資格を取っても得られないもの
私は資格を取るのは好きだし、得るものも多いと思っている。でも、資格を取るだけでは得られないものもあることを、意識しておかなければいけない。
「資格を取ったら人生バラ色」と過剰な期待をしていると、周囲の人から「資格だけ取ってどうするの?」「食べていけるの?」と言われるとカチンときたり、自信をなくしたりしてしまう。
自分自身が冷静に
「資格取得で得られるものはなにか? それだけでは得られないものはなにか?」
を判断して、足りないものを獲得していく心構えが必要だろう。
「資格を取るだけでは得られない」 と私が思っているものをいくつかご紹介しよう。
自信
試験勉強で色々な知識を吸収することができ、自信がつく場合もある。しかしながら、「自分はこれだけしか知識がない」と確認することにもなるので、かえって自信が失われることもある。
そして、自分が試験勉強に集中している間も、社会には動きがあるので、試験後には世間知らずになった気分に。
仕事とお客様
資格を活かした仕事は、資格を取っただけで自動的に手に入るわけではない。仕事を探したり、お客様にアピールしたりする方法を、別に考えなければならない。
実務能力
試験勉強は「自分とテキスト、問題集」の間で行うことができるけれど、実務は「自分と人」との間で行うものだ。いつでも教科書通りに仕事を進めればいいというものではない。
実務をスムーズに進めるためには、自分の正しさ・教科書に書いてあったようなことを主張するより、まず相手の望みを聞くことが必要。
だからこそ「資格があるから実務能力が高い」ということにはならない。
満足感が続かないことも
試験に合格した直後はすごく嬉しいけれど、喜びは日に日に薄れるものだ。忙しい中、時間を作って勉強していた日々の充実感も、勉強のない生活に戻った途端に懐かしくなる。
満足感や充実感を得るために、次の資格に挑戦するのも悪い方法じゃない。でも「何かに頼って、満足感や充実感を得る」という方法は、頼る相手がギャンブルとか買い物になってしまうと、依存症のようになっていく。資格依存症になると、きっと苦しいだろう。
満足や充実が得られない自分の考え方、感じ方を変えていくことも必要かもしれない。
お金
資格は、お金を自動的に連れてきてくれるわけじゃない。
お金を得るための努力をしなければいけない。その努力をいったん始めると、資格はこれまでになかったやり方に、気づかせてくれる武器となる。
人からの信頼
私が高校のとき、数学の先生に聞いた話だ。
「(先生が)高校生だったとき、友人が好きな人に告白してふられた。友人は『俺は勉強して東大に行って、振り向かせる』と言っていたけれど、ちょっと違う。ふられるということは、女性のほうが恋愛できるタイミングじゃなかったり、男性の嫌な部分に気づいていて断っているという可能性もある。そういう部分を無視して、東大に行ったからといって彼女が振り向くとは限らない」
大人になって感じた事は、資格を取るだけでは、人からの信頼は得られないということ。資格があっても嫌な性格だったりすると、信頼してもらえない。数学の先生の話に、ちょっと似ているなぁと思っている。
人脈
資格があることで、出会ったばかりの人から「すごいですね」と言われることはある。でも、一瞬だけ強烈な印象を与えても、その後のつながりができるかどうかは、また別の問題だ。
特に、有資格者がばかりが集まる場では、資格があるというだけで、誰かの印象に残ることは難しくなる。
それでも資格を取るのは楽しい
資格を取っても得られないものについて考えたら、こんなにたくさんあった。さすがにうんざりした人もいるだろう。
「資格を取るってホントに意味があるのかな?」
私なりの答えは「意味があるかはおいておいて、楽しいのだ」ということ。すぐに仕事で役に立つことがなくても、楽しいのだ。ヨットに乗ったり、クッキーを焼いたりするのと同じように。それが私なりの結論だ。
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