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R-1グランプリ改善案を考えてみる

R-1グランプリが叩かれております。まあ、賞レースって色々ありますし、自分が面白いと思わなかったものが優勝ってのもザラですし、笑いって難しいところではあるのですが。

もうちょっとなんとかならんかなと思う何か。

前提)ネタは面白かったんだ

大前提として、決勝に上がった10人のピンネタは、個々で見ると面白いんです。笑いって生き物でもあるんで、その時の空気感で笑える笑えないってのもないわけではないのですが。

録画してる人、もしくはU-NEXTや大阪チャンネル加入してる人は、もう一度ネタの部分だけ見直してほしいところ。好みはあるので面白いと感じない芸人もいるかも知れない。大きな声で笑うというよりはエスプリっぽい笑いのタイプも有るかと思う。が、レベルが低いとかそういうことはない…と私は思うのですよ。全員ね。

ただ、本放送リアルタイムではピンとこなかった芸人さんもちらほらいたのは事実である。これって、由々しき事態なのよね。もちろん、TVショーの側面がある大会なんでTV的にどうのってのはあるでしょうけども。

1)最低2時間半の放送時間がほしい

R-1グランプリの問題点の大半は放送時間。

2時間。120分。うん、短すぎる。

ネタ時間が1人3分。審査員+一般投票の時間が1分。得点発表が30~1分。出場者が10人。1stラウンドだけで50分。Finalラウンドは最後にまとめて得点発表とはいえ、12分。ここまでで62分。

……という計算をした上で2時間で足りると思ったのだったら、あまりに計算が甘すぎる。実際は次の演者の準備もあるし、割とバッサリ端折られたけど審査員の講評(コメント)時間もある。ネタ前には演者紹介VTRもあるし、出囃子もちょっと長めにある。って考えると、1組につき最低7分、コメントもしっかりもらうなら10分計算でいいくらいだ。

って考えると、1stラウンドで100分(=1時間40分)。Finalラウンドは紹介Vなしとはいえ、TV用インサート+出囃子があるので最低5分、最後に得点発表1分として、ここまでで116分。

審査員の紹介とか、敗者コメントとか、CMタイムとか全無視してこれである。全然時間が足りないのである。素人考えであっても。

放送時間3時間、いや、最低でも2時間半は欲しい。上記の計算で30~60秒ほど削っても大丈夫な場所もあるんだが、それにしたって2時間ではそこでの貯金をCMで食いつぶすのがオチだ。

……ローカルセールス枠の都合もあるんだろうが、18時か18時半スタートで21時終了、どうしても19時スタートでしかできないのなら22時終了とかにできないものなのだろうか。30分長くできるだけでもかなり見やすくなると思うのだ。

2)出囃子変えてください

今年のR-1グランプリ2021のテーマはCreepy Nuts書き下ろしの「バレる!」という曲。この曲に合わせた事前PV、オープニングはかっこよい。人によってはこの曲嫌いだって人もいるかも知れないし、今までのR-1ぐらんぷりと雰囲気が変わったことで戸惑った人もいるかも知れない。が、10年未満の大会、第7世代のピン芸人の大会という意味ではCreepy Nutsで良かったと思っている。

だが、出囃子まで「バレる!」、お前だけはあかん。

というか、せめてインストアレンジしてくれ。声で「バレる!」って入るのは、言霊が強すぎるのだ。イントロ部分、ボイス抜いて5拍分だけでいい。それ以上は長い。通常の劇場の寄席の出囃子は確かにあのくらいの長さがあるんだが、TVショーとしてみると劇場サイズでは長いんですよ。実は。

出囃子で何度も「バレる!」ってフレーズ聞きすぎたせいで、出囃子が印象に残りすぎてるきらいがあります。出囃子ってそういうのじゃないんですよ。M-1グランプリの共通出囃子(ムーラン・ルージュ)もちょっと長めではあるのですが、あれはあの間にせり上がって階段降りてマイク前に立つから気にはならないのです。R-1は違うでしょ。人によって板付きか袖かの違いはありますけど、出囃子に合わせて歩いて登場する人だれもいないんですよ。

3)審査員や敗者のコメントが賞レースのキモです

まったくなかったわけじゃないけど、皆無に等しすぎた「得点発表後の審査員コメント」。時間が足りてないのだから当然コメントなんかもらう余裕なかったんでしょうけど…。

今回の審査員によるコメント、めっちゃ期待してたんだから!!

