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「 いつもありがとう 」  3

拓也

「なんか楽しいことないかな~」
机の上に足を放り投げて天を仰ぐ。

おれは、明るい。まー明るいことこの上ないだろう、認める。おれが。
おれはいわば ミツバチ だ。
あっちこっちの花の蜜を吸いに行く。(オスだけど)

人はおもしろい。話が合うやつ、合わないやつ、騒がしいやつ、変なやつ、いろいろといる。だから親友がいない。たくさんの友人はいるが ずっと特定のやつと遊んでいたことがない。

元カノいわく
「拓也さ、私のこと見えてない」
らしいんだと。


おれは、高校生になった。近所の普通科高校。

1-3 は、これまでになく平均的だった。もう6月だが、突出として何か起こるでもなく気になるようなやつがいない。気晴らしに色んな部活へ見学にいってみたがピンと来るものはなかった。

相変わらず、人間関係は揚々とクリアしている。

いかんせんこう 心 踊る何かが足りない。


「先生!そろそろ席替えしませんか?」


~もくじ~

1 序章 2 対面 3 拓也 4 席替え