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15年ぶり、友達の家に上がりました。

こんにちは。高校5年生です。

年明け、中学時代の友人から連絡をもらいました。年賀状を見て、私が春から地元を離れることを知り、その前に会いたいと言ってくれたのです。
お正月、繫華街の飲食店は人がいっぱいだろうということで、地元のファミリーレストランで会うことになりました。

友人と会うのは成人式ぶりです。私は精一杯のおしゃれをしてファミリーレストランへ向かいました。
しかし、待ち合わせの時間に友人が現れません。着いたときに連絡したので、「まだ寝ているかも?」と思いつつ待つことにしました。1時間も2時間も来なかったらどうしようと考えておりました。

心配は杞憂に終わり、友人は数分後に現れました。自転車に乗っていて、スマホの通知に気づかなかったようです。
2人でファミリーレストランに入ると、三が日と思えないほど空いておりました。その理由が分かったのは、メニューを開いてからです。何と、まだ午前中だったためモーニングメニューしか注文できない時間帯でした。できるだけ早めが良いだろうと10時を待ち合わせに指定した、私のミスでした。
しきりに謝る私を、「ここ、家族でいつも来てるから」と友人は笑って許してくれました。

私と友人は、モーニングメニューを注文しました。幸いだったのは、友人がまだ朝ごはんを食べていなかったことです。私はいつも通り朝7時頃に朝食を摂りましたが、友人は起きたばかりでした。普段は昼まで寝ているらしく、私との約束のために早起きさせてしまったそうです。2度目の謝罪を、友人は快く受け入れてくれました。

ドリンクバーで注いだ野菜ジュースをちょびちょび飲んでいると、食事が運ばれてきました。友人は目玉焼きとサラダのセットや唐揚げ、私はスクランブルエッグとサラダ、パンケーキのセットです。ファミリーレストランでモーニングメニューを食べるのは人生で2度目ですが、びっくりするくらいおいしかったです。遠くに食べに行かずとも、近くにこんなおいしいごはんが食べられる場所があるのか!と驚きました。
いつも食べるのが遅くて相手を待たせてしまう私ですが、今回は私の方が早く食べ終わってしまいました。友人が申し訳なさそうにするのが逆に申し訳なくて、代わる代わる色んなドリンクを注いでは大袈裟に感想を述べる「全力でドリンクバーを楽しむ大学生」を演じました。「そんなにドリンクバー好きなんだ」と友人に笑われ、何だか恥ずかしかったです。

「この後どうする?」という話になり、友人が初詣を提案しました。友人が行き先として挙げたのは太宰府天満宮です。太宰府天満宮と言えばご存知の方もいらっしゃるでしょうが、全国から合格祈願に受験生やその家族が訪れる、学問の神様です。三が日の観光地は混んでいるだろうと、やんわり断りました。
その後も色々選択肢は出たものの、結局私が同意したのは「カラオケ」でした。私が久しぶりに行きたかったのが本音ですが、友達と2人でカラオケに行ったことがなかったので、体験してみたかったのです。
お会計を済ませ、私と友人は近くのカラオケ店へ向かいました。

部活のメンバーで行ったことはありますが、友達と2人でカラオケ店に行くことは私の人生で初めての経験でした。しかし、頻繫に会っている相手ではなく、歌っている姿をお互い見たことがないにも関わらず、不思議と恥ずかしさや抵抗感はありませんでした。友人は3時間を希望しておりましたが、冗談交じりに「喉が壊れるよ」と言って2時間コースに決定しました。
友人が歌う曲はどれもアニメの挿入歌らしく、そのほとんどが初めて聴く歌でした。同じく友人も、私が歌う曲をほとんど知りませんでした。「サイレントマジョリティー」や「行くぜっ!怪盗少女」など、割とポピュラーな選曲だったと思いますが……私も友人の歌う曲を知らないので、お互い様ですね。
お互い分からないのに、2時間経つのがあっという間でした。友人の言う通り、最初から3時間コースでも良かったのかもしれません。

