「イベントをやる」という意思の保ち方

今週も遅れました、「同人イベント主催へのみち」です。今まで投げ銭形式になっておりましたが、今回よりクリエータサポート機能を使ってみようと思ってます。もっとも、1週間たったら有料マガジン収録行きです。

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さて、イベント主催になるには、まず「イベント企画したい!」という意思が必要です。まあそりゃあそうだよね。企画したい!主催したい!って気持ちがなきゃ、普通やらないよね。

といいつつも、イベントをやるというきっかけ。
結構、みなさんいい加減なものです。

……イベントスタッフ界隈の飲み会に行くとですね、「○○オンリーやりたいよなーとか思っててさー」と酔った勢いで言おうものなら「おー、いいねー!手伝うぜー!」「○月くらいでいいじゃね?」「あ、会場抑えたから」「言い出しっぺの法則」というような感じで、あっという間にイベント開催が決まることがとってもよくあります(何。
多分この記事を見てる方でそういう環境にいる方はあまりいないと思うので、ご安心ください。やりたいと言ったらもう会場抑えられてるとかって例はかなりまれです。ハイ。

ただ、打ち上げの席などで「オンリーやりたいよねー」「ね~」「じゃ企画したらみんな手伝ってくれる?」「手伝うよー」みたいな、ノリで決まるイベントは結構あるような気がします。最近はツイッターなどで盛り上がってやるか!みたいになるケースも無きにしもあらずです。

別に、ノリで決まるのはかまいません。イベントたるもの、勢いというものも大事ですし。
ただし、ノリで決まったものはアッサリ冷めることもあります。冷めてしまったものをやらなきゃイカンという決まりはありませんが、開催告知をしたあと冷めてしまうと、結構大変です。そういう人がよく中止宣言をやらかしたりします。

ですので、ノリでやりたい!というのは全然構いませんし、むしろそういうきっかけで立ち上がってくれるのは嬉しいのですが、本当に開催する場合は、一度冷静になってから、公(おおやけ)に告知しましょうね。Twitterも公ですよ。
(まあ、やりたいなーくらいならば別にツイッターで呟いても構いませんが……)

やりたいと思った人がまずすること

イベントやりたいです!と思ったとして、さあどうするべえか。

・どのくらいの規模(サークル・一般数)
・どこでやるか(会場の広さや場所)
・何をやるか(即売会なのか、コスイベなのか、両方なのか、それ以外の企画もあるのか)
・やるにあたっての予算見積と、予算の出資先

あたりをまず考えましょう。スタッフとかチラシ絵師とか、そういうのはまだ早いです。
規模と場所(会場)はセットで考えます。会場が広すぎる分には困りませんが、狭すぎる場所では入りきりませんし、消防法というものに引っかかる可能性があります。また、何をやるかによっては、その分の広さも計算しないといけません。コスプレあり即売会の場合、即売会スペース+コススペース+更衣室が必須です。
オンリーにしろオールジャンルにしろ、どのくらいの集客が見込めるかが計算出来ないと、後々苦しくなります。オールジャンルはなかなか計算が難しいのですが、自ジャンルオンリーならばなんとなく計算できるんじゃないかなと思います。
※ちなみにプチオンリーの場合、集客のことを考えなくていいので楽です。プチオンリー企画として何をやるか考える必要はありますが。

「主催なんかやったことないから、そんなのわかりません!」

という人は、まず身近な誰かに聞いてみましょうや。何人かに聞いてみると、そのへん詳しい人にぶつかるんじゃなかろうか。

そのくらいの人脈というか、交流がないと、イベント主催は難しい気がします。ええ。

で、人数や箱の広さ、企画などを考えたら、どのくらいの経費がかかるか計算しましょう。

経費の計算の仕方

経費の計算と言っても、厳密にする必要はありません。あくまで予算としてこのくらいが必要であるという目安がないといろいろ困るからです。何が困るかは後述。

オンリー(オールジャンル)の即売会イベントをやるとしての経費計算方法です。
※プチオンリーやコスイベなどはちょっと変わってきます。

<収入の部>
・サークル参加費(スペース代×サークル数)
・サークル参加者追加費用(追加椅子などがここ)
・当日パンフ費(パンフ価格×参加者数)
・コスプレ(カメラ)登録費(登録料×登録者数)

