藤_254125086

「 いつもありがとう 」 2

対面

トウヤスーパーを過ぎて、やっと自動音声アナウンスが流れる。
「次は、天坂高校前 天坂高校前 」

僕は、はやる気持ちを抑えつつ降りる順番の最後尾を狙って立ち上がり、降車口ドアへと向かった。

いつもは、定期を使うのだがその日は現金払いにした。
運賃箱に小銭を投入する。ガラガラガラ、チャリンチャリン…。

その隙に、顔を上げ運転手さんを見てみる。
バチッと目が合ってしまった。
「ご乗車ありがとうございました。」素敵な声とともに、にこっと微笑んでくださった運転手さん。
ぼくは思わず焦りながらも「ありがとうございました!」と返答し会釈をしてドキドキしながらバスを降りた。

とっさに僕は振り返り、バスの特徴を目に焼き付けた。
♢路線 020番バス 車両の色は緑のラインが目印!!


運転手さんは、とてもミステリアスな顔立ちでとても良い印象だった。
目は割と細めで、女優の〇〇○さんに似ている。輪郭はというと異国っぽい感じではっきりとしていた。日本人だと思うのだが、外国人の血も混じっていそうな感じである。

容姿もきれいだったのだが、なんというか…

すごく 良い人 だって気がしたんだ。


この日から僕の世界は、変わりはじめた。


~もくじ~

1 序章 2 対面 3 拓也