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学園祭にまつわる、悲しかった話

こんにちは。高校5年生です。

学園祭シーズンですね。今回は学園祭にまつわる、悲しかった話を1つお届けします。
それは執筆した本日、それもついさっき起きたことです。

朝、母と弟がひそひそ話をしておりました。「どうせ何を話しているか聞いても教えてくれないだろう」と見ないふりをしておりました。すると午前10時をまわる頃、2人は何も言わずこそこそと家を出て行きました。

部屋で1人課題に取り組んでいると、メールが届きました。送り主は母で、「家の鍵を玄関に忘れたから、届けてくれないか」という内容でした。そこで初めて私は、私が通っている大学の学園祭に2人が行っていることを知りました。何か一言言ってくれたら良かったのにと思いますが、そんなことを母や弟に期待しても仕方ありません。私は了承し、お昼ごはんを食べて出かけました。

学園祭に行こうと誘ってもらえなかったので、私は若干卑屈モードに入っておりました。一方で、「大学で2人に会うなら、その後模擬店やステージの出し物に一緒に行こうという話になるかもしれない」と思い、それを少しだけ期待しました。いや、少しだけというのは気取りましたね。結構期待しました。ですから、「模擬店で何か食べよう」となったときのために小銭をたくさんお財布に入れたり、眼鏡ではなくコンタクトレンズをつけたり、リュックサックを小さめの肩掛けカバンに変えたり、着心地重視の服ではなく授業に行く時のような服装を選んだり、スニーカーではなくパンプスを履いたり、日焼け止めと下地だけで済ませるところをある程度ちゃんとメイクしたりしました。

悲しかった話と前置きした時点で、結末は大体分かりますよね。
本当に家の鍵を届けただけだったのです。

大学の最寄り駅に着くと、改札前に母と弟が立っておりました。家の鍵を渡すと、2人は「じゃあ」と改札に向かうではありませんか。「もう帰るの?」と尋ねると、『何を訊いているんだコイツは』の顔で「うん」と言われました。
「あ、そう……」
返す言葉はありませんでした。全て私の思い過ごしだったのです。少し歩き、最後の望みをかけて振り返ると、もう改札前に2人の姿はありませんでした。

というわけで、私は現在人気のない図書館のPC教室でこの記事を書いております。防音対策がしっかりしている図書館なので、来るときにあれほど響いていた太鼓や吹奏楽の音は一切聴こえません。
片道1時間半、往復で3時間かかる道のりをただパシられただけの私は、このままでは悔しくて帰れません。大学に来た時間は無駄ではなかったと思えるくらいレポート課題を進めてからではないと、とても悔しくて帰れません。

しかし残念なことに、PC教室は16時半に閉室してしまいます。今の時刻は14時半、わずか2時間しか使えないのです。大学に来て帰る時間の方が長い時間です。これなら大学に来ないで、家で課題を進めていた方が有効に時間を使えましたね。メイクしたり着替えたりと準備する時間もかかりませんし、帰ってからメイクを落としたり荷物を整理したりする手間も取りません。
何のために私は今綺麗な髪形で、しっかりメイクで、秋らしい服装で誰もいないPC教室に座っているのでしょうか……考えれば考えるほど、悲しいです。
最初から期待なんてせずに、「家の鍵を届けてくれ」と言われたときに「私は今日1日家から出ないので、帰ってきたら家の鍵は開けるから届けません」と言えたら良かったんでしょうね。

これを読んでくださっている皆さんは、私のように惨めな思い出は作らず、学園祭を楽しんでくださいませ。

以上、「学園祭にまつわる、悲しかった話」でした。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

また、次の投稿でお会いしましょう!