30年前のベビーベッドの愚痴を

私の身近であったことだが、「ベビーベッドを親戚に貸したら返してもらえなかった」という愚痴を言う人がいた。

愚痴の内容はよくある話なのだが、この人の場合「ベッドを使っていた赤ちゃんがもう30才を越えているのに言っていた」という点がちょっと普通とは違うかなと。

そこまで大事なベビーベッドなら、返してと督促するとか、壊れたのなら弁償してもらうなど手が打てたはず。

そして、子どもが大きくなると使わなくなる種類のものなので、返しもらってどうするのか? という点も不思議だ。

何よりも、その1点に30年も意識を集中し続けることで、「現時点」に対する意識が薄れる。現時点にどれほどの幸せや楽しさがあふれていても「30年前、ベビーベッドを返してもらえなかった自分」に常に引き戻される人生というのも、大変だと思うのだ。

お子さんも「あなたのベビーベッドが返してもらえなかったのよ」と言われ続けることは、しんどかっただろうと思う。
自分の親が、親戚にとげとげしい言葉を吐き、そのことの理由が自分の使っていたベビーベッドにあるのだと知ったとき、どんな気持ちがしたのだろう?

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