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広告振り返り:~3月総括編~


・3月の広告のあらすじ

・ポケモンをパクった広告が激増

 ハンターのマジックやキノコ伝説、カリツの伝説などが相次いでポケモンのパクりに着手。むしろパルワールド側をパクったのではないかという雰囲気も強まっている昨今、お手軽に、かつスピーディに話題を獲得する手法としてポケモンパクりが強いのは2021年のエバーテイルの時代からの定番であるが、その時期に比べると随分ポケモン本編に寄せてきたものである。
 確かエバーテイルの時代は「トレーナー」「モンスターボール」という表現を使っていた事を咎められたのか広告の放映中から「ブリーダー」「キャプチャーボール」という表現に差し替えられたバージョンが放映されるような事件もあったが、最近のポケモンパロディはあくまでモンスター側だけに留めているのがミソ。人間とモンスターが主従関係に無く、捕獲にボールを使わないとポケモン側もツッコミに行きづらいのかもしれない。まあ本気になれば、行けるのかもしれませんけど。 
 実際モンスターを使役するというだけならデジモンとか、ドラクエモンスターズとか、ドラゴンドライブとか、レジェンズ甦る竜王伝説とか、自分が知ってるだけでこれくらいあるんだから、色々他にもポケモンフォロワーはいると思います。その中で昨今のポケモンパクりが問題視されているのは、あまりにも意匠が似通い過ぎている悪質さがあるんでしょうね。

・有名人偽装投資広告への取り締まりが強化

 有名人が謎の投資商材をオススメする広告が、前澤友作の大号令によって取り締まりが強化。実際良くない広告なので、ちゃんと取り締まっていくべきでしょう。これは広告と言う普通に詐欺ですからね。
 詐欺広告を撲滅しよう! と言いつつも中々撲滅出来ないのは結局現代社会が深く広告に依存している所にも問題があるし、何だかんだ広告をちゃんと取り締まるための人も足りないし、世の人は結局広告をブロックしたりプレミアム会員になったりしてまともに広告を見ないんでしょ。どこまで取り締まれるもんなんでしょうね。

・ルーキー級の注目タイトル

・ハンターのマジック

 ミーム山盛り、無断利用もハリーポッターにポケモンと代表的な所を持って来て、雑なドット勇者ブームへの乗っかりもこなす。タイプとしては2022年に登場したスーパーウィザードの2024年版と言ったところか。
 こういうラフプレイ系の広告も最近は減ってきたが、時にはこういう広告が現れるのも広告界隈の風物詩である。最近のロジカルな悪い広告に対して、直球のダメな広告というのはこれだと見せてくれました。

・Land Arcana ふしぎの大陸

 ランドアルカナは仮面ライダーというビッグタイトルとコラボしたのも注目点だが、それ以上にこれ以外の広告が時計物語:リセットからの使い回し、過去の広告の使い回しをメインに100万ダウンロード達成まで行ったのは驚くべき実績だろう。
 あくまで100万ダウンロードも大本営発表なので実はウソである可能性もあるが、それにしても過去ゲームからの広告使い回しが有用だと証明されてしまったのではないか。実際ある程度広告を見てないと使い回しかどうかを識別するのは困難なので、真面目に広告を見ていない現代社会の隙を見事に突いたと言えるでしょう。

・東京戦国ダンジョン

 最近ではガチャの多さで勝負するような風潮も緩やかになってきた印象があるが、東京戦国ダンジョンは無料でガチャが無限に引けるという告知でこの戦いを終わらせに来た。
 キノコ伝説の3000連ガチャ、マニアックなところではワンちゃんごちゃごちゃ大戦争の9999回ガチャ、トワツガイの総計100億連ガチャもあったし、荒野行動は無限ガチャを自称していたのだが、さすがに無料で無限に引けることを宣言したのはこれが初でしょう。無料で無限というラインを超えるためには、いよいよ「10連ガチャを引くたびに3000円もらえる!」みたいな珍妙なキャンペーンでないと勝負になりません。
 それにしても東京戦国ダンジョン自体は面白いんですかね。多分この広告を話題にしているのが自分だけだから、それ以外の内情が分からん。

・キノコ伝説

 2024年、キノコ伝説の勢いが止まりません。キノキノも遊ばない! が流行ったのを見てか、「キノキノは遊ばない」という実質的な続編をリリースして攻勢を継続してきた。
 しかもコロコロコミックに進出したり、カラオケでテーマソングである「キノコ勇者」が歌えるようになったり、もちろん売上もセルラン上位を維持していたりと、2024年はキノキノの年と言って良いだけの実績を着々と積み上げております。目指せ紅白歌合戦!

