ファイナリストの苦悩 前編

ぼちぼちほとぼりも冷めてきた頃かと判断しましたので
ここらで書いておこうかと思いますが、
第56回宣伝会議賞でファイナリストに選出いただいておりました。
とまあ、上記のような報告の仕方でピンとくる方もいるかもしれませんが、
結果的に受賞はなりませんでした。皆まで言わすなや。

2年前、第54回で協賛企業賞をもらった時は、「今度は贈賞式で胸元につける花を黄色から赤にするぞ」とアホみたいな顔して意気込んでいたけれど、花の色を赤くするだけでは全然ダメだった。やはり受賞するとしないとでは雲泥の差。

自分がその境遇になる前から薄々感づいてはいたけど、「ファイナリスト止まり」の扱いはまあとにかく悪い。これは、ファイナリスト止まり業界ではよく言われることであるようだ。50万本の中から奇跡的な確率でわずか30本程度の中に入れたはずが、受賞できないとわかった瞬間は、まるでM-1の決勝でスベったお笑いコンビのような気分を味わった。いや、もちろん想像だけど。

当然賞金は出ない。選ばれた嬉しさを爆発させたコメントもどこにも載せてもらえない。そのコピーのどこがよくてここまで残れたのか、また何がダメで受賞を逃したのか、その理由も教えてもらえない(ま、それはそうだろうけど)。SKATでもけっこう雑にまとめられる。あまりに不憫すぎる。かわいそう。いっそファイナリスト止まり組合を作って事務局に待遇改善を求めて表参道をデモ行進したろか。

何年も応募し続けてようやく初めて念願のファイナリストになれたというのに、蓋を開けてみたらゴールのつもりがスタートだった、みたいな、まさにJ-WALKの『何も言えなくて・・・夏』状態(古いな)。
なんならちょっとくらい褒められるつもりで贈賞式に行ったのに、逆に「もっと頑張れ」と叱咤激励されたような。
心のどこかで、もし何かしら賞を受賞できたらこの際卒業してもいいかなと思っていたけど、協賛企業のお土産と一緒に「このままで終われるかボケ」という感情までもらって帰ってきた。

とはいえ、次にまたファイナリストに残れるのは一体いつだろう。10年後か、はたまた20年後か。何度もファイナリストに選ばれるような常連さんならいざ知らず、たまたま今回ラッキーで拾われた自分のような人間は、賞を獲れるうちに獲っておかないと、次いつそのチャンスをモノにできるか想像もつかない。あ、なんだか頭が痛くなってきた。と言ってもまあ、結局は自分のペースでやっていくしかないんだけど。

(タイトルにあえて「前編」とつけた。そのうち後編を書こうと思う。この件に関して、もう少しだけ言いたいことがある。よかったらお付き合いください。)


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