全員にコメントを貰うのは無理だと思ってる。でも、せめて1組に付き3人はほしい。一言でいいからコメントほしい。

そして、Finalラウンドにいけなくなったことが確定した人への敗者コメント。ここも、キモだ。M-1グランプリでもキングオブコントでも重要。The Wでもここはしっかりしてる。っていうか、当初の計算上は敗者コメントの時間あったはずだよね。最初からなかったとしたら、コメントインタビュアー芸人(今年はおいでやす小田さん)用意しないもんね。

結論)生放送ほど時間見積もりにゆとりを

……今年のR-1について、もっと細かい不満がなかったわけではない。音響(特に演者マイク)が微妙だったとか、カメラスイッチングが微妙だったとか、フリップだけカメラで抜かずに演者も一緒に映してほしいとか、視聴者投票はツイッターで良かったの?とか、CM入り・明けBGMまで「バレる!」はくどすぎるとか、まあまあ色々あるんですが。

とにもかくにも、決勝10人・個別得点制・上位3人がFinal進出でもう1ネタという仕組みを変えない前提ならば、放送時間を最低30分、できれば1時間伸ばさないことにはどうにもならない。逆に言うと、どうしても2時間しか時間が取れないのならば、決勝人数を減らすか、個別得点制をやめるか、Finalラウンド廃止かという改定をするしかない。実は昨年までの1stラウンドブロック制ってのは時間にゆとりをもたらす手法の一つでもあったのですよ(昨年は決勝12人でしたし)。

解消しやすいところかどうかは(制作側ではないので)なんとも言い難いのですが、この時間問題の解決だけで8割の問題は解決しそうな気がするのです。もし、計算ミスとかでしたら、ゆとりを持った時間見積もりを立ててTVショーとしても楽しめる賞レースを見せてほしいなあと思います。

芸人さんは面白かったんだ。

余談)ラスト5分のネタリプレイ問題について

一部地域は20時54分で終了していたのですが、東京や大阪などの放送では授賞式もそこそこに優勝したゆりやんの1stネタのリプライが流れ、それをワイプでゆりやんが見てるという意味不明な時間がありました。ちなみに地方のはずの我が放送局もそこは流れていた。

これ、20時54分からの6分間はローカル枠(だったっけ?)というもので、地元ニュースとか天気予報とかで予め抑えられている放送局がちらほらあるのです。飛び降りともいう。飛び降り自体は放送局側の番組編成都合なのでコントロール不可領域ではあるのですが。

飛び降りの都合で、ここに表彰式とか、審査員コメントとか、なんか視聴者側にとって意味があることをやっちゃだめなんだそうな。結果がネタリプレイってことらしい。そういえば昨年のR-1もここの時間がなんかだらっとしてまして、それまで巻き進行だったのが突然何していいかわからない空気になってぐっだぐだになってたなあ…ホトちゃん困ってたなあ…南條さんの鼓の音だけが響いていたなあ……(遠い目)。

という理由はわからないではないが、ネタリプレイは意味がわからないのでやめてほしい。紅白歌合戦とか、レコード大賞とかの音楽の大会ではないのだ。

同じVTR流すならば、予選会場の模様を流してほしい。最悪、Youtubeにあげた事前PVでもいい。あれはあれで決意表明的なものも含まれているので意味がわからないし、ここまで「バレる!」が流れすぎて食傷気味ではあるのだが、ネタリプレイよりはマシである。っていうか、あのPV作るために予選出場者のいろんな映像や楽屋カットを抑えてあるはずだし、なんかうまく作れなかったんだろうかとも思う。予算の問題はさておくとして。

ちなみに言うと、大会のダイジェストに合わせたスタッフロールもネタリプレイ後に流れているが、これは個人的にありだと思う。スタッフロールも賛否両論だったが、これについては、大会がグッダグダなのにスタッフロールだけかっこよく作りやがってってとこと、単純にみんな「バレる!」を聞き飽きたからだと思う。あの曲の使い所がオープニングとエンディングだけだったら、普通に有りだったと思うんだー。

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