僕たちに求められるのは配信先に合わせてコンテンツを作ること。

「とりあえず作る」ではコンテンツは消費者に届きません。


では、最後にもう一度言っておきます。

「リピーター確保に全力投球せよ。」

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いかがでしたでしょうか?
少しでもお役に立てる内容になっていたら嬉しいです。

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