<支出の部>
★会場費(ホールや会議室(更衣室などに使用)の費用)
★会場備品費(机や椅子、音響機器、空調代など)
★当日パンフ印刷費
★告知チラシ印刷費
・サークル案内関係諸経費(切手代、封筒代、サークル向け手引印刷費、サークルチケット印刷費など)
・その他企画にかかる費用
・雑費

この内、まず「★」の部分がいくらになるか計算しましょう。ちなみに会場費はネットなどに記載してあることが多いのですが、「物品販売の場合は表示金額の1.5倍」などと書かれている場合もあるので計算に要注意。
(同人誌即売会は物品販売に当たるのかどうか微妙なラインですが、このへんは会場との交渉次第でもあるので、高い方で計算しておきましょう)
チラシやパンフなどはオンリーイベント支援を使うと安くしてくれる印刷所が多々ありますが、予算計算時には割引金額ではなく通常価格で計算するのがポイントです。

この計算結果が全額自腹でぽんと出せない場合は、主催をやるのを諦めることをおすすめします。もしくは、自分の財布が傷まない程度の規模に縮小しましょう。

というのも。

当日パンフレット印刷費を除く★のお金というのは、事前に建て替える必要があるからです。収入の部を見るとわかりますが、サークル参加費や当日パンフ販売費なんてものは、後から入ってくるものです。イベント開催告知の段階で会場を予約しチラシを作らねばなりませんが、これらを行うための費用はどこから出るのでしょう? ええ、主催の財布です。
どうせあとで取り戻せるから借金をして…!って人、たまにいるらしいですが、失敗するとその人の人生まで終わるので、やめましょう。

……当日パンフはサークル参加費が入ってきてから払うんだから、計算しなくてもいいって? まあそうなんだけどね。そのくらいの余裕が無いと厳しいって話。

次に、収入の部と支出の部、それぞれ合計金額を出します。サークルがどのくらい来て一般参加者がどのくらい来るかは概算(大体の見当値)で構いません。サークル案内諸経費は1サークルあたり200円で計算しておくといいかなと思います。
支出の雑費については、+1万円くらいにしておきましょう。

はい。
計算出ましたね?

この段階で、支出のほうが大きい場合は、計画やり直しです。

理由解説。
実は、収入について、最初から堅実な計算を出せる人があんまりいないのです。なので、サークル数や一般参加者数は結構夢のある数字(多めの人数)を上げてる人が多いのです。つまり、蓋を開けてみたら、それより少ない人数しか集まらなかったということがよくあります。
これに対し、支出の方は実際にやってみたらもっと膨れ上がることが多々あります。「パンフやチラシの割引があるから減るはずじゃん!」と言われる方多いんですが、その分何か追加で使う必要が出てくるので(チラシ増刷とか)、あえて大きめの数字で計算しておく必要があるのです。
という状態で、すでに赤字確定のイベントはおすすめしません。絶対に黒字にもっていけないからです。

「同人イベントは儲けちゃいけないんだよ! だから赤字でいいの!」

という意見はあるかと思います。そういうポリシーの方はまあそれでいいんじゃないかなと思いますが、個人的には「自分の生活を潰してまでやる趣味かどうか」という観点から行くと「最低限ほんの少し収入のほうが多かったレベル」までもっていけないと、リアルで死亡します。
ですので、この計算の時点で「結構大きな黒字にならね?」的な計算ができないと、その人の生活を考えると怖いかな……と思います。

あと、赤字前提の企画って、モチベーション上がらないのさ。最終的に赤字だった場合は仕方ないけど、せめて前日くらいまでは「儲かるかも! その分でパーティしようぜ!」くらいのモチベーションがないとやってられないですよ。主催だけでなく、お手伝いしてくださる方も。