・ミドル級の注目タイトル

・DOPA!オリパ

 今の広告で新しい表現があるもんだってビックリするのは割とオリパ広告なんですよね。素体って初めて聞いたなあと思ったら、PSA鑑定されていないそのままのカードを素体と言うらしいです。普通にカードゲームを遊んでいたら全部素体だろうがよ!
 この辺はカード投資界隈独自の雰囲気を感じられて良いんですよね。パチンコ系の広告もどんどん表現が研ぎ澄まされているし、小数だと見栄えが悪いからって分数で確率を書いたり、名前で何がどれだけ当たるかを分かりづらくしたり、
 カードゲームを遊んでいる方は一度しっかり見てみると、その辺の文化の違いを楽しめると思います。

・PROQuantumAI

 いわゆる投資詐欺広告勢がXに本格的進出。facebookの広告もたくさんあり、2023年9月に話題になってから半年間ずっと姿は見かけていた問題児です。
 いよいよ国が取り締まるというフェイズに入ってきた辺りを見ると間違いなく2024年も話題になり続けると思うんだけど、果たしてどうなるんでしょうね。この辺の広告の首謀者が見つかる所まで行くのでしょうか。
 悪質広告に関しては以下のnoteもどうぞ。

・ライト級の注目タイトル

・サントリー生ビール

 サントリー生ビールのCM、すげえ面白いんですよね。生ビールの広告ってどうしても仕事終わりに飲み会で~みたいなノリになりがちな所を、こういう音MAD的な仕立て方にしているのは独自性があって面白いです。
 特に山寺宏一と沢城みゆきのボイスをここまで商業的な場で自由に使っているのは感嘆しますね。

・ローソン

 小島よしお、なかやまきんに君という広告界隈最強芸人を惜しみなく使っているのが良いですね。一緒に出演している芸人が高木ひとみ〇という所にもセンスを感じるし、芸人採用系広告では一番面白いと思います。
 この中で誰か一人を起用するだけでも広告として成立するとは思うんだけども、この3人を取り合わせた所に素晴らしいセンスを感じる。高木ひとみ〇をこの二人の間に挟もうって発想は、ちゃんと良い広告を作ろうと言う意識が無いと出てこないと思いますよ。
 今後にも期待したいです。

・New balance

 自分がこれまで見てきた大谷翔平を起用した広告の中では、最も大谷翔平を効果的に表現している映像だと思いました。大衆が思う「質実剛健な大谷翔平」像を見事に15秒でまとめている。
 だらだらと長い広告にせず、必要以上のメッセージも入れず、かといって商品紹介のボリュームが少ないという事も無い。まさに完成した引き算の広告であり、それが大谷翔平という人物のブランドイメージをより高めているのだ。
 こういうのが広告賞を取るべきなんじゃねえかなあ。

・崩壊3rd

 キャラクターを紹介するPVをそのまま広告として放映するのは最近も多いんだけど、これは特にカッコいいですね。ゲームならでは、フィクションならではのカメラワーク、描写を高クオリティにやってくれている。
 映像の緩急と言い見せ方と言い本当にカッコいいんですよね。こういう広告はパニグレが一番良いと思っていたんだけども、崩壊3rdも演出のレベルがさらに高まったなあと感動しています。

・マスター級の注目タイトル

・勝利の女神:NIKKE

 NIKKEの広告の凄い所は、6秒広告のクオリティが安定して高いんだよなあと広告をまとめていて気付きました。
 6秒広告とは一歩間違えるとつまらない、映像が短いから何を言いたいのか分からない、飛ばせないからクソの掃き溜めになるというデメリットを備えているんだけども、NIKKEのキラーワイフの広告はキャラの個性、声優名、ゲーム内の映像と全部詰め込んでいるんですよね。6秒と言う短い時間でいかに印象に残せるかという所をよく研究した傑作広告だと思います。
 芸能人に企業名を言わせて笑わせておけば6秒広告の完成ってワケじゃねえんだぞ! と強く主張しているような内容でした。皆見ろ。

・2024年3月のMVP

 2024年3月のMVPはキノコ伝説です。
 売り上げもそうなんだけど、広告のやり口がもう二段も三段も新しい事を毎月やって広告から目が離せないんだよね。ここまで毎月見どころを作ってくるのは天才的というか、単に広告を研究しました! というだけで済む話じゃないと思います。
 すでに4月のアクションもばっちり決まっており、このまま2024年はキノコ伝説の年になる可能性が濃厚になってまいりました。キノコ伝説と向き合う覚悟を持て!


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