カラオケ店を出た後は、友人と話しながら歩きました。友人は声を出して気分がスッキリしたと言っていて、仕事のストレスから解放されたようです。
この後は友人の家にお邪魔することになっておりました。友達の家に上がるなんて、小学生ぶりです。友人から提案されたときは驚いて「申し訳ないからいいよ」と断っていたのですが、「嫌なの?」と聞かれ「嫌じゃないよ」と返すと、「家族が来ても良いよって言っているからおいで」と誘ってもらい、お言葉に甘えることにしました。

このまま家に案内してもらえるのかな?とあとをついていくと、友人は「家に帰っても何もないから」と、ケーキ屋さんに立ち寄りました。どうやら私を招くために、おやつを買って行ってくれるつもりだったようです。友人がシュークリームやどら焼きを2つずつ買ってくれて、ようやくお家に向かいました。

友人の家はとても大きくて、こじんまりとした家しか住んだことがない私には大豪邸に見えました。三が日なのでご家族が集まっているのでは?と考えておりましたが、友人のお母さんだけがいらっしゃいました。ご挨拶し、持参した手土産を渡します。その間に友人がお茶を淹れてくれ、先程購入したシュークリームやどら焼きを持って部屋に案内してくれました。

友人の部屋には本当に驚きました。まず、自分専用の部屋が実家にあることにも驚いたのですが(私は自分だけの部屋というのは持っておりません)、その内装がまるでアニメの主人公の部屋みたいだったのです。勉強机があって、ドレッサーがあって、クローゼットがあって、反対側にはベッドがあって、ベッドサイドにはカーテンのかかった窓があります。漫画がびっしり詰まった本棚も、とても新鮮でした。「本当にこんな部屋が存在するんだ!アニメの世界だけじゃないんだ!」と感激しましたね。

友人が「オセロしよう」とオセロの盤を出してくれます。久しぶりのオセロ、なかなかやる機会がないので嬉しかったです。
「あ、でも手が汚れるから、先におやつ食べよう」ということで、オセロをする前におやつをいただきました。普段家で食べないようなスイーツで、とってもおいしかったです。何より、誰かとこうして穏やかに喋りながら食べるおやつはこんなにおいしいのかと、楽しみを噛みしめました。
おやつを食べながら、友人が自慢のコレクションを紹介してくれました。映画館の売店で購入したパンフレットの冊子や画集を見せてくれたのです。私がアニメに関して知識不足で、知らない作品も多かったのですが、私が大好きな名探偵コナンの本を出してくれたときはテンションが上がりました。友人と「今、どこまで進んだんだっけ?ボスはもう正体分かってる?」「RUMもちょっと前に正体がバレたよね」とコナントークをひとしきり繰り広げ、それはもう気分が上がりました。

ひとしきり盛り上がり、おやつを食べた後はオセロを始めました。
210回目の投稿『オセロで負ける高校5年生』を振り返っていただきたいのですが、実は私、オセロが得意ではありません。頭を使うボードゲームは、頭を使う前に面倒くさくなってしまうので、弱いのです。
もっとも家族としか対戦したことがなく、オセロのプレイ自体久しぶりのことなので、気軽に始めました。

すると……友人に勝ってしまいました。もう1回すると、また勝ちました。友人は「ここに置けば次のターンで有利」などと考えてプレイしていたようですが、気づいたら角を取ることと、中心部分にあまり自分のコマを増やさないようにすることしか考えていなかった私のコマが、盤のほとんどを占拠しておりました。友人がコマを置けず、パスになることも度々ありました。
2回とも、途中まではどちらが勝ってもおかしくなかったのでびっくりしました。勝つと嬉しいですね。

そうしているうちに2時間あまりが経っておりました。私は友人のお母さんにご挨拶し、おいとますることにしました。友人が玄関のドアを開け、見送ってくれました。

次はいつ会えるか分からない友人。別れて初めて、一生の思い出に残る大事な時間を過ごしていたのだと気がつきました。
ここまで長く付き合ってくださった読者の皆さん、本当にありがとうございます。ここまで長く書いたのも、この1日が本当に本当に楽しくて、これだけ書かずにはいられなかったからです。
小学生、中学生の頃は「友達なんていらない」と本気で考えておりましたが、前言撤回。気の合う友達は、必要です。
地元を離れる前にもう1度会いたいですが、それがもし叶わなくても、また必ず再会したいです。

以上、「15年ぶり、友達の家に上がりました。」でした。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
また次の投稿でお会いしましょう!