そういうわけで、計画の段階では黒字になるようにしましょう。

支出の部分で一番調整が効きやすいのが「チラシ」です。本当にその枚数必要か? 印刷方法はそれでいいのか? 印刷所はそこでいいのか? など、色々検討してみると、意外と金額が削れたりします。チラシはイベントが終わったら不必要な紙ゴミになってしまいます。途中で尽きたら追加で印刷するという手段もありますし、どこのイベントで配布すべきか、どこで配布すると効果的かなどといった検討をしてみましょう。
(ただし、同じ印刷物は少部数を何回か分けて印刷するよりも、大部数をいっぺんに印刷したほうが、1枚あたりの単価が安くなります。ですので、あんまり小分けに印刷するのはおすすめしません)
ちなみに、イベント終了時にチラシ置き場などにおいた余ったチラシは回収して次のイベントでまた使うなどといった再利用を徹底化すると、結構チラシは少なくてもあちこちに配布することが可能です。

会場の選び方

順番が前後しましたが、会場の選び方でも経費というものは変わってきます。
普通に考えて、広い会場は高くて、狭い会場は安い。

と思うでしょ?

正解は「公営の会場は広さの割に安く、民間の会場は高め」です。
※たまに、民間の会場で安いところがあります。そういう物件を見つけたら超ラッキーです。

うん。公民館とか、公的機関が運営しているホールなどは、結構安いです。また、市民ホール系は「市民割」するところも存在します。地元で開催ならば、それを使わない手はありません。

ただし、公営の会場は「物品販売不可」だったり「物品販売の場合は金額が倍」というところがザラにあったりします。物品販売不可なのにフリマをやってる会場っていう「フリマは物品販売の当たらないの?」と聞きたくなる会場も存在しておりますが(…)、安い!と思っても、まずそこ確認しましょうね。
また、公営の会場は「エロ禁止」ってところが結構多いです。まあ、仕方ないよな。ただ、このエロってのが同人でいう「成人向け(R18)」じゃなく「男性向けアダルト」だったりするんだよなあ。
※女性向けエロ(BLのR18)っていう概念はないらしい
ま、まあ。ジャンルによっては成人向け禁止にすると成り立たなくなる場合もありますので、その場合は別の会場を探しましょうね。

ちなみに、民間の会場なら物品販売もエロもOKかというと、そんなことはありません。このへんも、会場によりけりです。

あと、公営・民間問わずですが、会場内飲食禁止と謳われている会場がちらほらあります。その場合「ペットボトルの水すら飲めない」場合もあるので、避けたほうが無難です。さすがにそれはキツイ。
(飲食禁止と歌われていても「ペットボトルくらいなら大丈夫」って会場は結構あります)

わからない時は、その土地で開催されているイベントの会場を調べるのがいいかと思います。何回も即売会が開催されている会場は、ある程度ノウハウがあるので、初めてイベント主催でもある程度はフォローしてくれるかもしれません(必ずしてくれるとは限らない)。

新規会場開拓も時には必要かと思います。初めてイベント主催をやるが故に、新規開拓成功するケースもあったりします。なので、気になるところは電話をかけて聞いてしまいましょう。最近はメールでも受け付けてくれるところがあります。

公営だろうが民間だろうが、提出書類が山のよう必要な会場が結構あります。出し忘れると怒られますので、きっちり出しましょうね。
それがめんどくさいという人は、主催はちょっと難しいかなあ。

ここまで考えて、まだやりたいと思うか

個人的には、ここまで考えてやりたい!やってやるぜ!という方ならば、7割位は大丈夫なんじゃないかと思います。
たぶん、モチベーションも最後まで保てるんじゃないかな。

でも、まだ告知は早いよ。もう1つ、考えないといけないことがあるぜ!

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というわけで、今週はここまでです。

来週は「お手伝いしてくれるイベントスタッフについて」のお話をしたいと思います。

じゃ、来週までまったね~!



最後までお読みいただきありがとうございます。いいね!と思われましたら投げ銭などしていただけますと、幸せになれます。